家事の手伝いが1回500円、しかも妊娠中から産後1年まで通算60回。前橋市の産前産後ヘルパー派遣事業です。
前橋市の支援制度とは、産前産後の人手と給食費という「毎日かかるもの」を安く押さえ、その上に移住と進学の一時金を載せた構成です。収録している前橋市の15制度から、金額と条件を整理します。
産前産後ヘルパーは1回500円、通算60回まで
1回60分以内で500円。妊娠中から産後1年未満の期間に通算60回、週3回以内で使えます。生活保護世帯・市民税非課税世帯は無料。要件は前橋市に住民票があり、家族からの支援が受けられないことです。支援は自宅内のみで赤ちゃんへの直接的なケアは対象外、審査で対象外になることもあります。派遣前日17時以降のキャンセルには500〜1,000円のキャンセル料がかかります。
産後ケアはアウトリーチ型なら無料、3類型で7日間
ショートステイ型は1泊2日5,000円(以降1日につき2,500円追加)、デイサービス型は1日1,600円、アウトリーチ型は無料。3類型を合わせて7日間まで、多胎児家庭は12日間までです。市民税非課税世帯・生活保護世帯は証明書の提示で自己負担なし。医療行為が必要な方や感染症のある方は利用できません。訪問で足りるなら無料のアウトリーチ型から使うのが合理的です。
移住支援金は最大100万円+子ども1人50万円、期限が二重にかかる
東京圏からの移住で1世帯100万円(単身は60万円)、18歳未満の同伴者1人につき50万円が加算されます。移住元要件は東京23区在住、または東京圏から23区への通勤・通学。移住先要件はマッチングサイト経由や専門人材としての就職、テレワーク、関係人口、起業のいずれかです。落とし穴は期限が二重である点で、転入後1年以内かつ令和9年2月5日までに申請しなければ対象になりません。転入が遅いほど実質の猶予は短くなります。
給食費は小中とも無償、ただし第3子助成とは重複できない
前橋市立小・中学校および特別支援学校の給食費は、保護者負担分が全額無償です。牛乳などの飲料は対象外で、食物アレルギー等で欠食する場合は無償化ではなく助成金の扱いとなり別途申請が必要です。第3子以降学校給食費助成金は、18歳以下の子を3人以上養育する世帯の第3子以降が対象で、年額上限は小学校等65,600円、中学校等78,000円。給食費に未納がないことが条件で、生活保護・就学援助を受けている場合や市立小中学校の給食費無償化との重複受給はできません。
子ども医療費は高校生世代まで所得制限なし、県外受診は償還払い
18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子どもが対象で、保険診療の自己負担分と入院時食事療養費が助成され、所得制限はありません。窓口無料になるのは県内の医療機関で受給資格者証を提示した場合に限られ、県外受診はいったん支払って後日申請する償還払いです。診断書料や予防接種など保険適用外の費用は対象外です。
不妊治療は年度上限15万円、不育症は年度上限10万円
不妊治療費助成は1年度あたり自己負担額の2分の1以内で、一般不妊治療・生殖補助医療が上限150,000円、男性不妊治療はさらに上限50,000円を上乗せ。ただし保険適用分は月5万円が上限という別の縛りがあります。対象は令和8年1月1日〜12月31日に夫婦の一方でも前橋市民である方で、申請時に市税の未納がないことが必要です。不育症治療費助成は自己負担額の2分の1以内で1年度あたり上限100,000円、同一年度内に複数回申請できます。子宮形態検査、抗リン脂質抗体検査、染色体検査、低用量アスピリン内服などが対象。
こども誰でも通園は月10時間まで、繰り越しはできない
保育所等に通っていない生後6か月から満3歳未満の児童が対象で、0.5時間単位で月10時間まで。繰り越しも繰り上げもできず、使わなかった分は消えます。利用料は施設ごとの設定で確認が必要、給食・おやつ代は別途実費です。生活保護世帯は月300円まで、市区町村民税所得割77,101円未満の世帯は月200円までの軽減がありますが、事前申請が要ります。放課後児童クラブの利用料もクラブや学年で異なり公表されていないため、各クラブへの確認が必要です。
高校入学の20万円は給付だが、募集は10人
前橋市奨学資金制度の入学支援金は1人1回限り200,000円の給付で、返還は不要です。ただし募集は10人で選考があります。学業成績3.5以上、世帯の経済的理由で修学が困難であること(3人世帯で約275万円などの所得基準)が条件で、生活保護受給者は対象外です。就学援助は金額が明示されており、令和8年度予定額で新入学用品費が小学校64,300円・中学校81,000円、修学旅行費が小学校22,690円・中学校60,910円、学用品費が小学校11,630円・中学校22,730円など。所得基準は2人世帯で約200万円、4人世帯で約329万円が目安で、年度ごとの申請が必要です。
手当と空き家補助
災害遺児手当は、交通事故または労働災害で親が死亡・重度障害となった児童を扶養する保護者に月額3,500円(年額42,000円)を9月と3月の年2回支給。申請月からの支給で遡及はなく、毎年夏頃の現況届が必要です。空き家バンク家財処分補助は1件につき上限100,000円で、家財道具の搬出・処分費や家電リサイクル法対象製品の処分費などが対象。申請前に処分済みの費用や住宅改修費は対象外で、契約相手が配偶者や3親等以内の親族では使えません。なお1歳6か月までの乳幼児には、ブックスタート事業で絵本1冊が無料で贈られます。
前橋市をどう見るか
前橋市の強みは、産後の生活を現実的に支える設計です。ヘルパー1回500円で60回、アウトリーチ型産後ケアが無料、小中の給食費が完全無償。この3つは所得にかかわらず効き、日常の負担を確実に下げます。子ども医療費に所得制限がないことも大きい。弱いのは選抜型で、入学支援金20万円は募集10人の狭き門です。第3子以降の給食費助成も無償化と重複できず、届く世帯は限られます。移住支援金は転入後1年以内かつ令和9年2月5日という二重の期限があり、こども誰でも通園の月10時間は繰り越せません。日常に強く、一時金には期待しすぎないほうがよい自治体です。