修学旅行費も副教材費も、豊中市立の小中学生は所得に関係なく全額無償です。就学援助の対象だから、ではありません。全員です。
豊中市の子育て支援とは、所得制限を置かない全員対象の無償化と、所得で線を引く貸付・援助を、はっきり二層に分けた制度群です。医療費や保育料は誰でも使え、進学費用は所得審査と返済を伴います。収録している豊中市の16制度から、金額と条件を整理します。
修学旅行費・学校行事費・副教材費が全額無償
市立の小学校・中学校・義務教育学校に在籍していれば、修学旅行費、学校行事費、ドリルやテスト等の副教材費が無償になります。所得要件はありません。ただし給食費は対象外で、私立・国立校に通う場合も対象外です。この公費負担があるため、就学援助では学用品費・修学旅行費・林間臨海学舎費は重ねて支給されません。
0〜2歳児クラスの保育料は第2子以降が全額無償
認可保育施設、市家庭保育所、ポピンズキッズルーム桜の町/庄内(定期利用)を使う0〜2歳児クラスの第2子以降は、保育料が全額無償で、所得制限もありません。無償になるのは保育料のみで、延長保育料・教育充実費・実費、一時保育、認可外施設、休日保育、病児保育は対象外です。第2子の判定は同一世帯の兄姉で自動的に行われますが、別世帯の兄姉を数えたい場合は戸籍全部事項証明書の提出が必要です。
子ども医療費は18歳年度末まで、自己負担は1日500円
住民登録があり健康保険に加入していれば、18歳到達後最初の3月31日まで保険診療の自己負担分が助成されます。保護者の所得制限はありません。ただし無料ではなく、1医療機関あたり1日500円、月最大1,000円の自己負担が残ります。複数の医療機関で月2,500円を超えた分は、申請すれば払い戻されます。ひとり親家庭等医療費助成は自己負担が1日500円で月2日まで(最大1,000円)ですが、児童扶養手当に準じた所得制限があり、扶養0人なら父母208万円未満、養育者236万円未満(扶養4人以上は1人につき38万円加算)。1〜9月の申請は前々年、10〜12月は前年の所得で判定します。
妊婦支援給付金は合計10万円、口座は本人名義のみ
妊娠届出時に5万円(または55,000ポイント)、出産後に子ども1人につき5万円(または55,000ポイント)。令和7年4月1日以降の妊娠届出・出産が対象で、医師による胎児心拍の確認が必要です。落とし穴は名義で、申請も振込口座も妊婦本人名義に限られ、他自治体で既に受給している場合は申請できません。はぐくみポイントを選べるのは令和8年1月1日以降の届出者だけです。
不育症は年度上限30万円、不妊症は年度上限5万円
不育症治療費等助成は、検査費が1回につき費用の7割・上限6万円、治療費は検査費と合算して1年度あたり上限30万円です。対象は次世代シーケンサーによる流死産絨毛・胎児組織染色体検査、抗ネオセルフβ2グリコプロテイン1複合体抗体検査、低用量アスピリン療法、ヘパリン療法に限られ、2回以上の流産・死産の経験が条件です。不妊症治療費等助成は夫婦1組につき1年度あたり上限5万円、申込は年度ごとに1回のみで、保険適用となった検査・治療に限られます。どちらも支払日から申込日まで継続して市に住民登録があることが必要です。
産後ケアは課税世帯でも1泊2日3,000円
短期入所型は課税世帯が1泊2日3,000円(以降1日1,500円)、非課税世帯が1泊2日1,000円。通所型は1日500〜1,000円、アウトリーチ型は1回500円です。出産後1年未満が対象で、医療行為が必要な人や感染症にかかっている人は利用できません。令和8年4月からは短期入所型と通所型を合わせて10日間が上限です。
新入学学用品費は小1で6万円台、事前支給の枠もある
就学援助では新入学学用品費として小学1年生64,300円、中学1年生81,000円を各1回、ほかに中学校給食費の実食分と医療費の実費を支給します。認定基準額は2人世帯2,434,400円、3人世帯2,734,400円などで、ひとり親は30万円加算、判定は受付開始日の前年1年間(1〜12月)の所得です。これとは別に入学前に受け取れる新入学児童学用品費があり、新小学1年生1人につき63,100円。こちらは国立・私立に入学予定でも対象で、判定は前々年の所得、身体障害者手帳等の保有者がいる世帯は1人につき45万円が加算されます。
高校進学の支援は「貸付」であって給付ではない
豊中市奨学費は国公立が年間8万円以内、私立が年間20万円以内の無利子貸付で、高校卒業後7年以内に返済します。保護者の課税総所得金額の合算が100万円以下という厳しい所得要件があり、連帯保証人と毎年の資格審査も必要です(交通遺児は所得制限なし)。私立高校入学支度金貸付あっせんは1人20万円以内、年1.8%、返済期間3年以内で、前年度住民税課税総所得金額356万円以下が条件。3年以内に完済すれば利子相当額を市が補給します。
25万円の三世代同居・近居補助は今年度で終了予定
中学生以下の子(妊娠中を含む)がいる子世帯が、親世帯と市内で同居・近居するために住宅を取得する場合、最大25万円が出ます。転入前1年以上市外に居住、賃貸を経由せず市外から直接転入、2020年4月以降の購入契約、1981年6月1日以降着工の耐震基準適合、市税の滞納なし、転入後3年以上の継続居住予定をすべて満たす必要があります。そしてこの補助金は今年度で終了予定であり、先着順で予算に達した時点で受付が終わります。
豊中市をどう見るか
効くのは義務教育期です。修学旅行費と副教材費の無償化に所得制限がないため、市立小中に通う全世帯が確実に恩恵を受けます。0〜2歳の第2子以降の保育料無償化も同様です。弱いのは高校以降で、支援の中心が返済義務のある貸付に寄り、しかも奨学費は課税総所得100万円以下という狭い入口です。医療費も1日500円の自己負担が残るため「無料」ではありません。急ぐべきは三世代同居・近居補助で、今年度で終了予定かつ先着順のため、該当しそうなら他の制度より先に確認すべきです。ファミリー・サポート・センターと多胎児支援は金額が公開されておらず、利用料の目安は市へ確認が必要です。