父親が30日以上の育児休業を取ると、本人に5万円、勤め先の会社に15万円が千葉市から出ます。
千葉市の子育て支援とは、無料を掲げずに少額の自己負担を残しながら、対象年齢と回数を広く取る仕組みです。収録している千葉市の15制度から、金額と条件を整理します。
男性の育休30日で本人5万円、事業主15万円
男性の育児休業取得促進奨励金です。3歳未満の子に対して30日以上の育児休業を取得した場合、従業員本人に1回5万円、事業主に1回15万円が支給されます。条件が細かく、勤務先が常時雇用100人以下の市内中小企業であること、本人が千葉市在住であることが必要です。大企業勤務は対象外になります。申請期限も短く、職場復帰から3か月以内、または当該年度の3月31日のいずれか早い日まで。事業主側は市内に本店・支店があり、市税の未納がないことが条件です。
子ども医療費は「無料」ではなく通院1回300円
子ども医療費助成は0歳から18歳到達後最初の3月31日までが対象で、所得制限はありません。ただし通院1回300円、入院1日300円の自己負担が残ります。調剤は無料です。完全に無料になるのは、第3子以降の子どもと、市町村民税所得割が課税されていない世帯に限られます。加えて、同一月・同一医療機関での通院は6回目以降、入院は11日目以降が無料になる仕組みです。持病で月に何度も通う家庭ほど、この上限が効いてきます。
産後ケアは利用料の10%負担、単胎7回・多胎10回
産後ケア事業は、単胎児が宿泊型7日・訪問型7回・日帰り型7回、多胎児は各10日/10回までです。自己負担は課税世帯が利用料の10%、非課税世帯が5%。生活保護世帯でも完全無料になるのは訪問型だけで、宿泊型は1日300円、日帰り型は1回300円がかかります。対象期間が型によって違う点が落とし穴で、宿泊型と日帰り型は産後5か月未満、訪問型は産後1年未満です。早産児は期間が延長される場合があります。
家事支援のエンゼルヘルパーは1回1,680円、30回まで
エンゼルヘルパーは妊娠中または出産後1年未満で、昼間に家事・育児を行う人がいない家庭が対象です。料金は1回2時間で1,680円。所得割課税額48,600円未満なら1回250円、ひとり親・多胎世帯は840円、無料になるのは生活保護世帯と市民税非課税世帯だけです。利用は1日2回まで、合計30回(多胎は50回)が限度です。
預かり先は用途別に4種類、価格差が大きい
ファミリー・サポート・センターは平日7時〜19時が1時間700円、それ以外の時間帯は900円、休日は900〜1,000円です。2人目以降は半額。事前の入会手続きが必要で、当日いきなりは使えません。一時預かり事業は不定期利用で1日あたり3歳未満児2,200円、3歳以上児1,200円と倍近い差があり、不定期利用は月7日までが上限です。病児・病後児保育は1日2,050円、6時間まで1,230円で、別途診察料がかかる場合があります。減免制度はありますが、申請日と利用日が近いと手続きが間に合わず減免を受けられないことがあるため、使う前に済ませておく必要があります。子育て短期支援事業のショートステイは一般世帯で1日2,750〜5,350円、原則月7日以内です。
こども誰でも通園は1時間300円、月10時間は繰り越せない
乳児等通園支援事業は、保育所等に在籍していない生後6か月から満3歳未満の子どもが対象です。一般世帯は1時間300円、市町村民税所得割合算額77,101円未満の世帯と要支援児童のいる世帯は100円、生活保護世帯は無料。月10時間までで、1回につき1時間以上・30分単位です。使い切れなかった時間を翌月に繰り越すことはできません。保育所等に在籍している場合は利用できない点にも注意が必要です。
妊婦健診は14回だが、超過分は自己負担
妊婦一般健康診査は14回分の受診票が交付されます。公費負担額はA票16,600〜20,500円、B票4,500〜9,500円などと票ごとに決まっており、実際の健診費用がこれを超えた分は自己負担です。無料と考えていると差額が出ます。転入した場合は妊娠週数に応じて受診票の枚数が減ります。県外の医療機関では別途手続きが必要です。妊産婦歯科健診は妊娠中1回・出産後1回で、受診票が使えるのは市の協力医療機関だけです。
不育症検査は上限10万円、43歳と所得730万円の壁
不育症検査費助成事業は、保険適用外の通常検査が費用の2分の1で1回上限10万円、先進医療検査は7割で上限6万円です。条件は明確で、妻の年齢が43歳未満、前年分の夫婦合計所得が730万円未満。どちらかを外れると助成はありません。ひとり親向けでは、母子・父子家庭等医療費助成が保険診療の自己負担額を全額助成しますが、所得が児童扶養手当の受給水準以下であることが必要です。
団地への住替え支援は上限額が非公開
団地住替え支援事業は、高経年住宅団地へ転居する子育て世帯・新婚世帯・パートナーシップ宣誓カップルが対象で、住居費・引越費用・リフォーム費用が補助されます。ただし上限額はページに記載がなく、市への確認が必要です。中古住宅の購入に限られ新築は対象外、団地から団地への転居も対象外という制限があります。対象になるのは令和8年4月1日から令和9年2月28日に支払った費用のみです。
千葉市をどう見るか
弱いのは現金給付です。出産や進学のたびに数万円を配る制度はなく、医療費も1回300円が残ります。住替え支援も金額が公開されていない以上、計算に入れられません。効くのは、共働きで子どもを預けながら働き続ける世帯です。ファミサポ、一時預かり、病児保育、誰でも通園、ショートステイと預け先の選択肢が揃っており、育休奨励金は市内中小企業勤務という条件付きながら本人と会社の双方に効きます。裏を返せば、選択肢が多いぶん料金表も複雑で、同じ預かりでも時間帯と年齢で倍近く変わります。使う前に自分の世帯がどの区分に入るかを確かめておかないと、想定より高くつきます。