子ども乗せ自転車の購入に2万円。ただしつくば市では、買ってから申請しても1円も出ません。
つくば市の支援制度とは、日常の出費に的を絞った小口の補助を並べつつ、その多くに「事前申請」「先着」「申請期限」という関門を置いた設計です。収録しているつくば市の15制度から、金額と条件を整理します。
幼児同乗用自転車は2万円、ただし購入前の申請が必須
1台につき20,000円(購入金額が40,000円未満なら購入金額の2分の1)。就学前の幼児を1人以上監護している方が対象です。対象はつくば市内の販売店で購入する「幼児2人同乗基準適合車」マーク付きの新品で、幼児用座席が1つ以上あるものに限られ、中古品は対象外。市税の滞納がないことも必要です。最大の落とし穴は申請のタイミングで、購入前の申請が必須、交付決定前に購入した自転車は対象外です。予算上限に達すると受付終了になります。
学習塾の受講料は月5,000円、年6万円まで
中学生の保護者が対象で、月額5,000円を上限に年額最大60,000円。生活保護、就学援助、児童扶養手当のいずれかの受給が条件で、市税の滞納がなく現在学習塾等を利用していることも必要です。対象経費は授業料と教材費のみで、入会金や施設管理費は出ません。7月以降に申請すると申請月から3月までが対象となり、その分だけ受け取れる額が減ります。つくばこどもの青い羽根学習会を利用している場合は対象外で、その学習会自体は生活保護・就学援助・児童扶養手当受給世帯の小学4年~中学3年生などが参加費・食事代とも無料です。
給食費の無償化は小学校まで、中学は月4,700円が続く
つくば市立小学校および義務教育学校前期課程は給食費が全額無償です。一方、中学校は月額4,700円・1食270円の負担が継続します(食材費高騰分は市が負担)。小学校で楽になった分が中学進学時に戻る前提で見ておいてください。
マル福は18歳年度末まで、3回目以降の外来は無料
マル福小児は、外来が1日600円ですが同一医療機関で月2回までの負担で、3回目以降は無料。入院は1日300円で月上限3,000円、調剤は保険診療分が無料です。対象は出生から18歳に達した後最初の3月31日までで、高校生年代までの拡大は市独自の上乗せです。小児に所得制限はありませんが、県の補助事業対象者判定のため父・母それぞれの所得確認が必要です。
産後ケアは型ごとに料金が違い、通算9日が上限
通所型集団と居宅訪問型は無料ですが、短期入所型は1泊2,070円、通所型個別は1日690円と有料です。しかもこの料金は通算1~5日目のもので、6日目以降は短期入所型が1泊5,000円に上がります。多胎児には加算があります。利用は全サービス合計で最大9日間、うち短期入所型と通所型個別は合わせて5日まで。生活保護受給者と市民税非課税世帯は全型の自己負担が免除されます。
不妊・不育症は上限が小さく、回数も限られる
不妊治療費(先進医療)助成は1回の治療につき上限4万円で、妻が40歳未満なら6回、40~42歳なら3回まで。対象は保険適用の生殖補助医療と併用した先進医療の保険外診療費用のみで、単独実施は対象外。治療終了日が令和8年4月1日以降、治療開始時に妻が43歳未満、夫婦の市税に滞納がないことが要件です。出産した場合は回数がリセットされます。不育症検査・治療費助成は上限5万円ですが、夫婦1組につき生涯1回限りという厳しい制限があります。
妊婦健診と新生児聴覚検査は、県外受診なら1か月前に申請
妊婦健康診査は最大14回(多胎妊婦は19回)。第1回は上限26,660円、それ以外は1回5,780円~13,940円を上限に公費負担され、超えた分は自己負担です。母子健康手帳の交付日以降の受診が対象。新生児聴覚検査は令和8年4月1日以降の受検で自動ABRが上限5,000円、OAEが上限3,000円(それ以前は3,000円・2,000円)。生後28日未満が原則で、やむを得ない事情があれば生後3か月に達する日の前日まで認められます。どちらも県外で受ける場合は受診の1か月前までに申請が必要で、里帰り出産なら早めに動く必要があります。
ひとり親向けは金額差が大きく、申請の遅れが直接減額になる
ひとり親家庭等児童福祉金は、児童扶養手当受給世帯が月額5,000円(年6万円)、非受給世帯が月額2,500円(年3万円)と倍の差があります。対象は15歳到達後最初の3月31日までの児童で、申請した翌月分からの支給となり遡及はありません。民営児童クラブ利用費助成は月額4,000円・年額最大48,000円ですが、生活保護受給世帯または市町村民税所得割非課税世帯限定で、おやつ代や給食費は対象外。翌年度初めにまとめて支給される仕組みで、4月~6月開始者は6月30日まで、7月以降開始者は利用開始月末までに申請しないと受け取れません。子育て短期支援事業はショートステイが1日1,000円~2,750円、トワイライトステイが300円~750円で、ひとり親か、児童の年齢、課税状況で変わります。
住宅の補助は枠が極端に小さい
木造住宅耐震改修費補助は工事費の5分の4、上限115万円と金額は大きいものの、募集は先着2件です。対象は昭和56年5月31日以前に建てられた2階建て以下の戸建て木造住宅で、上部構造評点が1未満から1以上になる改修に限られ、令和9年2月末までの完了が必要。空家等を活用した地域交流拠点づくり支援補助金は対象経費の50%・上限50万円ですが、対象は区会やNPO法人などの団体で、個人の住まいには使えません。
つくば市をどう見るか
つくば市の制度は、額こそ派手ではないものの、自転車、塾代、給食費、児童クラブと生活の実費に正確に当たっています。小学生を抱えた世帯には特に効きます。一方で弱点ははっきりしていて、第一に給食費無償が小学校止まりであること、第二に不育症の生涯1回や耐震改修の先着2件のように枠が極端に狭い制度があること。そして最大の注意点は手続きです。自転車は購入前申請、児童クラブは期限内申請、県外受診は1か月前申請と、知らなければ普通に取り逃します。つくば市は、制度を調べた人だけが得をする自治体です。