駅前で子どもを預けると、市のバスが保育園まで送り届けてくれます。その料金が月額2,000円です。
流山市の子育て支援とは、現金を配るのではなく、共働き世帯の時間を買い戻すサービスに予算を置く仕組みです。収録している流山市の15制度から、金額と条件を整理します。
送迎保育ステーションは月額2,000円、ただし条件が7つ
送迎保育ステーションは、市内の認可保育施設に在籍する1歳以上の児童が対象で、月額2,000円。スポット利用なら1回100円です。ただし条件が細かく並びます。児童側は1歳以上で1人で歩き荷物を持てること、バスの座席に座って移動できること、一時預かりを利用していないこと、保育標準時間の認定を受けていること。保護者側は自宅から施設まで500メートル以上あるか、運行時間帯の送迎が困難であることが必要です。利用前に子ども同伴の面談も必須で、午後6時以降の延長保育は別料金になります。
産前産後の家事育児支援は12時間無料、ただし決定通知前は全額自己負担
育児支援等サービス事業は、母子健康手帳の交付後から退院後56日までの間に、育児・家事支援を合計12時間まで無料で利用できる制度です。最大の落とし穴は申請のタイミングです。無料になるのは決定通知を受けた後に利用した分のみで、申請前や通知が届く前に使った分は全額自己負担になります。出産してから慌てて申請しても間に合いません。対象は市在住、母子健康手帳の交付済み、家族の援助や里帰りが受けられないことの3条件すべてを満たす方です。
子ども医療費は通院1回200円、18歳年度末まで
子ども医療費助成は0歳から18歳に達する日以後の最初の3月31日までが対象です。完全無料ではなく、通院1回・入院1日につき200円の自己負担があります。住民税所得割額が非課税の世帯はすべて無料。同一医療機関・同一月の通院6回目以降と入院11日目以降も無料になります。高校生への助成は令和5年4月1日からです。受給券が使えない県外の医療機関ではいったん全額を支払い、償還払いの申請が必要になります。
ひとり親と遺児への手当は高校在学中に月20,000円
流山市児童育成手当は、父母が離婚した、父母の一方が死亡・重度障害・生死不明・遺棄しているといった状態の児童を養育する方が対象です。第2子以降の児童1人につき月額4,000円、高等学校等に在学中は月額20,000円、心身に一定の障害がある在学中の第2子以降は24,000円。年額では最大288,000円になります。注意点は対象が第2子以降に限られることで、第1子は対象外です。前年所得が児童扶養手当の支給制限限度額を超える場合も支給されません。
流山市遺児等手当は、父母のいずれか一方が死亡しているなどの16歳未満の遺児等が対象で、12歳以下は月額4,000円、13歳以上16歳未満は月額6,000円です。中度以上の心身の障害がある場合は20歳未満まで。こちらも所得による支給制限があります。
産後ケアは7日まで、自己負担は所得割額で変わる
産後ケアは産後1年未満で心身の不調や育児不安がある産婦が対象です。宿泊型、デイケア(個別)、デイケア(集団)をあわせて合計7日までで、自己負担額は世帯の市民税所得割額に応じて決まります。誰でも無料になるわけではない点は押さえておく必要があります。
病児保育は4時間2,000円、1つの病気につき7日まで
病児・病後児保育は生後6か月から小学6年生までが対象で、4時間まで2,000円、超過は1時間ごとに300円です。市民税非課税世帯は1,000円、無料になるのは生活保護世帯のみ。市外の児童は各料金に500円が加算されます。原則として1つの病気につき連続7日間が限度で、施設は医療機関併設の3か所、定員は最大4名程度です。流行期に確実に押さえられる規模ではありません。
子どもショートステイは1歳以上18歳未満が対象で、宿泊1泊2,850円(市民税非課税世帯の2歳以上は1,100円、生活保護世帯は無料)。事前登録が必須で、宿泊は連続7日、日帰りは8時間以内が上限です。
ファミサポは入会金2,000円、病児と宿泊は対象外
流山市ファミリー・サポート・センターは、生後6か月から小学6年生までの子どもがいる家庭が対象です。平日6時〜22時は1時間700円、土日祝日とそれ以外の時間帯は900円。利用会員には入会金2,000円がかかります。病児のケアと宿泊を伴う援助は対象外です。一時預かり実施施設は料金・対象年齢・実施曜日が施設ごとに異なるため、半日1,500〜2,050円、1日3,000〜5,000円といった幅があり、個別の確認が必要です。
無料なのは教室と検診の一部
プレおやこクラスとウェルカム・ぴーなっつ(多胎妊婦教室)は参加費無料ですが、開催回ごとに申込期間が決まっており、期間を外すと申し込めません。妊婦歯周疾患検診は自己負担500円で、無料になるのは世帯全員が市民税非課税の方や生活保護受給者などに限られます。同一年度内の2回目は全額自己負担です。
住宅系に現金は出ない
流山市住み替え支援制度も子育て応援マンション認定制度も、補助金の給付はありません。前者は市が登録した不動産事業者・工務店を紹介する仕組み、後者は子育て設備を備えたマンションを市が認定・公表する仕組みです。住宅取得の費用が直接安くなる制度ではありません。
流山市をどう見るか
弱いのは現金です。出産祝い金も住宅取得補助もなく、医療費にも1回200円が残ります。ひとり親向けの手当は手厚いものの、児童育成手当は第2子以降限定で、第1子だけを育てるひとり親は受け取れません。効くのは、認可保育園に子どもを預けて共働きを続ける世帯です。送迎保育ステーションの月2,000円は、毎朝の送迎という最も削りにくい時間を直接買い戻します。産前産後の12時間無料支援も、決定通知前の利用が対象外という条件さえ守れば実質的な価値は大きい制度です。逆に言えば、流山市の制度はほぼすべてが「先に登録・申請しておく」設計になっています。必要になってから動くと、使えないか自己負担になります。