沼津市の保育施設では使用済み紙おむつの持ち帰りが廃止され、私立施設には0〜2歳児1人あたり月300円が市から支払われています。
沼津市の子育て支援とは、高校3年生まで医療費無料という土台の上に、日々の細かい負担を一つずつ削る制度群です。その分、公費負担の効く医療機関や申請の締切が結果を分けます。収録している沼津市の13制度から、金額と条件を整理します。
紙おむつの持ち帰りは廃止、費用負担もなし
令和5年7月1日から、対象施設で使用済み紙おむつの持ち帰りが不要になりました。費用負担はなく、私立施設には0〜2歳児1人あたり月300円を市が補助します。対象は公立の保育園6園・認定こども園1園・発達支援センター1か所と、私立の認可保育所21園・認定こども園8園・小規模保育施設6か所です。
こども医療費は高3まで無料、県外受診は1年以内に請求
0歳から高校3年生相当年齢まで、通院・入院とも保険診療の自己負担額が無料、回数制限もありません。健康保険への加入が前提です。注意が要るのは静岡県外での受診で、窓口でいったん自己負担し、診療から1年以内に払い戻しを請求する必要があります。この1年を過ぎると戻りません。子どもが婚姻している場合などは別途手続きが要ります。
産後ケアはショートステイ1泊6,400円、非課税世帯は半額
令和8年4月1日改定の利用料は、ショートステイ1泊(4食)が課税世帯6,400円・非課税及び生活保護世帯3,200円、デイサービス標準(2食)が2,200円・1,100円、短時間が2,000円・1,000円、育児支援訪問が800円・400円。非課税世帯と生活保護世帯は半額です。宿泊・通所は市が委託した医療機関や助産所に限られます。利用回数の上限は明記がないため、こども家庭センターへの確認が必要です。
妊婦健診は最大16回、ただし里帰りは扱いが分かれる
受診票により最大16回分が公費負担、多胎妊娠は標準の14回に加えて5回分が追加されます。公費負担が効くのは市の委託医療機関で受診票を使った場合だけで、検査内容によっては自己負担が生じます。受診票を交付前にさかのぼって使うこともできません。里帰り出産などで委託外にかかった場合は、全額自己負担して出産後に払い戻しを申請します。妊婦歯科健康診査も受診券が使えるのは委託医療機関のみですが、こちらは委託外で受けた場合の払い戻し制度がありません。
一時預かりは1時間600円、こども誰でも通園は300円
沼津っ子ふれあいセンター「ぽっぽ」の一時預かり保育は1時間600円、1日最大5時間まで。水曜を除く毎日9時から17時で、土日祝も使えます。こども誰でも通園制度は1時間300円で月10時間が上限、親子サロンは無料。事前予約が必要で、市内在住者は2週間前、市外の人は1週間前から申し込めます。併設のファミサポは概ね1時間600円程度です。
放課後児童クラブは月3,000円補助、おやつ代は自己負担のまま
指導料の補助は、児童手当受給世帯が月3,000円(年36,000円)、第2子以降が月3,500円(年42,000円)。補助は指導料部分だけで、おやつ代の月2,000円、保険料の年800円、延長利用料の1回200円は自己負担のままです。指導料は8月のみ9,000円。利用には保護者が月64時間以上の就労など7要件のいずれかを満たす必要があります。
就学援助は4月30日が当初締切、遅れると翌月分から
学用品費や給食費などが援助されます。費目ごとの金額は市の案内資料で確認が必要です。効いてくるのは締切で、令和8年度の当初申請は4月30日まで。以降も1月25日まで毎月受け付けますが、年度途中の申請は翌月分からの認定となり支給額が変わります。新入学用品費は入学前(通常2月)の支給が原則です。
結婚新生活は29歳以下で60万円、ZEH新築は55万円
結婚新生活支援は、夫婦ともに29歳以下なら上限60万円、39歳以下なら上限30万円。令和8年1月1日から令和9年3月31日の婚姻届提出、夫婦合算所得500万円未満(奨学金返済額は控除可)、市指定の講座(ライフデザイン、プレコンセプションケアなど4種)のいずれかの受講、市税の滞納なし、1年以上定住する意思などが条件です。対象経費は令和8年4月1日以降に支払った住居費と引越費用。新築住宅のZEH化補助はZEH住宅1戸あたり55万円、CLT材使用で35万円加算、太陽光発電は1kWあたり7万円、蓄電池は費用の3分の1(1kWhあたり上限15万5,000円)です。交付決定前に着工すると対象外で、着工14日前までの申請が必要。令和8年度の予算総額は532万円で、予算に達し次第終了します。
移住のお試し宿泊は1泊3,000円、交通費は最大10万円
お試し移住補助金は対象経費の2分の1、1泊あたり上限3,000円で5泊まで、1世帯1回限り。対象は1泊2食付きの標準的な宿泊費のみです。関門は事前の対面相談で、相談前に滞在すると対象外。宿泊先も市が登録した15施設に限られます。移住者支援交通費補助金は往復1回分と片道1回分で上限10万円。実際の交通費と市の旅費基準の低い方が適用され、移住日から3か月以内の支払い分だけが対象です。首都圏の大学生・大学院生には、就職活動の交通費が1往復あたり上限5,940円、移転費が上限66,000円の支援も。対象キャンパスに4年以上在学し、県内企業に週20時間以上の正規雇用で就職することが条件です。
沼津市をどう見るか
効くのは医療費です。高校3年生相当年齢まで通院も入院も回数制限なしで無料という水準は、定額負担を残す自治体より明確に強い設計です。紙おむつの持ち帰り廃止のように、小さくても毎日効く負担を消す施策があるのも特徴です。
弱いのは預かりの単価です。一時預かりは1時間600円、ファミサポも概ね同水準。放課後児童クラブの補助も指導料だけで、おやつ代や延長料は残ります。産後ケアは回数上限が公表されておらず、計画を立てにくい状態です。
手続きの落とし穴は委託医療機関と締切です。妊婦健診は委託外なら払い戻し、妊婦歯科健診に至っては払い戻しもありません。こども医療費の県外受診は1年以内、就学援助は4月30日を過ぎると翌月分から、お試し移住は事前相談なしでは不可、ZEH補助は着工14日前までの申請で先着順。金額よりも、どこで受けるか・いつ出すかで結果が変わります。