築5年以上の中古住宅を買うと、京都市は基本100万円、加算要件を満たせば最大200万円を出します。
京都市の子育て支援とは、住宅取得と保育料に大きな額を投じる一方、医療費と各種ヘルパーには細かく所得と対象者の線を引く制度群です。収録している京都市の14制度から、金額と条件を整理します。
中古住宅の購入で最大200万円、リフォームが必須
京都安心すまい応援金は、未就学のこども(妊娠中を含む)がいる世帯が対象で、基本額100万円、加算要件を満たす場合に最大100万円が上乗せされ合計200万円です。対象住宅は築5年以上の既存住宅で、購入価格が税抜500万円以上であること。最大の落とし穴は、市内事業者によるリフォーム工事の実施が必須で、これを行わなければ交付されない点です。さらに事前申出の期間内に手続きをしないと交付申請そのものができません。予算の範囲内での実施です。
子ども医療費は中学生になると月1,500円の自己負担が残る
子ども医療費支給制度の対象は0歳から中学校3年生までで、所得制限はありません。自己負担は1医療機関ごとに入院が月200円、通院は0〜12歳が月200円、中学生は月1,500円まで。0〜12歳は薬局の負担がありません。つまり中学生になると、通院・調剤で1医療機関あたり月1,500円までは自分で払う設計です。超過分は別途申請して払い戻しを受ける必要があります。健康診断、予防接種、文書料、差額ベッド代、入院時食事療養費は対象外です。
第2子以降の0〜2歳は保育料無料、ただし給食費は別
利用者負担額の軽減では、世帯内第2子以降の0〜2歳児の保育料が無料になります。ひとり親世帯等で市町村民税所得割額77,100円以下なら第1子が軽減され、第2子以降は無料。ただし無償になるのは保育料だけで、給食費(副食費・主食費)、行事費、延長保育料、通園送迎費といった実費は引き続き自己負担です。認可外保育施設はこの制度ではなく、国の施設等利用給付(上限額あり)の扱いになります。
産後ケアは非課税世帯だけが無料、課税世帯には5回分の助成
スマイルママ・ホッと事業は、1回あたり宿泊型4,900円・日帰り型2,400円(A階層)。無料になるのは市民税非課税世帯と生活保護世帯(C階層)だけで、中間所得のB階層は減額です。課税世帯には1回2,500円を上限に最大5回分の助成があります。対象は生後12か月未満の乳児を養育する母親で、上限は宿泊型と日帰り型を合わせて7泊8日(日帰りは7回)。かぜ症状や発熱がある方、医療的な治療が必要な方は利用できません。アウトリーチ型の開始は令和8年8月です。
ヘルパーは「第三子以降・多胎」か「市が認めた家庭」だけ
産前産後ヘルパー派遣事業は1回400円〜1,600円で、生活保護世帯と市民税非課税世帯は無料。ただし対象は第三子以降を出産する家庭か多胎児の家庭に限られます。回数は第三子以降が出産予定日の2か月前から産後2か月まで最大16回、多胎は産後1年まで最大32回。1回は30分単位で最大2時間、派遣は8時から18時までです。育児支援ヘルパー派遣事業のほうは、産後うつや育児不安を抱える家庭、若年妊婦、医療的ケアを要する1歳未満児の家庭など、市が支援を必要と認めた家庭に限られ、家族から十分な支援を受けられる場合は対象外。標準12回までで、条件により24回または52回まで拡大できます。利用料は毎月の料金表で決まるため、金額は市へ確認が必要です。
一時預かりとファミサポと病児保育
一時預かりは市営保育所で1日あたり3歳未満児2,100円・3歳以上児1,200円、市民税非課税世帯は800円・500円、生活保護世帯は無料。民営施設は料金が異なります。既に保育所や幼稚園に通っているこどもは原則対象外です。ファミリーサポート事業は1時間あたり平日7時〜19時が700円、それ以外は900円。これは市の補助ではなく、依頼会員が援助会員に全額を直接支払う仕組みで、事前の会員登録が必要なうえ、援助会員が見つからなければ利用できません。病児・病後児保育は1日2,000円、食事代等は別途。免除は生活保護世帯、市・府民税非課税世帯、所得税非課税世帯などに限られます。
妊産婦健診は基本14回に追加14回
妊産婦健康診査受診券は、妊婦健診の基本受診券14回分に追加受診券14回分、産婦健診2回分、新生児聴覚検査分が交付されます。公費の対象は受診券に記載された指定検査項目のみ。助産所で交付される受診券では追加受診券が使えません。里帰り出産などで市の受診券が使えない医療機関にかかった場合は、自己負担のうえ償還払いの申請が必要です。未熟児養育医療給付は出生時体重2,000g以下などの乳児が対象ですが、指定養育医療機関での入院に限られ、世帯の課税状況に応じた自己負担があるため完全無料ではありません。
高校支援は非課税世帯限定、受付期間を過ぎたら一切出ない
高校進学・修学支援金は、学用品費支援金が上限144,000円、入学準備金が学校種別に応じ45,000円〜178,000円。対象は市民税非課税世帯(入学準備金は生活保護受給世帯を含む)に限られ、課税世帯は使えません。受付期間外の申請は一切支給されず、入学準備金は2月から6月末、学用品費支援金は10月1日から翌年3月31日が目安と時期も別です。就学援助は所得基準が2人世帯1,820,200円から6人世帯3,573,600円まで。4月1日から5月15日までの申請なら4月1日認定ですが、それ以降は申請月の1日認定となり遡れません。ひとり親家庭等医療費は扶養親族1人で所得274万円以上だと対象外です。
京都市をどう見るか
金額が突出しているのは住宅です。中古住宅の取得に最大200万円は他都市でもそう見ない水準で、市内事業者のリフォームとセットという条件も明確です。第2子以降の0〜2歳保育料無償も効きます。一方で弱いのは医療です。対象が中学3年生までにとどまり、中学生には月1,500円の自己負担が残る。ヘルパー支援も第三子以降・多胎・要支援家庭と入口が狭く、第一子の標準的な家庭には産後ケアと一時預かりくらいしか残りません。京都市は「家を買う世帯と、事情を抱えた世帯に厚い」市だと見るのが正確です。