資格を取るために学校へ通うひとり親に、那覇市は月額10万円を最長48か月にわたって支給します。
那覇市の子育て支援とは、子どもの医療費を所得制限なしで引き受けたうえで、ひとり親の資格取得と就労にまとまった現金を振り向ける制度群です。金額が世帯の課税状況で変わる設計が随所にあります。収録している那覇市の15制度から、金額と条件を整理します。
高等職業訓練促進給付金は非課税世帯で月10万円、課税世帯は7万500円
看護師、准看護師、介護福祉士、保育士、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士、美容師、社会福祉士、製菓衛生士、調理師などの資格取得のため、6か月以上のカリキュラムを修業するひとり親が対象です。非課税世帯は月額10万円、課税世帯は7万500円で、年額に直すと120万円。最終学年はさらに月額4万円が加算され、支給期間は最長48か月です。児童扶養手当を受けているか同等の所得水準にあることが前提で、仕事または育児と修業の両立が困難と認められる必要があります。過去にこの給付金を受けた方、求職者支援制度の職業訓練受講給付金や訓練延長給付、教育訓練支援給付金を受給中の方は対象外です。
自立支援教育訓練給付金は「受講前の講座指定」を逃すとゼロになる
受講費の60%が戻り、上限は一般教育訓練で20万円、専門実践教育訓練は修学年数×40万円(最大160万円)です。資格取得と就職に至った場合は85%相当まで追加支給されることがあります。ただし最大の落とし穴は、受講開始前に講座指定を受けていないと一切給付されない点です。対象は雇用保険制度の一般教育訓練・特定一般教育訓練・専門実践教育訓練の指定講座に限られ、支給対象は入学料と受講料のみで、試験料や教材費は含まれません。支給額が12,000円以下なら不支給、給付は受講修了後の後払いです。
こども医療費は中学3年生まで所得制限なし、窓口無料は対象医療機関だけ
0歳から中学校3年生までが対象で、所得制限はありません。助成されるのは保険診療の自己負担分ですが、高額療養費と附加給付金は控除され、入院時食事療養費は対象外です。窓口で無料になるのは、現物給付方式に対応した医療機関を受診した場合に限られます。非課税世帯向けにはこども医療費貸付制度もありますが、使えるのは県内協力医療機関のみで、保険適用外の費用や学校でのケガは対象外です。
ひとり親の医療費は外来で月1,000円が残る
母子及び父子家庭等医療費助成は、外来が1医療機関あたり月1,000円の一部負担金を差し引いた額、入院は食事療養費を除いた額です。児童扶養手当法施行令の一部支給に準じた所得制限があり、超過すると支給停止になります。こども医療費助成の対象となる子どもは、こちらの対象外です。
不妊・不育症は先進医療の7割、申請は年度内
先進医療不妊治療費助成は、1回の治療につき医療機関の請求額と基準額の少ない方の7割です。基準額は子宮内膜刺激術40,000円から着床前胚異数性検査120,400円まで幅があります。治療開始時に妻が43歳未満であることが条件で、39歳以下で開始すれば通算6回、40〜42歳で開始した場合は3回まで。申請期限を過ぎると原則受理されません。不育症検査は検査費用の7割で上限6万円ですが、対象は先進医療の2種類の検査に限られ、検査実施日が属する年度内の申請が必要です。
妊婦健診は14回分、多胎は19回分
那覇市に妊娠届を出した妊婦には、14回分(多胎妊娠は5回追加で19回分)の妊婦健診費用が助成されます。助成対象は受診票に記載された検査項目のみで、健康保険が適用される費用は対象外です。県外への里帰り出産の場合はいったん全額を自己負担し、後日申請して払い戻しを受ける流れになります。生まれた後の乳児前期・乳児後期・1歳6か月児・2歳児歯科・3歳児歯科の各健診は無料ですが、無料になるのは対象月齢の期間内に受診した場合に限られます。生後4か月までの家庭にはこんにちは赤ちゃん訪問が1回入ります。
産後ケアは非課税世帯免除、利用決定まで最大1週間
訪問型・通所型・宿泊型があり、自己負担額は型によって異なります。金額はチラシでの確認が必要で、非課税世帯は免除されます。注意すべきは、利用に事前申請と利用決定通知が必要で、決定までオンライン申請で約5日、紙申請で約1週間かかることです。産後すぐ使いたい制度ほど、出産前に動いておく価値があります。
無料の枠には上限時間と事前登録がついてくる
小児慢性特定疾病児童等を対象とした療養生活支援事業は、年間最大25時間まで無料で、利用時間帯は9時〜17時(条件により8時〜18時)です。ひとり親家庭等日常生活支援事業は利用前の登録に1〜2週間かかり、年間の利用時間に上限があるうえ、1年間派遣利用がないと再申請が必要になります。ひとり親家庭の子どもの学習支援事業は小学生向けで無料ですが、こちらも事前登録が要ります。
那覇市をどう見るか
弱いのは住宅と移住です。収録した制度はすべて子育てと教育に寄っており、家を建てる、移り住むという動機で那覇市を選ぶ材料はここにはありません。効くのは、ひとり親が資格を取って働き直す局面です。月10万円の訓練促進給付金と受講費60%の教育訓練給付金は、生活費と学費の両方を支える規模があります。一方で、産後ケアや一時預かりの自己負担額が公開情報から読み取れない制度が複数あり、使う前に市へ確認する手間は避けられません。