ベビーゲートの設置費用に、名古屋市は補助金を出します。1か所3,000円、最大2か所までという細かさで、住まいの安全対策に上限20万円が用意されています。
名古屋市の子育て支援とは、医療費を18歳まで所得制限なしで無料にする一方、保育や学びの支援には所得と定員の線を引く、対象を絞り込んだ制度群です。収録している名古屋市の14制度から、金額と条件を整理します。
家の安全対策に上限20万円、ただし品目ごとに細かい上限
子どもあんしん住まいる補助金は、1戸あたり工事費等の2分の1、上限20万円です。対象は12歳以下のこどもがいる世帯または妊婦がいる世帯。品目ごとに上限が決まっており、ベビーゲートは1か所3,000円で最大2か所、安全コンロは10,000円、クッション性床材は1平方メートルあたり7,000円といった具合です。窓の補助錠、転落防止柵、バルコニーの手すり、指はさみ防止などが対象で、それ以外の工事や用品は補助されません。補助率は2分の1なので全額は出ません。受付は令和8年4月1日から令和9年2月28日までで、予算の範囲内です。
結婚新生活支援は最大60万円、所得500万円未満が壁
名古屋市結婚新生活支援事業は、夫婦ともに29歳以下なら最大60万円、それ以外の夫婦は最大30万円。婚姻時の年齢が夫婦ともに39歳以下であること、前年の合計所得金額が夫婦合計で500万円未満であることが要件です。共働きだとこの所得要件が現実的な壁になります。結婚新生活支援プログラム動画の視聴も必須。対象経費は住宅取得費(建物のみで土地は対象外)、リフォーム費、住宅賃借費(敷金・礼金・賃料は3か月分が上限)、引越費用に限られ、予算上限に達し次第受付終了です。
子ども医療費は18歳まで所得制限なしで窓口無料
子ども医療費助成は、0歳から18歳に達した日以後最初の3月31日までが対象で、通院・入院の保険診療自己負担額を全額助成します。所得制限はありません。ただし健康保険が適用されない健康診断、予防接種、文書料、差額ベッド代は対象外。他の医療費助成を受けられる方、生活保護受給世帯、児童福祉施設等に入所している方も対象外です。県外の医療機関では医療証が使えず、いったん自己負担して償還払いの申請が必要になります。
産後ケアは3類型あわせて通算7日まで
なごやMommy Care+の利用料は、1日あたり宿泊型3,520円、日帰り型2,360円、訪問型1,560円。無料になるのは生活保護世帯と父母とも住民税非課税の世帯だけです。日数の上限は3類型を合わせて通算7日で、こどもの1歳の誕生日前日までが利用期間。受け入れ可能な月齢は施設やサービス類型ごとに違うため事前確認が必要で、食事代等の実費が別途かかる場合があります。
妊婦健診14回と産婦健診2回、県外受診は償還払い
妊婦健康診査は1回の妊娠につき14回分(多胎はさらに5回分)と妊婦歯科健診1回分が公費負担。産婦健康診査は産後1日目から56日目までに2回です。いずれも受診券に記載の項目と上限額の範囲内で、上限を超える費用や記載のない検査は自己負担になります。受診券が使えるのは愛知県内の契約医療機関・助産所のみ。里帰り出産で県外を受診した場合は、自己負担のうえ償還払いの申請が必要です。
24時間預けられる場所は、市内に2か所しかない
24時間緊急一時保育は、1時間あたり月〜土の7時〜19時が400円、それ以外の時間帯が500円で、低所得世帯は無料。食事は1食300円が別途かかります。利用は月3回まで、1回あたり連続24時間、最長でも連続48時間までです。ただし実施施設は名北保育園(北区)とたんぽぽ保育園(瑞穂区)の2か所のみで、定員は概ね3人。当日の空きは保証されません。
一時保育と病児デイケアは非課税世帯だけが無料
一時保育は1日あたり課税世帯1,200円〜2,000円、低所得世帯600円〜1,000円で、生活保護世帯と市民税非課税世帯は無料。給食費300円は減免対象外です。利用日数は非定型が週3日まで、緊急保育が原則連続14日まで、リフレッシュ保育が月3日まで。定員は1施設1日あたり概ね6人(小規模保育事業所は3人)と少なめです。病児・病後児デイケアは6時間1,000円、8時間1,500円、10時間2,000円で、こちらも無料は生活保護世帯と市民税非課税世帯のみ。医師の利用連絡票が必要で、無料にするには証明書を父母それぞれ出す必要があります。
高校では給付型奨学金と入学支援金がある
名古屋市奨学金は返済不要で、年額が国公立高校60,000円、私立高校72,000円。保護者の市町村民税所得割が非課税であることが要件で、課税世帯は対象外です。支給人数は各学年1,000名(定時制4年生30名)と決まっており、申請者が多ければ選考になります。名古屋市高等学校等入学支援金は中学3年生に70,000円を1回給付。こちらは「市民税課税標準額×6%-調整控除額×3/4」の合計が174,300円未満という所得要件があります。市立高校の入学料・授業料減免は、生活保護世帯や児童扶養手当受給世帯、災害・家計急変などが対象で、授業料は国の就学支援金が優先されます。
就学援助は申請が遅れるほど受け取れる額が減る
就学援助(未来まなび応援金)の認定基準は、生活保護受給、児童扶養手当受給、または世帯所得が基準額未満(2人世帯で約323万円、6人世帯で約542万円)です。重要なのは認定日が申請月の初日からで、遡っての援助は受けられない点。申請が遅れた分だけ受けられる月数が減ります。なお優待カード「ぴよか」は18歳未満のこどもがいる家庭が対象ですが、特典は協賛店が独自に定めるもので店舗ごとに異なります。
名古屋市をどう見るか
効くのは子ども医療費です。18歳年度末まで所得制限なしで窓口無料という設計は、日常の負担を確実に下げます。逆に弱いのは預け先の量です。24時間緊急一時保育は市内2か所で定員概ね3人、一時保育も1施設1日6人程度で、制度はあっても枠が足りません。一時保育・病児デイケア・産後ケアはいずれも非課税世帯でなければ有料で、中間層の負担は残ります。教育支援も非課税や所得基準で線が引かれます。名古屋市は「医療は広く、それ以外は絞る」市です。