東京23区から太田市へ移住すると、2人以上の世帯100万円に、18歳未満の子ども1人あたり100万円が最大3人分まで積み上がります。
太田市の子育て支援とは、保育の現場で実際に出ていく細かな費用を市が肩代わりする設計です。おむつ代、給食費、第3子以降の保育料と、毎月の請求書に載る項目を直接消しにいく一方、定員や支払い方法に固有のクセがあります。収録している太田市の13制度から、金額と条件を整理します。
移住支援金は2人以上100万円、子ども加算は最大3人まで
太田市移住支援金事業は1世帯1回、単身60万円・2人以上世帯100万円で、18歳未満の子ども1人につき100万円の子育て加算がつきます。加算は最大3人までです。
対象は、東京23区に過去10年で通算5年以上在住、または東京圏に在住して23区へ通勤していた方。移住直前に1年以上その状況が続いていたことが必要で、申請は転入後1年以内、5年以上継続して居住する意思も求められます。さらに、群馬県マッチングサイト掲載求人への就職、専門人材事業の利用、テレワーク就業、関係人口、起業支援金の交付決定のいずれかに該当しないと支給されません。
保育園の0〜2歳はおむつ代が公費、サイズも枚数も制限なし
おむつ給付サービスは、市内の保育園・幼稚園・認定こども園・小規模保育所・準認可保育施設に通う0〜2歳児を対象に、紙おむつとおしり拭きの定期利用を公費負担するものです。サイズや使用枚数の制限はありません。対象は4月1日時点で2歳以下の在園児で、市内外の在住は問われません。慣らし保育中や休日保育の児童も使えますが、一時預かりの児童は対象外です。
給食費は月4,400円まで、ただし支給はOTACOのcoin
ベーシックサービス(幼保給食費助成事業)は、私立幼稚園・認可保育園・認定こども園に通う1号認定または年少以上の2号認定の子どもを対象に、給食費を月額4,400円(年額換算で最大52,800円)まで助成します。親子ともに太田市に住民登録があることが条件です。
注意点は二つ。上限を超える給食費は自己負担であること、そして支給が現金ではなく、太田市内でのみ使えるデジタル金券OTACOのcoinで行われることです。年少未満の2号・3号認定は対象外で、企業主導型保育施設は令和8年9月からの対象拡大となります。
保育料そのものは、婚姻していない子どもを3人以上養育していれば第3子以降が全額免除(準認可保育施設は同額を助成)です。対象は保育料を負担している年齢の子どもで、年少以上の児童と1号認定児童はもともと無償化の対象のため申請自体が不要です。
医療費は18歳年度末まで、入院時の食事代まで助成
福祉医療費助成制度は、18歳到達後最初の3月31日までの子どもについて、保険診療の窓口負担に加えて入院時食事代まで助成します。所得制限はありません。食事代を含む点は自治体によって差が出るところです。
対象外は診断書料や差額ベッド代など保険外の費用。県内医療機関で受給資格者証を提示すれば窓口負担は生じませんが、保険証を忘れた場合や県外での受診はいったん全額を払い、後から払い戻し申請が必要です。
産後ケアは訪問型が無料、デイサービスは1回500円
産後ケア事業の自己負担は、デイサービス型(日帰り)500円、ショートステイ型(1泊2日)1,000円、アウトリーチ型(居宅訪問)は無料です。市から1日約20,000円の補助が入るため、この額で利用できます。生活保護世帯と市民税非課税世帯は型を問わず自己負担なしです。産婦健康診査で利用を勧められた方、産後の不調や回復の遅れがある方、家族の支援が受けられない方が対象です。
病児保育は日額2,000円だが、市内に1か所・定員4名
病児・病後児保育事業は、市内在住者と市内保育園等に通う市外在住者が日額2,000円、市外在住で市外の園に通う場合は3,000円です。生後3か月から小学校低学年までが対象で、医師が利用を認めることが前提になります。
落とし穴は規模です。実施施設は本島総合病院の病後児保育所「キッズケア」1か所のみ、定員は1日4名、利用は連続7日間が限度。投薬以外の医療措置が必要な状態は対象外です。
一時預かりは4時間900円から、リフレッシュ利用は週1回まで
一時預かり事業は、どの保育施設にも通っていない非在園児が対象です。市内の児童で3歳未満が4時間以内1,250円・4時間超2,500円、3歳以上が4時間以内900円・4時間超1,800円(市外の児童はそれぞれ1,750円/3,500円、1,400円/2,800円)。在園児が夏休みだけ使うことはできず、利用日数の目安は週3日・月14日程度です。
パパママリフレッシュ事業は満1歳から満3歳未満が対象で1時間300円。ただし定員は1日10人、利用は児童1人につき週1回まで、支払いはOTACOアプリのみで現金は使えません。開館は月・火・金・土・日曜日の午前9時から午後5時までです。
ファミリー・サポート・センターは通常預かりが平日8時〜18時で1時間500円、それ以外の時間帯600円、土日祝600〜700円。ひとり親家庭は月30時間まで1時間200〜400円です。病児・病後児預かりは平日1時間800〜1,100円(ひとり親450〜700円)です。
子育て短期支援事業は、ショートステイが日額0円〜5,350円(2歳未満)・0円〜2,750円(2歳以上)、トワイライトステイが日額0円〜750円で、負担額は市民税の課税状況等により変わります。日曜・祝日の休日保育は3施設ありますが、利用料は記載がないため市へ確認が必要です。
太田市をどう見るか
弱いのは供給量です。病児保育は市内1か所・定員4名、パパママリフレッシュは1日10人かつ週1回まで、休日保育も希望者が多ければ利用できないことがあると明記されています。金額が安くても、枠が取れなければ支援は使えません。
効くのは、現物に近い形の支援です。おむつ代の公費負担、給食費月4,400円、第3子以降の保育料免除、入院時食事代まで含む医療費助成。請求書の項目を一つずつ消していく構成なので、保育園に通わせている世帯ほど実感が大きくなります。一方で給食費もリフレッシュ利用もOTACO前提です。市内でしか使えない金券で返ってくる点は、割り引いて考える必要があります。