大学受験の受験料・交通費・宿泊費を1人あたり10万円まで補助する制度が酒田市にありますが、受験料を支払ったあとに申請しても1円も出ません。
酒田市の子育て支援とは、給食費や医療費といった全世帯向けの負担軽減と、所得の低い世帯に的を絞った進学支援を組み合わせた構成です。ただし住宅・移住・受験の補助は、どれも事前申請と期限が結果を左右します。収録している酒田市の13制度から、金額と条件を整理します。
大学受験費用は1人10万円、模試は中学生6,000円・高校生8,000円
大学等受験費用・模試費用補助は、受験料に加えて交通費(1kmあたり29円)と宿泊費まで含めて1人あたり上限10万円。模試費用は中学生が上限6,000円、高校生が上限8,000円です。
対象は、ひとり親家庭で児童扶養手当受給者と同等の所得水準にある世帯か、住民税非課税世帯の子ども(年度末時点で20歳未満)に限られます。申請から実績報告まで継続して酒田市に居住し、市税の滞納がないことも要件です。最大の落とし穴は申請のタイミングで、受験料を支払う前に申請しなければならず、支払い後の申請は受け付けられません。
小学校の給食費は無償、中学校は1食305円が残る
令和8年4月から、市立小学校の給食費は全額無償になります。1食380円、年間約52,260円相当の負担減です。国・県の支援285円に市の補助95円を組み合わせて成り立っているため、上位の支援が変われば内容も変わり得ます。
中学校は無償化ではありません。市の補助を1食60円から110円に増額して値上げ分を吸収する据え置きで、保護者負担は1食305円、年間60,085円が残ります。小学校と中学校で扱いが違う点は、進学前に知っておくべきです。
就学援助制度は令和8年4月1日から、児童扶養手当の全部支給または住民税非課税世帯であれば所得制限なしで対象になります。援助額は小学校が学用品費年13,230〜15,500円・給食費無料・宿泊を伴う校外活動費上限3,690円、中学校が学用品費年25,040〜27,310円・給食費実費(1食305円)・校外活動費上限6,210円です。
医療費は18歳年度末まで無料、ひとり親は所得税非課税が条件
子育て支援医療は、0歳から18歳に達する年度の3月31日まで、保険診療の自己負担額が全額無料です。対象外なのは入院時の食事代、予防接種、健診などの保険適用外費用と差額ベッド代。県制度との区分判定のために所得確認が行われます。
ひとり親家庭等医療は、養育者の所得税が非課税であることが要件です。受給者証の有効期間は申請月の1日から6月30日までなので、毎年の更新を落とすと切れます。
保育料は第3子以降が無料、第2子は3分の1が残る
保育料の多子軽減は、きょうだいを同時に利用させている世帯で第2子が標準額の3分の1、第3子以降が無料です。効いてくるのは、きょうだいカウントの第1子に年齢制限を設けていない点で、上の子が大きくなっていても第2子・第3子の軽減が続きます。3歳以上児は国の無償化が優先され、月の途中の入退所は日割り計算です。
ファミリー・サポート・センターは子ども1人1時間あたり、平日7〜19時600円、平日それ以外700円、土日祝7〜19時700円、土日祝それ以外800円。病児・病後児の預かりは1時間100円加算、送迎時はガソリン代が加わります。事前の会員登録が必要で、ひとり親家庭・低所得世帯・ダブルケア世帯・障がい児のいる家庭には所得に応じた3段階の負担軽減があります。
産婦健診は1回5,000円、生殖補助医療は上限9万円
令和8年4月以降、産婦健康診査は1回上限5,000円で2回まで、1か月児健康診査は1回上限4,000円、新生児聴覚検査は初回1回につき上限3,500円が助成されます。令和7年4月〜令和8年3月の受診は産婦健診・1か月児健診とも上限3,000円だったので、受診時期で金額が変わります。上限を超えた分は自己負担で、新生児聴覚検査は保険診療に該当する場合は対象外です。
生殖補助医療費助成は1回の治療につき上限9万円ですが、山形県の助成の承認を受けていることが前提で、県の助成額と高額療養費を差し引いた自己負担額が対象になります。
結婚は29歳以下で60万円、移住は住宅購入と改修で最大45万円+加算
結婚新生活支援事業費補助金は、婚姻日時点で29歳以下なら上限60万円、30〜39歳なら上限30万円です。令和8年1月1日から令和9年3月31日までの婚姻届が対象で、夫婦の所得合計が500万円未満であること、指定の家事育児参加促進講座を受講することが条件。予算がなくなり次第終了します。
移住定住者住宅支援費補助金は、住宅購入なら購入費の10分の1(上限25万円)に改修費の10分の1(上限20万円)、賃貸なら改修費の2分の1(上限25万円)。中学生以下の子どもがいる世帯には25万〜50万円、離島(飛島)への移住には最大75万円が加算されます。移住前3年間に庄内地域に居住していないこと、5年以上住む意思、市税の滞納がないことが要件で、改修工事は着工前に申請しないと対象外になります。
市内の既存住宅を直す場合は住宅リフォーム総合支援事業があり、対象工事費の20%・上限24万円(区分により上限30万円)、市産木材利用で10万円加算です。ポイント制で10ポイント以上(工事費50万円未満なら5ポイント以上)の工事を含む必要があり、これも工事着手前の申請が必須です。
酒田市をどう見るか
弱いのは、中学校給食費が無償化されず1食305円が残ることと、進学支援が所得要件でかなり絞られていることです。受験費用10万円は手厚い一方、児童扶養手当水準か住民税非課税でなければ届きません。
効くのは、医療費18歳年度末まで無料と保育料の多子軽減の組み合わせです。特にきょうだいカウントに年齢制限がない設計は、上の子が中高生になった多子世帯で差が出ます。そして酒田市の補助は、受験も住宅も移住も「支払う前・着工前」の申請が前提です。動く前に市へ確認する習慣がないと、金額の大きい制度ほど取り逃します。