子育て世帯が津市へ移り住んで空き家を買うと、最大150万円が出ます。ただし土地代は1円も対象になりません。
津市の支援制度とは、市外から来る子育て世帯を空き家に呼び込む制度と、妊娠期から産後までを支えるヘルパー・健診の組み合わせです。金額の大きい制度ほど区域や期限の条件が細かく、見出しの額がそのまま出るとは限りません。収録している津市の15制度から、金額と条件を整理します。
空き家購入は最大150万円、区域で50万円変わる
子育て世帯移住促進空き家活用助成事業は、建物購入金額のうち居住誘導区域内なら上限150万円、その他の区域は上限100万円です。区域が違うだけで50万円の差が出ます。対象になるのは18歳未満の子どもを養育し同居する世帯で、2025年4月1日以降に市外から転入し、市内の空き家(一戸建て)を購入して10年以上居住すること。転入日から遡って1年以内の移住であること、転入前に1年以上市外に居住し、前住所地で税の滞納がないことも必要です。物件側の条件も多く、過去1年以内の売買契約による一戸建てで、土砂災害特別警戒区域外、耐震基準を満たす、特定空家等でない、3親等内の血族が所有していた空き家でないことが求められます。そして土地代は助成対象外です。
移住支援補助金は100万円、子1人30万円加算
津市移住支援補助金は1世帯100万円、単身60万円で、18歳未満の扶養する子1人につき30万円が加算されます。条件は東京23区に通算5年以上(移住直前に連続1年以上)在住、または東京圏から23区へ通勤していたこと。就業型は週20時間以上の無期雇用で、三重県のマッチングサイト経由の求人に限られます。起業型は三重県の起業支援金を1年以内に受けていることが条件です。申請は移住から1年以内で、5年以上定住する意思が必要。支給後5年間は継続確認の対象になります。
ヘルパーは1時間1,000円、年48時間まで
津市産前・子育て応援ヘルパー派遣は1時間1,000円で、無料になるのは住民税非課税世帯と生活保護受給者だけです。上限は年間48時間(多胎児家庭は96時間)、1回あたり最大2時間。利用は平日8時から18時で、登録住所での支援に限られます。利用開始はおおむね調整から2週間後なので、必要になってから申し込むと間に合いません。多胎児支援ではヘルパーが年96時間に広がるほか、妊婦健診が通常14回に加えて追加5回分について1回上限5,000円まで助成されます。国民健康保険料の軽減も、多胎妊娠なら出産予定月の3か月前から6か月分が対象です。
健診の無料枠は「県内」が前提
妊婦一般健康診査は14回分の受診票が交付されますが、使えるのは三重県内の協力医療機関・助産所に限られます。県外で受診する場合は事前申請するか、受診後に領収書と結果を添えて償還払いを申請することになります。津市妊婦歯科健康診査は妊娠期間中1回無料、市外・県外で受けると上限3,000円の助成に切り替わります。無料なのは健診部分だけで、治療が必要になれば別途費用がかかります。産婦健康診査は2回まで無料(県外受診は1回上限5,000円の払い戻し)ですが、無料になるのは問診・診察・体重・血圧測定・尿検査・こころの健康チェックなどの標準項目までで、これを超える検査は自己負担です。助成にはこころの健康チェックの記録が必要です。
産後ケアは出産1回7日、確定後の変更は原則不可
産後ケア事業は出産1回につき合計7日まで。生活保護世帯・非課税世帯は利用料が免除されます。多胎の場合は赤ちゃん1人につき宿泊1,000円・日帰り300円・訪問100円が加算されます。医療的ケアが必要な方や感染症のある方は利用できず、子どもの預かりを目的とした利用やきょうだいへのサービスはありません。確定後の日程変更は原則できず、キャンセル料がかかる場合があります。
医療費は所得制限なし、ひとり親は所得制限あり
子ども医療費助成制度は0歳から高校生年代まで、保険診療分が窓口負担なしです。2024年9月1日から所得制限は撤廃されていますが、県費の算定のため保護者の所得は確認されます。生活保護を受けている場合は対象外です。一方、一人親家庭等医療費助成制度には所得制限が残っており、2024年11月時点で申請者本人は扶養親族0人208万円から8人512万円までの限度額が設けられています。窓口無料になるのは県内医療機関のみで、県外受診分は診療から2年以内に領収書を添えて申請します。締切は毎月7日です。
預かりは月10時間か、施設ごとの確認が必要
こども誰でも通園制度は月10時間まで、利用料は施設により1時間300円〜400円と幅があります。令和8年度の実施は市内6施設で、うち1施設は定員に空きがなく休止中。利用1週間前までに事前面談を済ませる必要があり、当日はスマートフォンでの打刻認証が必須です。一時預かりは生後6か月から就学前が対象ですが、利用料は実施施設により異なるため市や施設への確認が必要です。津市ファミリー・サポート・センターは1時間700円(7時〜19時以外は800円)、病児対応は1,000円(同1,200円)、宿泊5,000円、交通費は1kmあたり30円。援助は原則として提供会員の自宅で行われます。子育て支援短期利用事業は原則1回7日以内で、利用料は世帯の課税状況により変わります。
津市をどう見るか
効くのは、子どもがいて市外から移り住み、空き家を買う世帯です。最大150万円は同規模の自治体でも目立つ額ですが、区域、耐震、親族所有でないこと、土地代除外と条件が積み重なり、実際に通る物件はかなり絞られます。妊娠・出産期は健診とヘルパーで手が届いていますが、健診の無料枠が県内前提であること、ヘルパーが一般世帯では1時間1,000円かかることは押さえておくべきです。弱いのは預かりの明朗さで、一時預かりの料金は施設ごとに確認が必要な状態です。記念樹配布のように現物1本の制度もあり、金額の期待値としては数えないほうがよいでしょう。