移住支援金で18歳未満の子ども1人につき100万円が加算され、さらに空き家の改修に最大80万円が出る市があります。
東広島市の支援制度とは、移住と住まいに大きな金額を置き、子育て期は自己負担を小さく刻む二層構造です。住宅系は金額が大きい代わりに、契約前の申請と居住年数の縛りが必ず付きます。収録している東広島市の16制度から、金額と条件を整理します。
移住支援金は2人以上世帯100万円、子ども1人につき100万円加算
2人以上世帯100万円・単身60万円に、18歳未満の同伴者1人につき100万円が加算されます。1回限りです。対象は過去10年で通算5年以上東京23区に在住または通勤していた方(転入前1年以上継続)で、「ひろしまワークス」掲載求人への就職、週20時間以上のテレワーク、農業・医療・介護等への就業、起業支援金の交付決定のいずれかに当たる方です。
最大の落とし穴は事前相談が必須な点で、相談なしでは申請自体ができません。申請は転入後1年以内(令和8年度は令和8年12月25日まで)。受給後3年以内の転出は全額、3年から5年での転出は半額の返還となり、5年間は年1回の状況報告書が必要です。
移住を検討する家族は最大9泊10日、住宅を無料で使える
おためし移住用住宅は、1世帯につき1泊2日から9泊10日まで使用料が無料です。ただし無料なのは使用料だけで、寝具・洗面用具・食事は持参、光熱水費は自己負担。滞在中に市職員との移住相談を1回以上受け、退去時のアンケートに答えることが条件です。単身では申し込めず、過去に利用したことがある方も使えません。
空き家の改修は最大80万円、ただし契約前の交付決定が絶対条件
空き家バンクを通じて購入・賃借した空き家の改修に、対象経費の3分の1で上限50万円。人口減少地域の物件はさらに30万円が加算され、最大80万円になります。家財撤去は延べ面積100平方メートル以下で上限10万円、超える場合は10万円+(延べ面積-100平方メートル)×500円で最大15万円です。
条件は重めです。物件は1年以上空き家であったこと、改修後3年以上その住宅に住むこと、不動産会社が仲介した物件は原則対象外(過疎地域の指定区域を除く)。そして交付決定の前に工事や処分の契約を結ぶと、その時点で対象外です。工事は申請年度内に完了させる必要もあります。
人口減少地域移住等住宅改修支援事業は別枠で、対象経費の3分の1・上限30万円。八本松町や志和町など8町の一部にある指定地域が対象で、18歳未満の子を扶養する世帯か年齢の合計が80歳以下の夫婦・婚姻予定者が使えます。改修後5年以上の居住が要件で、こちらも契約前の交付決定が必要です。
子育て世帯向け賃貸は月6万円、全7戸で抽選
ひだまりハウスは駐車場1台分込みで月額家賃60,000円、敷金は家賃3か月分。15歳未満の児童を扶養する親子世帯が対象で、月額の世帯収入がおおむね158,000円以上という下限があり、税の滞納がないことも要件です。全7戸のため、申込みが戸数を超えると抽選になります。
こども医療費は無料ではなく1日500円
0歳から高校3年生(18歳到達年度末)が対象ですが、自己負担はゼロではありません。1医療機関あたり通院1日500円で月4日まで、入院1日500円で月14日まで負担し、5日目・15日目以降が無料になる仕組みです。
出生日または転入日の翌日から14日以内に申請しないと助成の開始が遅れます。ひとり親家庭等医療費も同じ1日500円方式ですが、住民税非課税世帯であることが要件で、課税世帯は対象外です。
産後ケアは訪問1回500円、ただし面接を経ないと使えない
産後1年未満の母子が対象で、日帰り型は1回1,000円・上限5回、宿泊型は1日3,750円・上限7日、訪問型は1回500円・上限3回です。いずれも半額助成の対象期間中の額で、期間外は変わる可能性があります。市民税非課税世帯・生活保護世帯は免除。利用には保健師・助産師の面接が必要で、面接を経ないと利用が決まりません。
産前・産後ママヘルパーは1回1時間30分あたり課税世帯500円、生活保護・非課税世帯は無料。産前は最大15回、産後は6か月間で最大15回、多胎児は1年間で30回で、令和9年3月31日までは半額助成中です。こちらも申請後の面談で承認されないと使えません。
不妊・不育症の助成は年間5万円が上限、申請期限は年度末
不妊治療費助成は夫婦1組につき年間上限50,000円(治療開始時に妻が35歳未満)または25,000円(35歳以上)で、助成期間は最長24か月。不育症治療費助成は上限5万円で、最初の診療日の属する月から12か月以内です。どちらも市民税等の滞納がないことが要件で、令和7年1月から12月に受けた治療は令和8年3月31日までに申請しないと受けられません。
保育と預かりは2人目以降に効く
保育料の多子減免は同一世帯で2人目が半額、3人目以降は無償(副食費も3人目以降無償)ですが、認可施設に同時在籍している場合に限られます。ファミリー・サポート・センターは平日7時から19時が1時間600円、それ以外と土日祝・年末年始は700円で、2人目以降は半額です。市内の認可施設で働く保育士の子どもにも保育料減免がありますが、減免額は市への確認が必要です(月64時間以上の勤務が要件、公立の常勤・任期付職員は対象外)。
病児・病後児保育室たんぽぽは2時間45分まで800円、5時間30分まで1,600円、8時から18時で2,600円、昼食代400円。ただし開室は木曜と金曜のみ、定員6名で、当日に隣接クリニックでの受診が必要です。
東広島市をどう見るか
強いのは住まいと移住です。移住支援金の子ども加算と最大80万円の空き家改修は、転入時の一時費用をはっきり削ります。産後ケアと産前産後ヘルパーの自己負担額も低い水準です。
弱いのは日常の医療と病児保育です。こども医療費は高3まで対象でも1日500円の負担が残り、病児保育は週2日・定員6名しか稼働していません。住宅系は交付決定前の契約が一発でアウトになるため、物件を見つけたらまず市に相談する順番を守れるかどうかで結果が変わります。