病気の子どもを預かってもらう費用が、福岡市では令和7年4月から1日0円になりました。
福岡市の子育て支援とは、日々の預かりコストを行政が引き受け、住まいの移動には期限付きの現金を出す制度群です。収録している福岡市の14制度から、金額と条件を整理します。
病児・病後児デイケアの利用料は無料
病児・病後児デイケア事業は、令和7年4月から利用料が無料です。対象は0歳から小学6年生までで、病気または病気の回復期にあり集団保育が難しい場合に使えます。ただし無料になるのは預かりの利用料だけで、食事・ミルク・おやつ・医療費は自己負担です。利用には施設ごとの事前登録と電話予約が必要で、当日は施設の医師の診察を受ける必要があります。複数の病児デイケアルームへの同時予約はできません。開設は平日8時30分〜17時30分、土曜8時30分〜13時で、日曜・祝日・休診日は利用できません。
第2子以降の0〜2歳は保育料が所得にかかわらず無料
第2子以降の保育料無償化は、同一世帯で扶養しているきょうだいのうち第2子以降にあたる0〜2歳児の保育料を、世帯の所得にかかわらず無料にします。同時在園や年齢差の要件はありません。子どもと保護者がともに福岡市に住民登録があることが必要で、第1子が就学や医療のため市外に居住している場合は、生計が同一であることを示す書類の提出と毎年の確認が要ります。無償になるのは保育料で、給食費などの実費は別です。
子ども医療費は3歳以上で1医療機関月500円が上限
子ども医療費助成制度は、通院が3歳未満まで無料、3歳から高校生年代までは1医療機関あたり月500円が自己負担上限です。入院と調剤薬局はすべての年齢で無料で、保護者の所得制限はありません。注意すべきは開始時期で、助成は原則として申請した月の初日からとなり、それ以前にはさかのぼりません(出生・転入・新規保険加入の場合は例外があります)。子ども医療証の交付を受けている必要があり、健康診断・予防接種・差額ベッド代などは対象外です。
産後ケアは訪問型1日500円、合計7日まで
福岡市産後ケア事業の自己負担は、宿泊型1日3,000円(1泊で6,000円)、日帰り型1日2,000円、訪問型1日500円です。生活保護世帯と市民税非課税世帯は免除されます。上限は宿泊型・日帰り型・訪問型を合わせて最大7日で、医療的な処置が必要な人は対象外です。産前・産後ヘルパー派遣事業は1回(最大2時間)につき500円、ほかに交通費が1回500円を上限に事業者ごとに必要です。回数上限は産前10回、産後20回で、未就学のきょうだいがいる場合は40回、多胎の場合は外出支援20回を含め60回まで使えます。日中に家族などから支援を受けられる場合は対象外です。
引っ越し支援は最大100万円、申請は転居から1年以内
子育て世帯市内引越し応援事業は、住宅取得費助成が年20万円を最長5年で最大100万円、民間賃貸住宅家賃助成が年10万円を最長5年で最大50万円、引越し費用等助成が対象経費の2分の1(上限15万円、多子世帯は20万円)です。令和8年4月1日以降の市内転居が対象で、申請期限は転居日から1年以内、募集期間は令和8年4月1日から令和9年2月28日まで。生活保護等を受給していない世帯であることと市税の滞納がないことが要件です。三世代同居・近居住替え支援事業も同じ骨格で、引越し費用等助成の上限が20万円(多子世帯25万円)とやや厚く、近居は直線距離1.2km以内が条件です。住宅は昭和56年6月1日以降に建築された新耐震基準を満たすもので、世帯人数に応じた床面積要件があります。いずれも先着順で予算に限りがあります。
放課後児童クラブは基本月3,000円、未実施の学校がある
放課後児童クラブは、基本(放課後〜17時)が月3,000円で年36,000円、18時までの延長が月1,000円、19時までが月2,000円、土曜利用が月2,000円の加算です。別途おやつ代が施設ごとにかかります。保護者の就労等により昼間の保育ができないことを証明する書類が必要で、要件を満たさない場合は入会できません。市内146校のうち141校での実施のため、通う学校で実施していない可能性があります。
高校の奨学金は貸与型で、申込は中学3年生の一度きり
奨学金の貸付は月額10,000〜18,000円(公立)・10,000〜25,000円(私立)から選択でき、年額では最大300,000円です。ほかに入学時貸付として公立50,000円・私立100,000円があります。無利子ですが貸与型のため卒業後に返還義務があり、他の奨学金を受けている場合は対象外です。申請は中学3年生の在学中に中学校を通じて行うため、時期を逃すと申し込めません。
一時預かりと妊婦健診は実費と地域の制約に注意
一時預かり事業は、3歳未満が1時間300〜600円程度、3歳以上が1時間200〜500円程度で施設により異なり、月14日までが上限です。生活保護世帯と市民税非課税世帯は半額になります。事前登録と前日までの予約が必要です。妊婦健康診査は14回分の助成券(多胎はさらに5回分)が交付されますが、使えるのは福岡県・佐賀県・大分県内の契約医療機関に限られ、それ以外では償還払いの申請が必要です。1回あたりの公費負担上限額は市へ確認が必要です。里帰り先での受診分は、産婦健診が1回5,000円を上限に2回まで、新生児聴覚検査がAABR5,000円・OAE3,000円を上限に助成されます。不育症検査費・治療費助成は保険適用外分の2分の1で上限5万円、治療開始時に妻が43歳未満であることが条件です。
福岡市をどう見るか
福岡市が効くのは、共働き世帯の日常コストです。病児デイケアの無料化、第2子以降の保育料無償化、月500円上限の医療費は、毎月の支出として確実に効きます。弱いのは期限管理で、引越し支援は募集期間と転居から1年の申請期限があり、高校奨学金は中学3年の一度きり、医療費助成は申請した月からしか始まりません。福岡市の制度は、金額ではなく締切で人を落とす設計です。