結婚した時点で二人とも29歳以下なら60万円、片方が30歳なら30万円。1歳の差で30万円が動く市があります。
船橋市の子育て支援とは、保育と住まいの「自己負担を薄く削る」タイプの制度群です。大型の一時金は結婚新生活支援だけで、あとは月額上限や1回あたりの負担額を定めた実費補助が中心になります。収録している船橋市の16制度から、金額と条件を整理します。
結婚新生活支援は双方29歳以下で60万円、1人でも30代なら30万円
結婚新生活支援事業は1世帯1回上限30万円で、婚姻時に双方とも29歳以下の場合のみ上限60万円になります。対象は令和8年1月1日から令和9年3月31日までに婚姻届を提出、または市のパートナーシップ宣誓をした双方39歳以下の世帯です。条件は多く、夫婦の合算所得500万円未満、ライフデザイン講座の受講済み、令和9年3月31日までの住宅契約、令和8年4月から令和9年3月の間に費用を支払い済み、申請時に双方が新住所に住民登録済みのすべてを満たす必要があります。講座の受講が要件になっている点は見落としやすいところです。
認可外保育施設の補助は月3万円、対象は課税世帯の0〜2歳
認可外保育施設通園児補助金は、0歳児から2歳児クラスに在籍する市民税課税世帯の児童が対象で、月額上限3万円(年額換算で最大36万円)です。補助されるのは実際の利用料の範囲内で、日用品費や行事費は対象外。対象施設は国の指導監督基準を満たす証明書の交付を受けた施設に限られ、事業所内保育施設やベビーシッターは除かれます。四半期ごとの申請期限を過ぎると、その分は受けられません。
こども誰でも通園は1時間300円、月10時間まで
保育所等に在籍していない生後6か月から満3歳未満の子どもは、こども誰でも通園制度を最初の1時間300円、以後30分ごと150円で利用できます。生活保護世帯と市民税所得割額77,101円未満の世帯は100円・50円に下がります。上限は月10時間で、1回の最低利用時間は1時間。利用前に施設との事前面談が必要なため、思い立った日に使うことはできません。
子ども医療費は通院1回300円、無料は非課税世帯だけ
子ども医療費助成は18歳到達後最初の3月31日までが対象ですが、完全無料ではありません。通院1回・入院1日につき300円の自己負担があり、無料になるのは調剤と、市町村民税所得割非課税世帯の場合だけです。ただし同月・同一医療機関で入院11日目・通院6回目以降は自己負担がなくなります。
産後ケアは3類型あわせて7日以内、課税世帯は宿泊6,000円
産後ケア事業は宿泊型・通所型・訪問型を自由に組み合わせて合計7日以内です。課税世帯の自己負担は宿泊型1泊2日6,000円、通所型1日2,100円、訪問型1日1,400円。無料になるのは市民税非課税世帯と生活保護世帯だけです。申請後に審査があるため、申し込めば必ず使えるとは限りません。
病児保育は1日2,000円、ショートステイは10日前までの申請
病児保育は1日2,000円、5時間までの半日利用は1,000円で、受け入れ年齢は生後57日目から小学3年生(施設により6年生まで)と施設ごとに異なります。子育て短期支援事業は短期入所が1泊2歳未満5,500円・2歳以上2,850円、夜間養護1回800円、休日預かり1回1,400円。最大6泊7日までで、育児疲れを理由とする場合は月2日までです。事前登録が必要なうえ利用開始日の10日前までに申請しないと使えず、急な事情には間に合いません。
不育症検査は7割助成で上限6万円、年度内の申請が必要
不育症検査費用助成は1回の検査費用の7割(千円未満切り捨て)で上限6万円です。既往流死産回数が2回以上あることが条件で、対象は先進医療として告示されている検査を承認された保険医療機関で受けた場合に限られます。検査終了後の年度内に申請しないと対象外になります。
妊婦健診は14回+最大2回、産婦健診は1回5,000円まで
妊婦一般健康診査は14回まで、妊娠40週を超えた場合や医師の判断で使い切った場合は最大2回分が追加助成されます。助成は費用の一部のため窓口で自己負担は生じます。受診票が使えるのは千葉県内の産科・婦人科・助産所と、県外では市と契約した医療機関に限られます。産婦健康診査は産後約2週間と約1か月の2回で、1回5,000円が上限。妊婦歯科健康診査は妊娠中1回だけ無料です。
住まいの補助は近居同居10万円、改修は上限8万円
親世帯・子育て世帯近居同居支援事業は1世帯1回10万円ですが、住宅の契約前に市へ届出をしていないと対象外です。転居時期も令和8年4月1日から令和9年3月31日に限られます。住宅バリアフリー・断熱改修支援は工事費用の10分の3で上限8万円、対象工事の合算額が3万円以上必要で外壁塗装は対象外。バリアフリー工事は世帯全員が介護保険認定や障害者手帳の交付を受けていないことが条件です。どちらも1年以上の市内居住と、工事着手前・契約前の申請が求められます。
金額が公表されていない制度
児童福祉施設入所費用助成は、納入済みの措置費負担金に応じて助成額が決まるため公表額がなく、市へ確認が必要です。領収書は支払いから1年以内のものに限られます。就学援助制度も支給額は市の案内に掲載されており、認定は令和7年分の収入で審査されます。目安以下でも認定されないことがあり、逆の場合もあるとされています。多様な集団活動利用支援事業費補助金は原則月額2万円が上限で、週5日以上かつ年間39週以上の利用が条件です。
船橋市をどう見るか
弱いのは医療費です。通院1回300円の自己負担が残り、非課税世帯以外は無料になりません。効くのは保育で、認可外の月3万円補助と誰でも通園の低単価は、認可に入れなかった世帯の実費を直接下げます。結婚新生活支援の60万円も金額としては大きいものの、年齢・所得・講座受講・契約時期の条件が積み重なっており、満額を受け取れる人は限られます。全体として申請期限と事前申請の縛りが厳しく、住宅補助も預かりも「先に届け出た人だけが使える」制度になっている点を押さえておくべきです。