宝塚市は、ひとり親が養育費の取決めを公正証書にする費用を上限50,000円まで補助し、裁判所への同行支援まで1回2,000円で用意しています。子どもへの給付ではなく、養育費を確実に受け取る手続きにお金を出す自治体です。
宝塚市の子育て支援とは、現金給付を積み増すのではなく、無料の相談・健診・貸出とひとり親への実務的な支援に資源を寄せた設計です。金額の大きい補助は少なく、代わりに「使える窓口」が多いのが特徴です。収録している宝塚市の12制度から、金額と条件を整理します。
養育費の公正証書に上限50,000円、作成から1年以内が期限
養育費に関する公正証書等作成促進補助事業は、公証人手数料を上限50,000円まで補助します。裁判所の申立手数料、郵便料、書類取得費も対象で、同行支援は1回2,000円です。対象は市内に住み20歳未満の子どもを現に養育しているひとり親で、公正証書や調停調書など養育費の取決めを定めた債務名義を持っていることが要件。
落とし穴は期限です。対象は2022年4月1日以降に作成した公正証書等で、作成から1年以内の申請に限られます。同じ子どもについて他の自治体から同種の補助を受けていないことも条件で、申請前に家庭支援相談員へ相談することが推奨されています。
こども医療費は15歳年度末まで、所得制限は撤廃済み
乳幼児等医療費助成・こども医療費助成は、0歳から15歳到達後最初の3月31日までの子どもについて、保険診療の自己負担分が通院・入院とも全額助成され、2026年1月1日から所得制限も撤廃されました。
ただし県の補助対象を判定するため、所得・課税証明書の提出を求められる場合があります。1歳から15歳までは、保護者が市外から転入した場合や市外で申告している場合に、所得・課税証明書または情報照会の同意書が必要です。
不育症は検査が10分の7、治療が2分の1で割合が違う
不育症治療費等の助成は、抗リン脂質抗体検査や染色体検査などの検査が医療費の10分の7、低用量アスピリン療法・ヘパリン療法が医療費の2分の1と助成割合が分かれています。上限額は市への確認が必要です。
対象は治療期間中に市に住民登録がある法律婚または事実婚の夫婦で、年度初日および治療期間中に妻が43歳未満であること、医師から2回以上の流死産歴のある不育症と診断されていることが要件。他の自治体から同じ治療への助成を受けていないことも条件です。加えて2026年4月1日以降、ネオセルフ抗体検査は対象外になりました。
ひとり親の中学生向け無料塾は定員120人、3年生優先
たからっ子みらい塾は受講料も問題集も無料です。対象は市内に住み、児童扶養手当を受給している世帯、生活保護世帯、生活自立支援の対象世帯の中学2年生・3年生。指導は教師1人につき生徒4人までの個別指導で、3年生は週2回、2年生は週1回、1回120分です。定員は全体で120人で、応募が超えた場合は3年生が優先されるため、2年生は入れない年があり得ます。教室までの交通費も自己負担です。
ファミリーサポートは時間帯で200円変わる
ファミリーサポートセンターの育児援助は、7時から20時が1時間700円、それ以外の時間帯は1時間900円です。登録は無料。対象は0歳から小学6年生の子どもがいて、宝塚市または伊丹市・川西市・三田市・猪名川町に居住または勤務している人です。宿泊を伴う援助はできず、原則として提供会員の自宅での預かりになります。ひとり親世帯には利用料の助成制度があります。
健診と妊婦支援は無料だが、すべて予約制
4か月児・10か月児・1歳6か月児・3歳6か月児の健診はいずれも無料ですが、すべて完全予約制です。会場は健康センターで、受付は13時から14時15分頃、所要時間は約1時間。妊婦相談、家庭訪問、妊婦歯科健診も無料です。家庭訪問は不安のある妊婦が対象で事前申込が必要、妊婦歯科健診は1回あたり定員16人の予約制です。両親学級なども予約が必要で、思い立った日に行ける仕組みではありません。
無料の居場所と貸出サービス
地域子育て支援センター「すくすく」は、0歳から就学前の子どもと保護者を対象に、園庭開放・室内開放・育児相談・絵本の貸出・身体測定をすべて無料で行っています。園庭開放は月・水・金の10時30分から12時、土は11時30分まで、室内開放は火・木で予約不要。ただし講座などは事前申込が必要で、兵庫県南部に気象警報が出た場合は中止です。
団体向けには、おもちゃ10セット・大型絵本5冊までを最長4週間無料で貸す制度と、乳幼児連れが参加できるイベント向けにテントとおむつ替え台を各2セットまで最大7日間無料で貸す「移動式赤ちゃんの駅」があります。いずれも破損・紛失時の弁償と運搬・設営費は利用者負担で、テントは約20kgあり設営に大人2人以上が必要です。
金額が公開されていない制度
宝塚市産後ケア事業は、利用料が利用の型や世帯の課税状況によって異なるため、金額は市への確認が必要です。回数の上限も健康推進課への確認事項です。産前産後の家事・育児ヘルパー派遣は別制度で、この事業には含まれません。
就学援助制度も、学用品費・給食費・修学旅行費などを費目ごとの単価で支給するとされていますが、所得基準額と支給額は市ホームページのPDF掲載で金額は要確認です。申請時期が学年や新規・継続で分かれており、期間内に申請しないと認定開始が遅れます。
宝塚市をどう見るか
宝塚市が効くのは、ひとり親世帯と、支援機関に相談しながら子育てしたい世帯です。養育費の公正証書に5万円、裁判所同行に2,000円、中学生の無料塾、ファミサポ利用料の助成と、ひとり親向けの手当てが積み上がっています。
弱いのは金額です。住宅取得や移住への補助は収録範囲に見当たらず、こども医療費の対象も15歳年度末までで高校生世代は含まれません。産後ケアと就学援助という利用者の多い制度の金額が公開情報だけでは分からない点も、比較しづらさにつながります。宝塚市は「現金で大きく支える」より「無料の窓口を並べる」型だと読むのが正確です。