東京圏から子ども3人を連れて移住すると、400万円が出ます。世帯100万円に、18歳未満の同伴者1人あたり100万円が上乗せされるためです。
米子市の子育て支援とは、移住時の一時金と、18歳までの医療費無料・産後ケア無料という「ゼロ円の日常」を組み合わせた制度群です。一方で就学援助のように金額が年度別資料でしか確認できないものもあります。収録している米子市の16制度から、金額と条件を整理します。
移住支援金は世帯100万円、子ども1人につき100万円加算
ビジネス人材移住支援金は1世帯100万円、単身60万円。令和5年4月以降の転入なら18歳未満の同伴者1人につき100万円が加算されます。対象は東京圏からの移住者で、鳥取県の就業支援サイト掲載求人での就業、専門人材マッチング、テレワーク、県の起業支援補助金の交付決定、農業・林業・家業への従事などの要件を満たす人です。落とし穴は継続要件で、5年以上継続して居住し就業を続ける意思が求められます。令和元年8月5日以降の移住、市税の滞納がないこと、過去10年以内に同支援金を受けていないことも条件。そして予算に限りがあり先着順で、年度途中に受付終了もあり得ます。
18歳まで医療費は自己負担0円
小児の特別医療費助成制度は、住民登録があれば18歳に達する3月31日まで保険診療の自己負担額を全額助成します。無料になったのは令和6年4月1日診療分からです。対象外は差額ベッド代、消耗品費、食事代、選定療養費、文書料、予防的な処置、美容目的の処置、介護サービス。他市町村の国民健康保険や後期高齢者医療の被保険者も対象になりません。県外の医療機関で受診した場合は償還払いの申請が必要です。
ひとり親の医療費は1日530円が残る
ひとり親の特別医療費助成制度は、通院が1医療機関につき1日530円まで(月4回まで、5回目以降は無料、調剤薬局は無料)、入院は1日1,200円までです。所得税非課税世帯であることが条件で、住民票上の住所が別でも同居している家族の所得が判定に含まれます。この点を見落とすと認定されません。県外受診は償還払いの申請が必要です。
産後ケアは利用料が無料、ただし回数の数え方に注意
産後ケア事業(デイケア・ショートステイ)は利用料が無料です。回数はデイケアとショートステイを合わせて7回まで、多胎児は10回まで。注意すべきは、午前からのショートステイが3回分として計算される点です。使い方を誤ると枠がすぐ尽きます。利用できるのは退院日から子どもの1歳の誕生日前日までで、医療行為が必要な人や感染症患者は利用できません。
未熟児養育医療は資格証があれば0円
出生時体重2,000グラム以下、または全身状態などで入院養育が必要と医師が認めた1歳未満の乳児が対象です。小児の特別医療費助成の資格証を持っていれば自己負担は0円、それ以外は世帯の住民税額に応じた徴収基準額がかかります。給付されるのは入院による診察・医学的処置・治療等のみで、通院は対象外です。
病児・病後児保育は非課税世帯で1日500円、申請は毎年度
減免後の利用料は児童1人につき1日500円、開所時間4.5時間以下の日は300円です。対象は父母および同一世帯員が市町村民税非課税である世帯など。落とし穴は3つで、判定が利用する年度(4月から8月の利用は前年度)の課税状況によること、有効期間が9月1日または申請日から翌年8月31日までで毎年度の申請が必要なこと、承認まで数日かかり利用直前の申請では間に合わないことです。
一時預かりは3歳未満2,000円、飛び込み利用は不可
一時預かり事業の利用料は1日あたり3歳以上1,000円、3歳未満2,000円。利用できるのは勤務、ボランティア活動、病気、育児疲れ、看護・介護、出産、学校行事参加などで一時的に家庭保育が困難な場合に限られ、事前の利用者登録と面談が必須です。当日の飛び込み利用はできません。こども誰でも通園制度は1時間300円で月10時間まで。生後6か月から満3歳未満(3歳の誕生日の前々日まで)の未就園児が対象で、給食費などは施設ごとに異なります。
妊娠期は5万円が2回、里帰り健診は「出産後1年以内」の期限
妊婦のための支援給付は、1回目が妊婦1人あたり5万円(または55,000ポイント)、2回目が子ども1人あたり5万円(または55,000ポイント)です。医師による胎児心拍の確認が要件で、海外での妊娠・出産は対象外になる場合があります。里帰り出産などで市外の医療機関を使った場合の妊婦一般健康診査助成金は、年度ごとの限度額まで助成されますが、金額は年度別の限度額表で確認が必要です。期限が厳しく、申請は出産日から1年以内。さらに令和7年4月1日から予約制になり、米子市予約システムからの事前予約が必須です。住民票を市外へ移すと対象外になります。
不妊治療助成は「県の決定」が前提
1回あたりの上限は先進医療25,000円、自費診療で採卵を伴う場合50,000円、採卵なしまたは中止の場合25,000円です。ただしこれは鳥取県の助成金の交付決定を受けていることが前提で、県助成がなければ市の助成も受けられません。先進医療分は保険診療と組み合わせた場合の1回限りです。
空き家解体は上限40万円、着工後は申請できない
準防火地域内にある昭和56年5月31日以前建築の木造一戸建てで、空き家かつ一見して倒壊の危険性があると判断できるものが対象です。補助は解体費用の23%、上限40万円。解体工事を行う前の申請が必須で、すでに工事を始めていると受けられません。
米子市をどう見るか
効くのは移住と医療です。子ども1人につき100万円の加算は全国でも大きい部類で、18歳までの医療費自己負担0円と産後ケア無料が日常の支出を確実に削ります。ただし移住支援金は先着順で年度途中に終わり得るうえ、5年の継続要件が付きます。弱いのは教育で、就学援助費と特別支援教育就学奨励費はいずれも支給額が年度別資料でしか確認できず、金額を断定できません。どちらも市へ確認が必要です。もう一つの弱点は期限で、里帰り健診の1年以内・予約制、病児保育減免の毎年度申請、空き家解体の着工前申請と、タイミングを外すと制度そのものが使えなくなる設計が目立ちます。