給食を食べていない日数分、1日315円が保護者に給付される市があります。岡山市立小学校の給食非喫食者給付金です。
岡山市の子育て支援とは、大型の現金給付ではなく、サービスごとの自己負担額を細かく決めていく方式です。無料と有料の線引きが制度の中に引かれているため、「どこまでが無料か」を先に押さえないと想定外の出費が出ます。収録している岡山市の16制度から、金額と条件を整理します。
小学校の給食費は0円、中学校は1食377円
市立小学校の給食費は無償です。ただし完全無償化の対象は小学生だけで、中学生は令和8年度で1食377円を負担します。年間予定納付額を年10回に分けて納め、納期限は6月末から3月末までの毎月末(第7期のみ1月4日)です。中学進学の年に給食費が新たに発生する点は、家計の見通しに入れておいてください。
給食を止めている小学生には1日315円が戻る
学校給食変更届を出して給食を停止している児童には、給付金が出ます。全部停止は1日315円、一部停止は主食92円・副食149円・牛乳74円で、停止期間中の給食実施日数を掛けた額です。
停止理由は食物アレルギー、身体的理由、宗教上の理由、入院、不登校のいずれかに限られます。国や地方公共団体から児童の食費に係る給付・補助を受けていないことも条件です。支給は学期ごとで、1学期分が9月末頃、2学期分が1月末頃、3学期分が4月末頃と、かなり後ろにずれます。
子どもの医療費は小学生まで無料、中高生の外来は1割
18歳到達後の最初の3月31日までが対象で、所得制限はありません。就学前と小学生は外来・入院とも無料、中学生・高校生等は入院が無料で外来のみ1割負担、1か月の上限は44,400円です。中学生以降は「完全無料」ではないことに注意してください。保険診療外の費用は対象外です。
ひとり親家庭等医療費助成は原則1割負担で、一般所得世帯は外来が月12,000円、入院が月44,400円が上限。受給対象者全員の前年所得税が非課税であることが条件で、こちらも無料ではありません。
産後ケアは訪問1回6,000円を市が負担、自己負担は差額
産後1年未満の母子が対象で、市の負担額は一般世帯で宿泊25,000円/泊、日帰り12,000円/日、訪問6,000円/回。自己負担は施設の利用料金からこの額を引いた残りです。生活保護世帯・市民税非課税世帯は市負担が宿泊29,000円、日帰り13,000円、訪問7,000円に上がります。
上限は単胎児で宿泊・日帰り合わせて7日以内、訪問3回以内。多胎児は10日・5回までです。母親に入院治療の必要がある場合は対象外になります。
産前産後の家事・育児支援(シルバー世代産前産後応援事業)は1時間550円。出産予定日の1か月前から出産日の5か月後までで、通常世帯は最大30回、多胎児や5歳以下の子ども3人以上の多子世帯は出産日の12か月後まで最大65回です。1回2時間以内、1日2回まで、時間帯は午前8時から午後7時に限られます。
不妊治療は上限10万円、不育症は30万円を6回まで
不妊治療費助成は1回の治療につき自己負担額を上限10万円まで。令和7年4月1日以降に治療計画を作成したものが対象です。不育症治療費助成は保険適用外の治療・検査に1回上限30万円、通算6回まで。妻が治療開始時に43歳未満であることが条件です。
見落としやすいのは税です。不妊治療は市税の滞納がないこと、不育症は岡山市税を完納していることが条件になっています。金額が大きい制度ほどここで弾かれます。
妊婦健診14回、産婦健診は5,000円を2回まで
妊婦健康診査は14回分、多胎妊娠は5回追加で計19回分が公費助成です。受診票に書かれた項目・回数の範囲が上限で、超える分は自己負担。転入した場合は健診を受ける前に岡山市の受診票へ交換する必要があり、県外受診は償還払いになります。
産婦健診は1回5,000円で最大2回。受診票は産後8週までに使わないと失効します。
保育の自己負担は施設ごとに固定額
認可保育園に申込中で未入園のまま認可外を使う0〜2歳児クラスの低所得世帯には、月額22,850円(令和8年9月までは21,000円)を上限とする給付があります。市民税所得割額57,700円未満(ひとり親は77,101円未満)が条件で、給食費・通園費・行事費などの実費は対象外です。
病児保育は1日2,500円で、生活保護・非課税世帯は減額申請により2,000円の減額。年度ごとに施設への登録が必要です。ショートステイは2歳未満1日5,400円、2歳以上1日2,800円。ファミリー・サポート・センターは平日7時から19時が1時間700円、それ以外と土日祝が900円で、登録費と会費は無料ですが、宿泊・家事援助・病児のサポートは対象外です。公立園の一時預かりは実施が4園のみで、料金は市へ確認が必要です。
就学援助は世帯人数で線引き
学用品費は小学校年額11,630円・中学校年額22,730円、修学旅行費は小学校上限23,800円・中学校上限60,910円、中学進学時の新入学準備費81,000円、給食費は実費相当額です(令和8年度)。所得基準は世帯人数で変わり、3人世帯は令和7年中の所得2,296,000円以下が目安。費目ごとに定額・上限があるため、実費が全額出るわけではありません。
岡山市をどう見るか
強いのは小学校給食費の無償化と、小学生までの医療費完全無料、そして産後ケアの手厚さです。特に産後ケアは市負担額が明示されていて、比較がしやすい。
弱いのは中学生以降です。給食費が1食377円で復活し、医療費も外来1割に切り替わるため、中学入学を境に負担が増えます。もう一点、不妊・不育症の助成は市税の完納が条件になっており、額が大きい制度ほど納税状況で弾かれます。サービス利用型が多い分、自己負担額を積み上げて計算する手間が要る市です。