昭和56年5月以前に建てられた家の耐震改修に、高松市は1戸あたり最大1,150,000円を出します。
高松市の支援制度とは、子ども医療費を18歳まで所得制限なしで無料にする一方、産後ケアや病児保育は回数と世帯要件で線を引く制度群です。収録している高松市の15制度から、金額と条件を整理します。
耐震改修は上限115万円、契約前の交付決定が絶対条件
対象は昭和56年5月31日以前に着工された戸建住宅・長屋・併用住宅。耐震診断は上限113,000円、耐震改修工事は上限1,150,000円、木造のみの簡易改修は上限575,000円、耐震シェルター設置は上限230,000円です。上限まで出るのは対象工事費の範囲内で、改修後も申請者の住まいとして使うことが条件。世帯員に市税の滞納があると対象外です。最大の落とし穴は手続きの順番で、交付決定前に工事業者と契約すると補助を受けられません。令和8年度は工事完了が令和9年1月31日まで。
産後ケアは宿泊5日目まで1日5,000円、6日目から倍
自己負担は宿泊型が5日目まで1日5,000円、日帰り型が5日目まで1日500円、訪問型が5回目まで1回300円。ここまでは安いのですが、超えると宿泊型1日10,000円、日帰り型1日5,500円、訪問型1回5,300円に跳ね上がります。日数の上限は宿泊型7日、日帰り型と訪問型は合わせて5日(5回)まで。対象は退院後1年未満の産婦と乳児で、養親や父親も使えます。生活保護世帯と市民税非課税世帯は事前の減免承認を受ければ無料。後から申し出ても間に合いません。
子ども医療費は18歳年度末まで全額、所得制限なし
0歳から18歳到達後最初の3月31日まで(4月1日生まれは18歳の誕生日前日まで)、保険診療の自己負担額が全額助成されます。所得制限はありません。ただし入院時の食事療養費の標準負担額と自費診療分は対象外で、健康診断や予防接種など保険適用外も助成されません。県外の医療機関で受診した場合はいったん全額を支払い、後日払い戻しの申請が必要です。
病児保育は1日2,000円、無料になる世帯は限定的
高松市民は1日2,000円、土曜は1日1,000円、市外在住者は1日3,000円。無料になるのは第2子が3歳未満の2人以上世帯、第3子以降が就学前の世帯、生活保護世帯、市民税非課税世帯に限られます。食事代やミルク代、延長料金は施設ごとに別途必要。土曜は実施施設と時間が限られます。
ファミサポは1時間700円、18歳未満3人以上なら200円戻る
利用料は子ども1人1時間あたり平日7時〜19時が700円、それ以外と土日祝が800円、2人目以降は半額。宿泊を伴う預かり、病児の預かり、家事援助、複数家庭の子どもをまとめて預かることは対象外です。事前の会員登録と、依頼会員・提供会員の打ち合わせが必要です。18歳未満の子を3人以上養育する世帯には1時間あたり児童1人200円(2人目以降100円)の利用料助成がありますが、償還払いのため全額を支払い、振込まで2か月程度かかります。世帯員に市税の未納があると対象外で、交通費は助成されません。対象は令和8年4月以降の援助活動です。
多胎家庭は年10回の家事・育児支援が無料
多胎妊婦または3歳未満の多胎児を養育する家庭が対象で、1回2時間の家事・育児支援を年10回まで無料で使えます。利用できるのは子が3歳になるまで(妊娠中に開始した場合は初回から3年)。手の込んだ調理、大量の洗濯、屋外作業、アレルギー対応食の調理、子どものみを預かる利用は対象外。お盆(8月13日から15日)と年末年始は利用できません。
健診の受診票は香川県内限定、県外受診は事前の交換が必要
妊婦健診、産婦健診(産後2週間・1か月ごろの最大2回)、1か月児健診、新生児聴覚スクリーニング検査は、いずれも受診票で費用が助成されます。共通の落とし穴は使える地域で、有効なのは香川県内の医療機関・助産所のみ(妊婦歯科健診は市内の歯科医院のみ)。里帰りなどで県外受診する場合は、受診「前」に未使用の受診票を県外用助成申請書に交換しておく必要があります。産婦健診の受診票は分娩日から56日以内、1か月児健診は生後28日から41日という期限も。新生児聴覚スクリーニングで無料になるのは自動ABRのみでOAE検査は対象外、原則として出生後1週間以内に分娩医療機関で受けます。市外へ転出すると受診票は使えません。
未熟児の入院医療費と、非課税世帯向けの栄養食品
未熟児養育医療給付は、出生体重2,000g以下または医師が入院養育を必要と認めた1歳未満の乳児に、指定医療機関の入院医療費(保険診療分)と食事療養費を給付します。世帯の課税状況に応じた一部自己負担があり、保険適用外の治療費、差額ベッド代、おむつ代、文書料は対象外、給付期間は1歳の誕生日前日までです。母子栄養食品支給事業は1日1回分程度の牛乳・粉ミルク等を無償支給しますが、対象は生活保護世帯、市民税非課税世帯、所得税非課税世帯に限られます。
空き家は改修50万円・家財処分10万円、いずれも先着順
香川県空き家バンク登録の空き家が対象で、改修補助は事業費の2分の1、上限50万円(居住誘導区域内なら60万円)。家財道具処分補助は事業費の2分の1、上限10万円で、どちらも全額補助ではありません。3親等内の親族間での売買・賃借、過去に同補助を受けた場合、世帯員に市税の未納がある場合は対象外。改修補助では所有者は交付後3年間の空き家バンク登録継続、利用者は補助決定後3年以上の居住が求められます。いずれも予算額に達し次第終了する先着順です。
高松市をどう見るか
強みは子ども医療費です。18歳年度末まで所得制限なしで自己負担ゼロは、はっきり手厚い。多胎家庭への年10回無料支援も、対象は狭いものの実用的です。一方で日常の負担軽減は条件が細かく、取りこぼしやすい設計です。病児保育の無料化は多子か非課税世帯のみ、ファミサポの助成は18歳未満3人以上で償還払い、産後ケアは5日目と6日目で自己負担が倍になる。さらに全体を通じて目立つのが「事前」の要件です。耐震改修は契約前の交付決定、産後ケアの減免は事前承認、県外受診は受診前の受診票交換。手続きの順番を間違えると、条件を満たしていても1円も出ません。この市では順序の確認が金額以上に効いてきます。