別荘を持っているだけで、町の通園サービスを1時間300円で使える町があります。
軽井沢町の支援制度とは、出産祝金や自転車補助のように手触りのある現金給付と、保育料・医療費といった日常の負担軽減を組み合わせた構成です。町の規模のわりに制度の種類が多く、そのぶん一つひとつに居住期間や年齢の細かい線引きがあります。収録している軽井沢町の14制度から、金額と条件を整理します。
こども誰でも通園は1時間300円、別荘所有者も対象
乳児等通園支援事業は、生後6か月から2歳(3歳の誕生日の2日前まで)の子どもが1時間300円で利用できます。対象は町に住所登録がある人だけでなく、町内に別荘を所有している人も含まれます。ただし使えるのは平日午前9時から午後4時まで、月10時間が上限で、使い切らなかった時間を翌月へ繰り越すことはできません。利用料は当日に施設へ直接支払います。認定までに2〜3週間かかるため、使いたい日から逆算して申請してください。
出産祝金は第4子で15万円、ただし居住6か月が条件
第1子・第2子は5万円、第3子は8万円、第4子以降は15万円です。落とし穴は居住要件で、母親が出産時点で軽井沢町に6か月以上継続して住んでいることが必要です。出産直前に転入した場合は対象になりません。
保育料は2人目半額・3人目以降無料、ただし「就学前」で数える
3歳未満児の保育標準時間は月額0円から56,000円の階層制で、同一世帯の2人目の就学前児童は基準額の2分の1、3人目以降は無料になります。数え方が重要で、対象は同一世帯に就学前の子どもが複数いる場合に限られ、上の子が小学校に上がると順位の数え方が変わります。3歳以上児は保育料とは別に主食費・副食費を含む月5,300円、延長保育料は時間数に応じて月1,000円〜5,000円が別途かかります。ひとり親世帯や世帯に障害のある人がいる場合は減免の対象です。
幼児2人同乗用自転車は上限5万円、購入前に要綱の確認を
6歳未満の子どもが2人以上いる世帯を対象に、幼児2人同乗用自転車の購入費を2分の1・上限5万円まで補助します。対象となる自転車の要件が町の交付要綱で定められているため、買ってから対象外と分かる事態を避けるには購入前の確認が必須です。
不妊治療の補助は「妻が43歳以上」から
軽井沢町の不妊治療補助は、一般的な年齢制限とは向きが逆です。不妊検査は妻の年齢が40歳以上、不妊治療は妻の年齢が43歳以上の場合が対象になります。金額は不妊治療が1年度あたり治療費の2分の1・上限30万円(1年度1回の申請、通算5回まで)、不妊検査が1組につき2分の1・上限2万5千円(1回のみ)です。対象は保険適用外の体外受精・顕微授精とこれらと併用する先進医療に限られ、保険適用の治療、人工授精、第三者が関わる治療は対象外。町に1年以上居住し町税の滞納がなく、子ども(養子を除く)がいない夫婦という条件もあります。他自治体の助成との併用は不可です。
産後ケアはデイサービス型だけが無料
産後1年以内の母親が対象ですが、無料になるのは実施医療機関で受けるデイサービス型に限られます。宿泊するショートステイ型と自宅を訪問するアウトリーチ型は町が費用の一部を助成する形で、自己負担が残り、額は施設によって異なります。ショートステイ型は産後4か月以内が対象で、事前の申請と予約が必要です。実施施設は6か所の医療機関と認定助産所です。
里帰り出産の県外受診は、申請期限が検査ごとに違う
県外の医療機関で妊婦健診・産婦健診・新生児聴覚検査・1か月児健診・乳児健診を受けた場合、受診票の助成対象額の範囲で費用が助成されます。ここで注意すべきは期限がばらばらな点です。妊婦健診・乳児健診は最終受診日から1年以内、産婦健診は最終受診日から90日以内、新生児聴覚検査は検査から4か月以内。特に産婦健診の90日は短く、過ぎると助成を受けられません。保険適用となった診療や受診票の項目を超える検査も対象外です。
医療費は18歳まで、ただし医療機関ごとに月500円
福祉医療費給付制度は、保険診療の自己負担分から医療機関ごとに月500円の受給者負担金を差し引いた額が給付されます。完全無料ではありません。子どもについては所得制限がない一方、入院時の食事代は対象外です。県外での受診や受給者証を提示しなかった場合は、受診から3年以内に自分で申請する必要があります。
預かり・住まい・その他
ファミリーサポートセンターは平日午前7時〜午後7時が1時間600円、それ以外の時間・曜日は700円で、きょうだいの2人目以降は半額です。事前の会員登録が必要で、料金は援助会員へ直接支払います。省エネ住宅の補助は県の「信州ゼロエネルギー住宅助成金」の交付を受けていることが前提で、県助成額の2分の1・上限40万円、生涯1回限り。申請期限は県が助成額を確定した日から30日以内か年度末のいずれか早い日です。町営住宅は収入基準が原則月額158,000円以下で、申込み多数なら抽選。多くの住戸に照明器具や給湯器がなく、自分で用意する必要があります。交通遺児等への見舞金は1人1万円、造血細胞移植後のワクチン再接種費用の助成は上限額が要綱に定められているため保健センターへの確認が必要です。保育士修学資金は給付ではなく貸付で、条件は長野県社会福祉協議会での確認が要ります。
軽井沢町をどう見るか
強いのは就学前の時期です。誰でも通園、保育料の多子軽減、自転車補助、出産祝金と、0〜6歳に資源が集中しています。一方で小中高の年代に向けた制度は医療費以外にほとんど見当たらず、教育段階の支援は薄いと言わざるを得ません。不妊治療補助が高年齢側に振られているのも、国の保険制度でカバーされない層を拾う設計と読めます。居住6か月・1年といった要件が随所にあるため、転入直後は使えない制度が多い点も踏まえておくべきでしょう。