家を建てて子どもが3人いると、町から最大100万円が出ます。ただし満額を取るには、町内の業者に発注していることが条件です。
奈義町の支援とは、住宅・結婚・出産・就学までを町単独の現金給付で切れ目なくつなぐ設計です。金額は町の規模に対して大きい一方、町内在住年数や町税の完納といった「町に根を張っているか」を測る条件が各制度に埋め込まれています。収録している奈義町の17制度から、金額と条件を整理します。
新築は最大100万円、満額は町内業者への発注が前提
新築住宅補助は、基本20万円に町内業者利用加算30万円、家族加算最大50万円(3人目から1人20万円、5人目は10万円)を積み上げる構成です。自己居住用の一戸建てで、居住部分の床面積80平方メートル以上が要件です。リフォームは対象工事費の20%が上限で、基本20万円は工事費100万円以上の場合に限られます。こちらも町内業者加算最大30万円と家族加算最大50万円が乗ります。家電購入、エアコン設置、災害復旧工事はリフォーム補助の対象外です。町外の業者を選ぶと加算30万円がまるごと落ちるため、見積もりの段階で効いてくる条件です。
空き家は登録物件なら上限100万円、未登録なら50万円
空家活用事業補助金は補助率がいずれも2分の1で、残りは自己負担です。空き家の購入は、空き家バンク等に登録された物件であれば上限100万円に家族加算最大50万円が付きますが、未登録物件だと上限50万円に下がります。家財処分は上限30万円、民間賃貸住宅への改修は上限100万円です。解体工事は町内業者に発注すれば上限150万円、町外業者だと上限100万円になります。ここでも町内業者かどうかで50万円の差が生じます。
結婚は29歳以下で住居費60万円+備品20万円
令和8年1月1日から令和9年3月31日に婚姻届が受理され、夫婦ともに奈義町に住民票がある新婚世帯が対象です。住居費・引越費用の合計は夫婦ともに29歳以下なら最大60万円、39歳以下なら最大30万円。備品費は29歳以下で最大20万円、39歳以下で最大10万円です。29歳と30歳の間に合計50万円の段差があります。婚姻時に夫婦ともに39歳未満であること、世帯所得合計額が500万円未満であること、町税等の滞納がないことが要件で、パソコンやゲーム機は備品費の対象外です。
在宅育児支援手当は月15,000円、保育園に入れると対象外
満7か月から満4歳到達後の最初の3月31日まで、家庭で子どもを養育している保護者に月額15,000円(年額180,000円)が支給されます。条件は明快で、保育園等に入園していないことです。預けるか手当を取るかの二択になります。支給は毎年5月・9月・1月に前々月分までをまとめて行われるため、月々入ってくる感覚ではありません。申請者またはその世帯員に町税などの未納があると支給されません。
高校生には町単独で年額24万円、ただし3年が限度
高校生等を養育している保護者に、町独自の就学支援金として年額240,000円が支給されます。3年を限度とするため、留年などで4年目以降になった分は対象外です。この制度も町税等の未納があると支給されません。出産時にも出産祝金として子ども1人につき10万円(第1子から)が出ますが、こちらは新たに持家を取得した方、または1年以上町内に居住し今後も居住する意思がある方が対象で、転入直後の世帯は対象外になる場合があります。
医療費は18歳年度末まで無料、高校生の入院だけ申請が要る
0歳から18歳到達年度末までの子どもは、保険診療の自己負担額が通院・入院とも全額助成されます。ただし高校生等の入院医療費は仕組みが違い、窓口で一度自己負担を支払って申請により払い戻される形です。申請しなければ無料になりません。差額ベッド代など保険外のサービスは対象外です。県外の医療機関で受診した場合は年齢を問わず窓口無料にならず、領収書を添えた償還払いの申請が必要になります。
不妊治療は年20万円または30万円、不育は通算150万円まで
不妊治療助成は、自己負担額の2分の1以内で、保険診療は年度上限20万円、全額自己負担・混合診療は年度上限30万円です。回数制限はありません。不育治療支援は年額上限300,000円で、通算5年間・一対象者あたり1,500,000円までとなっています。どちらも申請日時点で夫婦のいずれかが町内に1年以上居住していることが要件で、転入したばかりでは使えません。不育の治療は日本生殖医学会認定の専門医が所属する医療機関でなければ対象外です。町税の未納がないことも共通の条件です。
奈義町をどう見るか
効くのは金額の厚みです。高校生に年24万円、在宅育児に月15,000円という町単独給付は、町の規模を考えれば異例の水準です。住宅補助も新築・空き家・解体まで並び、子どもの人数が加算に直結します。
弱いのは、条件が「町に根を張ること」に寄っている点です。町内業者への発注、1年以上の居住実績、町税等の完納が各制度に埋め込まれており、転入直後の世帯や町外業者を使いたい世帯には届きにくい設計です。町税に未納があるだけで在宅育児支援手当も高校就学支援金も出産祝金も止まります。日常の保育面では、放課後児童クラブが平日月額6,000円で土曜利用は1・2年生のみ、病児・病後児保育は1日2,000円+給食費400円で事前登録と予約が必要、なぎチャイルドホームのつどいの広場は平日9時~15時のみです。奈義町は、住み続ける前提で腰を据える世帯に最も効く自治体だと言えます。