親を亡くした子どもに年13,000円を支給する「児童年金」という制度が、総社市にはあります。
総社市の子育て支援とは、不妊治療と産後ケアに大きな金額を割く一方、日々の預かりや医療費では線引きがはっきりしている制度群です。収録している総社市の15制度から、金額と条件を整理します。
児童年金は年13,000円、中学卒業で打ち切り
父母の一方または双方を亡くした児童を養育する方に、対象児童1人につき年額13,000円が9月と3月の2回で支給されます。対象は義務教育終了前に限られ、高校に進学すると外れます。障がいのある20歳未満の児童を養育する保護者向けには児童福祉年金があり、身体障害者手帳1・2級、療育手帳A、精神障害者保健福祉手帳1級で年額27,000円、身体3級・療育B・精神2級で年額19,000円。こちらも9月と3月の年2回です。
生殖補助医療は1回20万円、ただし夫婦とも市内1年以上
生殖補助医療は1回の治療につき上限20万円、保険診療と併用する先進医療は上限10万円。不育治療は1回につき上限10万円で通算5回までです。落とし穴は居住要件で、生殖補助医療は夫婦がともに総社市に1年以上継続して居住し、市税の滞納がないことが必要。不育治療は治療期間中ずっと夫婦とも市内居住で、生殖医療専門医の診断が要ります(所得制限はなし)。申請期限も厳格で、治療が終了した年度内、3月31日まで(3月15日から31日に支払完了した場合は4月15日まで)に申請しないと受けられません。
産後ケアは宿泊型で最大26,000円の助成、差額は自己負担
母子1組につき宿泊型7泊、日帰り型7日、訪問型7日まで。助成額は宿泊型17,000円から26,000円、日帰り型7,000円から13,000円、訪問型3,500円から10,000円で、世帯の課税状況によって変わります。注意すべきは、これが施設利用料から差し引かれる形の助成で、差額は自己負担になる点です。産後1年未満の母親と医療的ケアを必要としない乳児が対象で、里帰り等で一時的に市内に滞在する方も令和4年7月から使えます。事前の予約と申請が必要です。
低所得の妊婦は初回産科受診料を1万円まで
市民税非課税世帯またはそれと同等の所得水準の妊婦を対象に、初回産科受診料を上限1万円、年度内2回まで助成します。対象は妊娠確認のための診察、検査、尿検査、超音波検査等の自己負担分。医療機関と市が受診状況や家庭の状況を情報共有することへの同意が要ります。申請は年度末3月31日まで(3月15日から31日に終了した場合は4月15日まで)です。
妊婦健診は一般14回に加えて超音波4回、市外受診は償還払い
一般健康診査14回、超音波検査4回、血液検査2回、クラミジア抗原検査1回、B群溶血性レンサ球菌検査1回が無料です。無料なのは受診票に定められた回数・項目の範囲で、超過分や受診票にない検査は自己負担。市外の医療機関や助産所で受診した場合は窓口無料にならず、いったん自己負担して償還給付を申請します。
小児医療費の無料は中学生まで
満15歳に達する日以降の最初の3月31日まで、保険診療の自己負担分が助成されます。高校生年代は対象外。食事代、予防接種、健診など保険外診療も対象になりません。受給資格証の交付前や県外の医療機関で受診した場合は窓口で助成されず、別途償還給付の申請が必要です。ひとり親家庭等医療費助成は18歳到達年度末(高校在学中は一定条件で20歳)まで窓口負担をおおむね1割に軽減しますが、前年に所得税が課税されている方は原則対象外です。
弱視治療用眼鏡は上限3万円、申請は30日以内
購入金額の10分の7で上限3万円。対象は満9歳に達した日以後の最初の3月31日までの小児で、医師に弱視等と診断された方です。世帯に市税の滞納がないことが条件。最大の落とし穴は申請期限で、支払完了から30日以内、または当該年度末日のいずれか早い日までに申請しないと受けられません。
病児保育は1日2,000円、非課税世帯は免除
生後2か月から小学6年生までが対象で、1日2,000円、半日(5時間未満)1,000円、18時以降の延長は30分400円、昼食代は別途。生活保護受給世帯と市民税非課税世帯の総社市民は免除されます。保護者の就労や冠婚葬祭など社会的事由による場合に限られ、定員があるため予約が必要です。ショートステイは2歳以上が対象で、生活保護世帯は0円、その他世帯は1日2,800円、最大7日間。受入施設(みのり園・玉島学園)に空きがないと利用できません。
ファミサポは1時間800円から、入会金1,000円が必要
一時預かりは平日1時間800円、土日・時間外1時間1,000円、送迎は1回30分以内で600円から800円。会員は年2時間まで無料で、超えると有料です。入会金1,000円がかかり、入会時に印鑑と母子健康手帳を持参します。児童扶養手当受給世帯と生活保護世帯には減額があります。県大そうじゃ子育てカレッジのチュッピーひろばは主に火曜または水曜の午前10時から午後3時の開催で常設ではなく、利用料は記載がないため市への確認が必要です。
移住・住宅は100万円と30万円
移住支援金は2人以上世帯100万円、単身60万円で1回限り。転入から3か月以上1年以内の申請、5年以上の継続居住の意思、岡山県のマッチングサイト掲載求人への週20時間以上の無期雇用で申請時に3か月以上継続勤務していることが条件です。空き家リフォーム助成金は工事費の2分の1で上限30万円(平成30年7月豪雨の被災世帯は50万円)。空き家期間1年以上、2分の1以上を自分の居住用にすること、耐震診断で市の基準を満たすこと、持分2分の1以上が要件です。
総社市をどう見るか
効くのは不妊治療と産後ケアです。生殖補助医療1回20万円、不育治療10万円を5回、産後ケアの宿泊型最大26,000円は厚い部類に入ります。弱いのは、子ども医療費が中学生で止まる点と、日常の預かりのコストです。ファミサポは1時間800円で入会金も要り、病児保育の免除は非課税世帯に限られます。そして総社市に共通する最大の注意点は申請期限の短さです。不妊治療も初回産科受診料も年度内、眼鏡は支払完了から30日以内。金額は大きいものの、期限を1日逃すと全額が消える設計です。