令和8年4月から、大津市立小学校の給食費は全児童が0円になります。ただし中学校は対象外で、免除されるのは第3子以降だけです。
大津市の子育て支援とは、妊娠判定の前段階から高校卒業年度までを細かく区切り、費用を薄く広く埋めていく設計です。一つひとつの金額は大きくないかわりに、妊娠・出産・通院・給食と生活の要所に助成が置かれています。収録している大津市の17制度から、金額と条件を整理します。
小学校の給食費は0円、中学校は第3子以降のみ免除
市立小学校の学校給食費は令和8年4月から保護者から徴収されません。所得制限はなく、転入生も対象です。一方で中学校は無償化の対象外のままで、免除されるのは第3子以降の生徒に限られます。この免除は4条件すべてを満たす必要があります。同一世帯で22歳以下の子(2004年4月2日~2014年4月1日生まれ)を3人以上養育していること、第3子以降が市立中学校で給食提供を受けていること、生活保護の教育扶助や就学援助で給食費の支援を受けていないこと、そして学校給食費の滞納がないことです。滞納があると免除されない点は見落としやすいところです。令和8年4月に新中学1年生になる子どもは小学校の無償化から外れるため、別途申請が必要になります。
子どもの医療費は就学前が窓口0円、小学生以上は通院月500円
未就学児は保険診療の自己負担分(2割)が全額助成され、窓口負担は0円です。小学1年生から18歳に達する日以後最初の3月31日までは扱いが変わり、通院は1医療機関につき月500円、入院は1日1,000円(月額上限14,000円)の自己負担が残ります。負担が完全に0円になるのは院外調剤薬局だけです。保険が適用されない診療、高額療養費に該当する部分、交通事故による治療、入院時食事療養費は対象外で、生活保護受給者も対象外です。県外の医療機関にかかった場合は、未就学児も含めていったん全額を支払い、後日申請して払い戻す形になります。
産後ケアは訪問型の1回目だけ無料
産後ケア事業の自己負担は、型と回数で変わります。訪問型は1回目が無料、2~5回目が1,000円、6~7回目が1,600円。通所型は1~5回目が1,700円、6~7回目が3,400円。宿泊型は8,300円で、食事代は別途かかります。生活保護世帯と市民税非課税世帯は全回無料です。利用回数は1回の分娩につき通算7回まで。訪問型は原則2時間、通所型は原則8時間、短期入所型は24時間以内という時間の枠もあります。出産後1年以内が対象で、流産・死産を経験した方も利用できます。
妊娠判定の初回受診に上限1万円、ただし事前面接が必須
妊娠判定のための初回産科受診費用は、自費診療分について1人1回あたり上限10,000円まで助成されます。対象は生活保護世帯、市民税非課税世帯またはそれと同等の水準にある方です。注意したいのは順番で、市販の妊娠検査薬で陽性を確認したうえで、すこやか相談所での事前面接を受けている必要があります。受診したあとで制度を知っても間に合いません。対象となるのは令和8年4月1日以降に国内の産科医療機関で受けた初回の妊娠判定に限られ、保険診療の自己負担分は助成されません。
不育症は年度15万円、先進医療の検査は上限6万円
不育症治療費助成は、1年度あたり検査費・治療費の自己負担額の2分の1、上限15万円です。対象はアスピリン療法およびヘパリン療法で、保険適用の内外は問いません。事実婚やパートナー関係も対象ですが、パートナー関係の方は令和8年4月1日以降に検査・治療を開始した場合に限り申請できます。先進医療の不育症検査費用助成は別枠で、1回の検査費用の7割相当額、上限6万円(千円未満切り捨て)です。既往流死産回数が2回以上あることが要件で、対象検査は流死産検体を用いた遺伝子検査と抗ネオセルフβ2グリコプロテインI複合体抗体検査の2種類のみ。後者は令和7年6月1日以降の受診に限られます。
ひとり親の養育費確保は公正証書3万円+保証料5万円
養育費の取り決めを公正証書などで残す費用は、1世帯あたり上限30,000円まで全額補助されます。対象経費は公証人手数料、調停申立の収入印紙代、戸籍謄本等の取得費、郵便切手代に限られます。さらに保証会社と1年以上の養育費保証契約を結んだ場合、初回保証料が上限50,000円まで補助されます。いずれも20歳未満の児童を現に扶養していること、養育費の債務名義を有していること、同一の子どもについて過去に補助を受けていないことが条件です。保証料の補助にはこれに加えて、福祉医療費助成の所得制限内であることが求められます。
大津市をどう見るか
弱いのは金額のわかりやすさです。一時預かり、病児保育、児童クラブは利用料が示されておらず、施設や担当課に問い合わせるしかありません。病児保育は施設によって対象年齢が生後3か月からだったり満1歳からだったりと揃っておらず、探す側の負担が大きい設計です。児童クラブも利用料と減免制度の確認が必要です。
効くのは小学校給食費の無償化と、未就学児の医療費窓口0円です。この2つは所得制限がなく、手続きの負担も軽い。逆に妊娠期の助成は、初回産科受診費用のように所得要件と事前面接がセットになったものが多く、先に調べて動いた人だけが受け取れます。小中学校で給食費の扱いが分断されている点も含め、大津市は制度の数は揃っているものの、条件を読み込んだ人が得をする自治体だと言えます。