松山市は令和8年4月から市立小学校の給食費を無償にします。ただし中学校は対象外で、1食390円のうち300円、月額6,900円の保護者負担はそのまま残ります。
松山市の子育て支援とは、妊娠前から18歳までを一続きに見ようとする制度群です。妊娠前の検査助成、不妊・不育症、妊婦健診、子ども医療費、学童、給食と切れ目は少ない一方、1回限り・年齢上限・所得区分といった絞り込みが各制度に入っています。収録している松山市の13制度から、金額と条件を整理します。
給食費は小学校だけ無償、中学校は月6,900円のまま
学校給食費は令和8年4月以降、市立小学校に在学する児童について無償です。中学校は無償化の対象外で、1食390円のうち300円が保護者負担、月額では6,900円になります。無償化は国・県の交付金と市の支援を組み合わせて実施されているもので、小中で扱いが分かれる点をあらかじめ見込んでおく必要があります。
妊娠前の検査に3万円、ただし18歳から29歳の女性が1回だけ
プレコンセプションケア費用助成事業は、産婦人科・産科・婦人科でプレコンセプションケア検査を受けた方に、自己負担額を上限3万円まで助成します。対象は松山市に住民登録がある18歳から29歳の女性で、1人につき1回限り。検査受診時点の年齢が18歳から29歳であることが必要で、健診機関でのプレコンチェック事業をすでに利用している場合は対象外です。30歳になってからでは使えない助成なので、年齢が上限に近い方は時期に注意してください。
不妊治療は夫婦1組5万円で1回限り、不育症検査は回数制限なし
不妊治療費等助成事業は、不妊検査・治療の自己負担額を上限5万円まで助成しますが、夫婦1組につき1回限りです。妻が不妊検査を開始した時点で40歳未満であることが条件で、第三者の精子・卵子・胚を用いた治療と代理懐胎は対象外。食事代、差額ベッド代、文書料、胚の保管料も対象外です。一方、不育症検査費用助成事業は検査1回につき費用の7割・上限6万円で、こちらは回数制限がありません。既往の流産・死産が2回以上あることが要件で、厚生労働大臣が先進医療として告示した3種類の検査を、告示日以降に承認医療機関で受けたものが対象です。
妊婦健診は1回目24,680円、9回分は1回5,000円まで
妊婦一般健康診査は14回分(多胎妊娠は19回分)の受診票が交付されますが、助成額は回によって大きく異なります。1回目24,680円、2回目6,310円、3回目4,940円、4回目10,090円、5回目11,570円、B票9回分は各5,000円が上限です。多胎妊娠の追加5回分も1回5,000円が上限。上限を超えた分と受診票の対象外の検査は自己負担になります。個別妊婦歯科健康診査は妊娠中1回、健診と保健指導が無料ですが、市内の登録医療機関に限られ、治療が必要になった場合の治療費は自己負担です。島しょ部在住者には船賃の助成があります。
産後ケアは訪問1回1,000円、無料は生活保護世帯だけ
産後ケア事業の自己負担は1回あたり宿泊型4,000円、日帰り型2,000円、訪問型1,000円です。市民税非課税世帯は半額(宿泊2,000円・日帰り1,000円・訪問500円)、無料になるのは生活保護世帯のみで、課税世帯は上記の負担が必要です。対象は産後おおむね12か月未満で、宿泊型と日帰り型は合わせて7回までが上限。宿泊型は10時から翌日10時まで(3食付)、日帰り型は10時から18時(昼食付)です。
医療費は18歳年度末まで、県外受診は2年以内に申請
子ども医療費助成は18歳に到達する年度の3月31日までの子どもを対象に、保険診療の入院・通院の自己負担額を助成します。入院時の食事代、予防接種、文書料、差額ベッド代は対象外。愛媛県内では受給者証(薄紫色)の提示でその場で負担が軽減されますが、県外の医療機関では一旦全額を支払い後日払い戻しを申請する必要があり、期限は自己負担金を支払った翌月から2年以内です。ひとり親家庭医療費助成には所得制限があり、令和6年7月時点で扶養親族なしは208万円、1人は246万円を超えると対象外になります。
保育料の無償化は申請日から、学童の助成は2区分のみ
幼児教育・保育の無償化は3歳から5歳児クラスと保育の必要性の認定を受けた0歳から2歳児が対象ですが、無償になるのは保育料部分のみで、食材料費・通園送迎費・行事費は保護者負担です。認可外施設等では施設等利用給付の認定が必要で、認定は遡って行われないため、利用開始日までに申請しないと無償化の対象になりません。放課後児童クラブ利用料助成は、生活保護世帯が全額(民間クラブは月9,000円・8月14,000円が上限、年額換算で最大約122,000円)、市民税非課税世帯が半額(月4,500円・8月7,000円が上限)で、それ以外の世帯は対象外です。ファミリー・サポート等利用料助成は育児サービスが月2時間30分まで無料、児童扶養手当受給世帯は月5時間まで無料になります。
松山市をどう見るか
効くのは妊娠前から18歳までの連続性です。プレコンセプションケアへの3万円助成は珍しく、子ども医療費も18歳年度末まで届きます。弱いのは中間層の扱いで、放課後児童クラブの利用料助成は生活保護・非課税の2区分だけ、産後ケアで無料になるのも生活保護世帯のみ、給食費無償も小学校止まりです。わが家のリフォーム応援事業は補助対象工事費の10%・上限20万円に空き家バンク加算と省エネ化加算が各30万円付きますが、交付決定後に契約・着工した工事だけが対象で、加算要件に該当しない場合は抽選を経る必要があります。制度は多い一方、条件を読み違えると受けられない構造なので、申請の順番を先に確認すべき市です。