鳥取市には、国の妊婦のための支援給付とは別に、市が独自に出す給付金があります。単胎なら5万円、多胎なら赤ちゃん1人につき5万円。ただし、出産してから申請しても1円も受け取れません。
鳥取市の子育て支援とは、妊娠期の現金給付と18歳までの医療費無料を軸に、預かりサービスの単価を細かく設定して支える仕組みです。受診票による現物給付が多く、その受診票が鳥取県内でしか使えないことが最大の落とし穴になっています。収録している鳥取市の13制度から、金額と条件を整理します。
妊婦さん応援給付金は5万円、出産前に申請しないとゼロ
マタニティサポート!妊婦さん応援給付金は、単胎妊娠で妊婦1人につき50,000円、多胎妊娠では赤ちゃん1人につき50,000円です。対象は令和5年4月1日以降に鳥取市で母子健康手帳の交付を受け、申請時点で妊娠中かつ鳥取市の住民基本台帳に登録されている方。申請は原則として母子健康手帳の交付から出産前までに行う必要があり、出産後に転入した場合は対象外です。他の自治体で同様の給付を受けている場合も対象外になります。国の妊婦のための支援給付とは別の市独自事業なので、国の分を受け取ったから終わりとは考えないでください。
医療費は18歳年度末まで0円、ただし保険外は全額自己負担
特別医療費助成制度(小児)は、鳥取市に住所があり18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子どもについて、入院・通院とも保険診療分の自己負担が0円です。0円になるのは保険適用の診療のみで、食事代、個室代、文書代、選定療養費は対象外。入院や高額医療費が見込まれる場合は、マイナ保険証で限度額情報の確認を受けるか、保険者から限度額適用を証するものの交付を受けて病院に提示する必要があります。
受診票は県内限定、県外で産むと一度全額払うことになる
妊娠中の健診費の助成は妊婦一般健康診査14回分(多胎はさらに5回分)と妊婦歯科健診1回分。産後健康診査は産後8週までに2回分です。1か月児健康診査は1回分、新生児聴覚検査も受診票による助成で、いずれも助成額は市への確認が必要です。共通する条件は使用範囲で、妊婦一般健診は鳥取県内(岡山・兵庫・島根の一部でも可)、歯科健診は鳥取県東部の歯科医院、1か月児健診と聴覚検査は県内の医療機関に限られます。里帰り出産などで県外で受けた場合は全額を支払ったうえで償還払いの手続きが必要です。産後健診はさらに、受診者が産後質問票に記入し医療機関で聞き取りを受けることが助成の必須条件になっています。
産後ケアは金額が公表されておらず、受入施設も絞られている
鳥取市産後ケア事業の利用料は実施施設・利用形態により異なるため、市への確認が必要です。加えて受入施設に制限があり、助産院いのちねは令和8年3月から受入休止中で再開日は未定。初回利用と2回目以降で申請フォームが異なる点にも注意してください。
預かりは1日1,300〜2,000円、誰でも通園は1時間300円
一時預かり事業は1日あたり3歳未満児2,000円、3歳以上児1,300円で、きょうだい利用時は2人目以降半額。利用は原則週3日まで(土日祝を除く)で、特定の事由に該当する場合のみ連続14日まで、実施施設は市内10か所です。乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)は月10時間までで1時間300円。生活保護世帯は無料、年収360万円未満相当の世帯は1時間100円に下がりますが、減免はこの2区分に限られます。病児・病後児保育事業は1日あたり病児1,500円、病後児500円で、生活保護受給世帯は無料。送迎は無料ですが診察費は実費です。鳥取ファミリー・サポート・センターは7時から20時が1時間600円、早朝・夜間・土日祝は800円で、食事・おやつ・送迎代は別途負担になります。
保育料は第3子以降無料、ただし副食費は別勘定
保育料は第3子以降が無料、非課税世帯も無料、ひとり親世帯等で所得割課税額77,101円未満は第1子半額以下・第2子以降無料です。2人目半額は最年長児が3歳以上で2人以上が同一世帯から入所している場合が条件で、所得割課税額57,700円未満の世帯は2人目も無料になります。無料になるのは保育料であって、副食費は無償化・軽減の対象外です。保育料は4月1日時点の年齢で年度を通じて決まります。放課後児童クラブは市から委託を受けた保護者会等が運営するため、開設時間も利用料もクラブごとに異なり、市への確認が必要です。
鳥取市をどう見るか
弱いのは情報の粒度です。産後ケアの利用料、放課後児童クラブの利用料、健診助成の実額が公表されておらず、費用を事前に見積もれない制度が複数あります。効くのは18歳年度末までの医療費0円と、第3子以降の保育料無料という継続的な負担軽減です。現金給付は妊娠期の5万円のみで、出産祝金のような一時金はありません。転入のタイミングによっては給付金を丸ごと逃すため、妊娠中の転入なら母子健康手帳の交付後すぐに申請することが最優先です。