ひとり親家庭の高校生に、返済不要で年50万円。3年間で合わせて150万円を渡す基金が五島市にあります。
五島市の子育て支援とは、島で暮らし続けるための費用を、所得の低い世帯ほど厚く、住まいと移動には別枠で配る設計です。金額が公表されていない制度も残っており、申請期限の短さが共通の落とし穴になっています。収録している五島市の15制度から、金額と条件を整理します。
ばらもん中高生応援基金は高校生で3年150万円
中学生は年40万円で3年間120万円、高校生は年50万円で3年間150万円、返済は不要です。対象はシングルペアレント家庭または両親のいない子どもで、保護者が令和7年度の五島市児童扶養手当の受給資格者であることが要件。一般世帯は対象になりません。支給は中学1年次または高校1年次からの3年間で、途中の学年から応募することは想定されていません。入学のタイミングを逃さないことが実質的な条件です。
保育料は第2子半額・第3子以降無料、所得制限なし
第2子は半額(第1子と同時に在園していれば無料)、第3子以降は無料です。所得制限はありません。効いてくるのはカウントの仕方で、同一生計であれば子どもの年齢に関係なく第何子かを数えます。上の子がすでに成人していても、下の子は第2子・第3子として扱われます。
医療費は3歳未満の昼間が無料、3歳以上は1日800円
0歳から18歳到達年度末までが対象で、3歳未満の昼間診療は自己負担なし。3歳以上は1医療機関につき1日800円、2日以上なら月1,600円です。対象は保険診療分のみ。注意すべきは支払い方法で、窓口で自己負担分だけを払う現物給付が使えるのは五島市内の医療機関に限られ、市外・県外での受診と高校生年代は領収書を添えた償還払いになります。
ファミリーサポートは産前産後支援なら1時間250円
通常の預かりは平日7時〜19時が1時間700円、それ以外は800円、病児の預かりは800〜900円です。産前産後支援の助成対象になると1時間250〜300円まで下がり、第2子以降は半額になります。上限は産後の家事支援81時間、産前支援42時間、病児の預かりは1日12時間。落とし穴は申請期限で、援助活動があった日から1年を経過した日の属する月末を過ぎると助成を受けられません。会員登録が前提で、援助会員が見つからなければ利用できません。
病後児保育は1回2,000円、非課税世帯は1,000円
生後4か月から小学3年生までが対象で、課税世帯2,000円、非課税世帯1,000円、生活保護世帯は無料です。連続5日までで、事前登録と医師の許可が必要。開所は平日8時30分〜17時30分で、定員を超えると使えません。保護者の疾病や出産で養育が難しいときのショートステイは概ね7日以内です。
無料で使えるが枠が決まっている制度
1歳未満の乳児がいる家庭は育児用品を無料で借りられます。ベビーベッドは最長1年、体重計は最長3か月、ベビーバスは最長6か月まで。里帰り中は祖父母等の申請でも可能ですが、在庫がなければ借りられません。誕生月に2歳・3歳になる子どものフッ素塗布も無料で、案内はがきが届いた人が予約します。実施は毎月第3金曜の8時40分から10時で、その時間に来られない場合は別途相談が必要です。
不妊治療と産婦健診は終了から1年が期限
一般不妊治療(タイミング法・人工授精)の通院交通費・宿泊費と、体外受精・顕微授精・男性不妊手術の医療費・交通費・宿泊費に助成があります。ただし助成額は市への確認が必要です。共通する条件は申請期限で、治療期間が終了した日から1年以内に申請しないと受けられません。産後2週間健診と1か月健診の費用助成も金額は市への確認が必要で、契約していない医療機関で受けた場合は先に全額を払う償還払いになります。
結婚新生活支援は29歳以下なら60万円
1世帯あたり上限30万円、夫婦ともに29歳以下なら上限60万円です。令和8年1月1日以降に婚姻し、夫婦ともに40歳未満で市内に住居を定めた世帯が対象。夫婦の合計所得が500万円未満という要件があり(貸与型奨学金の返還額は控除できます)、超えると対象外です。対象経費は令和8年4月1日から令和9年3月31日までに支払ったものに限られます。
空き家改修はUIターン50万円、新婚家庭なら100万円
改修費の2分の1以内で、UIターン者は上限50万円、新婚家庭と空き家所有者は上限100万円です。対象は五島市空き家バンク登録物件のみで、一般の中古住宅は使えません。工事費が10万円未満だと対象外。UIターン者は転入1年以内で5年以上の居住予定(公務員を除く)、新婚家庭は婚姻後3年以内で夫婦とも40歳未満、所有者はUIターン者・新婚家庭へ賃貸して10年以上バンク登録を続けることが条件です。移住を検討して短期滞在型住宅に入る間は、準島民カードで五島列島発着の航路と福江発着の空路が割引になります(本人のみ、滞在期間中のみ、他の割引との併用不可)。
耐震診断の自己負担は23,000円、住宅ローンは5年0.5%引下げ
昭和56年5月31日以前に着工した3階建て以下の木造戸建住宅が対象で、耐震診断は費用136,000円のうち113,000円が補助され、自己負担は23,000円。改修計画の作成は3分の2で上限7万円、耐震改修工事は2分の1で上限60万円です。市内に住民登録があり市税を滞納していないことが条件。空き家活用または三世代同居・子育て支援事業の対象になっていれば、【フラット35】地域連携型で当初5年間の金利が年0.5%引き下げられますが、融資の申込前に市の利用対象証明書を金融機関へ提出しないと適用されません。
五島市をどう見るか
はっきりしているのは、ひとり親世帯への集中投資です。中高生応援基金の3年150万円は返済不要で、給付型としては大きい部類に入ります。半面、一般世帯が日常的に受け取れる現金は多くありません。保育料の多子軽減と3歳未満の医療費無料は効きますが、3歳以上には1日800円の窓口負担が残り、市外の医療機関にかかれば一度全額を立て替えることになります。島という条件で通院や進学の移動費がかさむことを考えると、不妊治療や産婦健診の助成額が金額として示されていないのは不親切です。使うなら、あとではなく前に窓口へ確認しておくのが確実です。