指定された2つの団地で家を買うだけで、150万円が出ます。対象はマリンタウン加賀と宮谷グリーンタウン、その2か所だけです。
松江市の子育て支援とは、場所や世帯区分を絞って手厚く出す一方、中間層には自己負担を残す制度群です。無料になるのは生活保護世帯だけ、という設計が繰り返し出てきます。収録している松江市の16制度から、金額と条件を整理します。
団地取得は市内移転100万円・UIJターン150万円
子育て世帯定住団地取得支援補助金は、市内移転で100万円、UIJターンで150万円です。対象は夫婦のいずれかが40歳未満、または12歳未満の子と同居する子育て世帯。150万円になるのは、1年以上市外に居住し転出後1年以内に転入したUIJターンの場合のみです。平成23年4月1日以降の契約であること、世帯全員がその住所に住民登録すること、市税の滞納がないこと、同一事業で他の補助を受けていないことが要件で、予算の範囲内のため件数に制限があります。
移住支援は世帯100万円、ただし事前相談が必須
わくわく松江生活実現支援補助金は1世帯100万円、単身60万円。東京23区に5年以上在住または通勤していた人が対象で、平成31年4月26日以降の転入者に限られます。見落としやすいのは手続きで、事前相談を経ていない申請は受け付けられません。予算の範囲内のため、年度途中で受付停止もあり得ます。
空き家改修は70万円、耐震を足すと140万円
松江市空き家再生等推進事業補助金は改修費の3分の2以内で上限70万円ですが、耐震改修を併せて行う場合のみ上限140万円に上がります。対象工事は水回り・給排水・電気・ガス設備改修、屋根・外壁改修、内装改修、耐震改修に限定で、完了後10年間は活用を継続する義務があります。三世代同居・近居住宅移転費補助金は対象経費の2分の1で上限9万円。移転前の申請が必須で、引っ越してからでは受け付けられません。
医療費は中3まで0円、高校生年代から1割負担
子ども医療費助成は0歳から中学3年生まで自己負担0円、所得制限もありません。ただし高校生年代になると入院・通院とも1割負担になり、入院は1医療機関1か月2,000円、通院は1,000円が上限です。18歳から20歳未満は一定の慢性疾患がある場合の入院のみ(2,000円)が対象で、通院と薬局は対象外。健診や予防接種など保険適用外の費用は助成されません。「18歳まで無料」ではない点に注意が必要です。
多胎児家庭は年48時間が無料
多胎児養育家庭サポート事業は、出産予定日の12週前から3歳未満までの多胎児家庭が対象で、年間延べ48時間まで無料です。三つ子家庭は96時間で、利用できる時間帯は午前7時から午後9時まで。所得区分による線引きがなく、多胎というだけで無料になる数少ない制度です。
産後ケアは「無料は生活保護世帯だけ」
産後ケア事業は、課税世帯が通所1回2,000円、訪問1回1,000円、宿泊1泊4,500円。非課税世帯は通所1,000円、訪問500円、宿泊2,250円で、無料になるのは生活保護世帯のみです。回数は通所型・訪問型を合算して7回、宿泊型は6泊が上限で、医療行為が必要な場合は利用できません。別枠の温泉ゆったり産後ケアは1回の出産につき1回限り、利用料5,000円(昼食代・入湯税込み)。利用日に産後3〜5か月であることが条件で、この期間を外すと使えません。父親が同伴する場合は別途自費負担です。
家事・育児支援の助成は3区分限定、ひとり親は半額止まり
まつえファミリーサポートセンター利用料金助成制度と、訪問型子育てサポート事業利用支援補助金は、いずれも上限40時間分。生活保護世帯と市町村民税非課税世帯は全額ですが、ひとり親世帯は半額にとどまります。この3区分に当てはまらない世帯は助成そのものが受けられません。交通費や食事代などの実費、キャンセル料も対象外です。訪問型のほうは妊娠中または令和5年4月2日以降に生まれた子を養育していることが条件です。
病児保育は1日1,600円、医師連絡票がないと預けられない
松江市民は1日1,600円に食事・おやつ代が別途必要で、市民以外は2,400円。きょうだいが同じ日に利用する場合は第2子以降が半額です。対象年齢は施設によって異なり0歳から小学6年生までです。利用にはかかりつけ医が記入した松江市病児保育医師連絡票が必要(一部施設を除く)で、日曜・祝祭日・年末年始は実施していません。
預かりは3歳未満4時間以上で1,600円
一時預かり事業は1回あたり3歳未満が4時間未満800円・4時間以上1,600円、3歳以上が4時間未満650円・4時間以上1,300円。給食費等は別途必要で、市外在住世帯は50〜100円が加算され、初回利用前に実施施設での登録と面接が必要です。こども誰でも通園制度は月10時間まで、1時間300円(30分150円)で、生活保護世帯は無料、市町村民税所得割合算額77,101円未満の世帯は1時間100円。子育て短期支援事業(宿泊)は課税世帯が2歳未満3,800円・2歳以上2,500円、非課税世帯1,000円、生活保護世帯0円で、2人目以降は半額。原則1泊2日以上、1回7日以内です。
金額が確認できない2制度
保育料の減額・副食費の免除(多子世帯・在宅障がい者同居世帯)は減額幅が公開されておらず、市へ確認が必要です。就学援助制度は学校給食費、学用品費通学用品費、新入学学用品費、修学旅行費、校外活動費など11項目を支給しますが、各項目の金額は要確認。認定基準は市民税の非課税または減免、児童扶養手当の受給、生活福祉資金貸付の受給、傷病・休職・退職等による収入の著しい減少などです。
松江市をどう見るか
効くのは条件がはまった場合です。団地取得の150万円、空き家改修の140万円、多胎児の年48時間無料は、いずれも該当すれば効果が大きい。一方で、住宅系は場所と時期に、家事支援は世帯区分に強く縛られます。弱いのは中間層で、産後ケアもファミリーサポートも「無料は生活保護世帯のみ」、ひとり親でも半額止まりという設計が共通しています。高校生年代から医療費に1割負担が戻る点も含め、課税世帯は自己負担を前提に見積もるべきです。手続きでは、移住支援の事前相談と三世代移転補助の移転前申請が特に落としやすい関門です。