里帰り出産で娘や息子夫婦を迎え入れた大分市民の親に、上限5万円が出ます。産婦本人ではなく、受け入れる側の二親等以内の親族に支給されるという珍しい制度です。
大分市の子育て支援とは、妊娠から出産直後にかけて細かく現金を刻み、就学期以降は通学費や奨学金で支える構造です。収録している大分市の13制度から、金額と条件を整理します。
里帰り出産の受け入れ側に上限5万円、ただし市内の実店舗購入のみ
里帰り出産家庭支援事業は購入費用の全額・上限5万円を1回限り助成します。対象は県外に住民票がある産婦を受け入れた、大分市に住民票のある二親等以内の親族です。市内在住の産婦は対象外、購入先は市内の実店舗に限られオンラインは除外、購入期間も出産日の2か月前から出産後1か月以内に限られます。あわせて交付される「ふるさと未来パスポート」では助産師訪問(1回2,000円負担、2回まで)が使えます。
子ども医療費は18歳年度末まで、通院は1日500円が月4回まで
対象は0歳から18歳到達後最初の3月31日まで、就職者や既婚者も含みます。就学前は無料、小中高生は入院と調剤が無料ですが、通院・歯科は1医療機関につき1日500円(月4回まで)の自己負担があります。小中学生の非課税世帯は無料です。所得制限はないものの生活保護受給者は対象外で、健診・予防接種・入院時の食事代・紹介状なしの初診料・交通事故による傷病も助成されません。
産後ケアは3つの型あわせて7回、宿泊は1回4,000円
自己負担は宿泊型が1回4,000円+食事代、デイサービス型が2,500円+食事代、訪問型が1,000円。非課税世帯は利用料無料で食事代のみです。上限は3つの型を合わせて7回で、しかも県内外の他市町村での利用分も合算されます。宿泊型とデイサービス型は生後4か月未満に限られ、訪問型のみ生後1年未満まで。流産・死産を経験した方も1年以内なら使えます。
産婦健診は1回5,000円を2回、日数を外すと1円も出ない
産後5日から21日の2週間健診と、産後22日から56日の1か月健診が対象で、1回5,000円を上限に2回まで。この日数の範囲を外れると対象外になります。5,000円を超えた分は自己負担で、市と契約していない医療機関では全額立て替えのうえ償還払いとなり、全健診項目を実施した場合に限られます。妊婦健診は14回分の受診票(出産予定日超過時は1回追加)が交付されますが、使えるのは県内の医療機関・助産所のみで、県外受診は受診の1か月前までに相談が必要です。
病児保育は1日2,000円、一時預かりは7日前までに登録
病児保育は1日2,000円(昼食・おやつ代600円込み、当日払い)。利用前にかかりつけ医を受診し、申請書に診断結果を記入してもらう必要があります。減免には生活保護世帯は診療依頼証、非課税世帯は非課税証明書が要ります。認可保育施設の一時預かりは料金が施設ごとに異なるため要確認、登録は1人1施設のみで、利用希望日の7日前までに済ませる必要があります。日数上限は就労・就学が月14日、育児リフレッシュは月5日程度です。
幼保無償化は0〜2歳が非課税世帯限定、認定はさかのぼれない
3〜5歳の認可施設利用料は無料。未移行幼稚園は月額25,700円(令和8年10月から28,000円)まで、幼稚園の預かり保育は1日450円・月11,300円まで、認可外保育施設等は3〜5歳が月37,000円、0〜2歳の非課税世帯が月42,000円(年額換算で最大504,000円)までです。0〜2歳は非課税世帯かつ保育の必要性の認定を受けた場合のみで、課税世帯は対象外。最大の落とし穴は、認定開始日が書類提出日以降となり、さかのぼった認定ができないことです。給食費や行事費も対象外です。
学童の減免も「申請した月から」、さかのぼり不可
児童育成クラブの保護者負担金は、生活保護・児童扶養手当・就学援助を受けている世帯が月5,500円(年66,000円)の減額、非課税世帯は第1子月2,700円・第2子以降月4,100円、多子世帯は第2子以降月2,700円の減額です。非課税世帯と多子世帯は全額免除にはなりません。こちらも申請した月以降にしか適用されず、さかのぼれません。
奨学金は県外進学で入学一時金80万円、ただし5年の縛り
未来自分創造資金は給付型で、入学支度金10万円・進級時5万円・卒業時10万円。高校や高専の入学予定者が対象です。返還免除型奨学資金は入学一時金が県内50万円・県外80万円、学費が年額50万円の貸与で、卒業後5年間大分市に居住または市内で勤務すれば返還が免除されます。逆に言えば、5年以内に離れると返還義務が生じます。遠距離通学の補助は路線バスが最安の定期券相当額、自家用車送迎が距離に応じて月1,800円から4,800円ですが、スクールバス利用者と指定校以外に通う児童生徒は対象外です。
移住は最大90万円、住宅取得は先着順で最大45万円
移住支援金は単身40万円、複数人世帯60万円、18歳未満の世帯員を帯同すると30万円加算です。住民票を移す直前の10年間のうち通算5年以上県外に住んでいたことが前提で、就業もおおいたジョブナビ掲載企業への就業、テレワーク移住、農林水産業従事、起業のいずれかに限られます。転勤・出向や、学校卒業後1年以内の転入は対象外です。中古住宅で始める子育て新生活応援事業は基本30万円、親世帯と近居・同居で15万円加算の最大45万円ですが、対象は大分市住み替え情報バンク登録物件に限られ、一般の中古住宅取引では使えません。先着順で予算がなくなり次第終了します。
大分市をどう見るか
効くのは妊娠・出産期です。妊婦健診14回、産婦健診2回、産後ケア、里帰り受け入れ助成と、この時期の手当ての密度は高いほうです。弱いのは医療費で、通院に1日500円(月4回まで)が残り、高校生年代まで対象でも完全無料ではありません。共通する最大の注意点は、期限とさかのぼり不可です。幼保無償化の認定も学童の減免も申請した日以降にしか効かず、産婦健診は日数の範囲を1日外れるだけで対象から落ち、里帰り助成は市内の実店舗で決められた期間に買った分しか認められません。金額の大きさよりも、いつ申請するかで受け取れる額が決まる自治体です。