国の育休手当が切れたあとも、同じ額を払い続けてくれる区があります。区が、です。
江戸川区の子育て支援とは、東京23区共通の制度(子ども医療費無料、ベビーシッター年144時間助成)に、区独自の上乗せを重ねたものです。江戸川区の特徴は、0歳児に毎月現金を配る乳児養育手当を持っている点と、国の制度が終わったあとを区が引き継ぐ設計が複数ある点にあります。収録している江戸川区の16制度から、金額と条件を整理します。
乳児養育手当(ゼロ歳児)=月13,000円
0歳児1人につき月額13,000円。年額最大156,000円で、支給は最大12回です。**所得制限はありません。**
23区で0歳児に毎月現金を配っている区は、当サイト収録分では江戸川区だけです。目黒区の家賃助成(月2万円)や千代田区の中高生世代応援手当(月15,000円)と並ぶ、数少ない毎月型の現金給付になります。
注意点は申請時期です。**申請が遅れると支給回数が減ります。**満1歳の誕生日の前日までに申請しないと、遅れた月数分がそのまま失われます。出生届と一緒に手続きを済ませてください。
生活保護を受けている場合や、乳児院などに乳児を預けている場合は対象外です。
バースデーサポート=1歳で6〜8万円分
1歳の誕生日を迎える子ども1人につき1回、第1子は6万円分、第2子は7万円分、第3子以降は8万円分のギフト(令和5年4月1日以降に出生した子どもの場合)。
子育てアンケートに回答し、期限内に申請書兼アンケートを提出することが条件です。令和7年4月1日以降に出生した子どもの申請期限は2歳になる日の前日までです。
乳児養育手当156,000円とバースデーサポート6万円分を合わせると、0〜1歳で216,000円分。これは当サイト収録分では23区最大です。葛飾区(134,000円分)を上回ります。
長期育休支援=国の給付が切れた後を区が引き継ぐ
育休者には、国の育児休業給付金(育休開始後6か月以降の金額、給料の50%相当)と**同額**を区が支給します。
国の育児休業給付金は、育休開始から6か月までは給料の67%、それ以降は50%に下がり、原則として子が1歳になるまでです。江戸川区の制度は、この給付が終わった時点から同じ50%相当を区が払い続けるものです。
「給付が切れるから復職せざるを得ない」という状況をなくすための制度で、23区でも例がありません。
条件は、国の育児休業制度と連続して区の育休支援制度を開始していること、育休期間中に認可保育施設や幼稚園等を定期利用していないことです。
事業所側にも補助があり、求人広告費の2分の1(上限50万円)と、代替従業員と育休者の賃金差額の2分の1(月額上限125,000円)が出ます。人を1人抜くことの負担を、区が会社側にも補填する設計です。
ベビーシッターは最初の50時間が全額補助
令和8年度のベビーシッター利用支援事業は、**最初の50時間は保育サービス費を全額補助**。51時間目以降は日中(午前7時〜午後10時)1時間2,500円まで、夜間(午後10時〜翌朝7時)1時間3,500円までの補助です。年間上限は児童1人144時間(多胎児・障害児・ひとり親家庭は288時間)。
他区は最初から「1時間2,500円まで」という上限方式なので、上限を超えた分は自己負担になります。江戸川区は最初の50時間だけ上限がありません。単価の高いシッターを使う場合、この50時間の価値は大きくなります。
対象は2020年4月2日以降に生まれた未就学児(0歳〜満6歳年度末)で、**保育施設に通園しているかどうかは問いません**。中野区が「認可保育施設等に在籍している児童は対象外」としているのと比べると、入口が広い設計です。
おむつ定期便は0歳児に毎月無料
0歳児1人につき、毎月無料でおむつなどのベビー用品を自宅に配達(自己負担なし)。
対象は令和5年4月1日以降に生まれた0歳児で、満1歳に達する前日までが利用期間です。**見守り配達員の自宅訪問を受けることが前提**になります。里帰り中は対象外です。
家事・育児支援は1時間500円、0歳は14時間無料
えどがわママパパ応援隊の利用料は1時間あたり500円。0歳児(妊娠期を含む)を養育する家庭は1人につき14時間まで無料です。
利用上限は対象児1人あたり年間96時間(0歳児の双子は240時間)で、1日あたり2時間以上の利用が条件。支援内容は食事の支度・片付け、部屋の掃除、育児の補助、健診や買い物等の外出同行などで、**子どもの預かりやベビーシッターは対象外**です。家事の代行であって、預かりではありません。
おうち食堂は無料で年48回
食事支援ボランティア派遣事業「おうち食堂」は利用無料。食材費として子ども1人につき600円(2人目以降は+300円)の範囲内で区が補助します。
ボランティアが家庭を訪問して食事を作る仕組みで、利用回数は年度内48回が上限です。ただし利用の可否は家庭訪問による面談で判断されるため、申し込めば必ず使えるわけではありません。
産後ケア(宿泊型)は1泊2日7,000円
自己負担は1泊2日7,000円、1日増えるごとに3,500円加算。多胎児の2人目以降は無料です。
利用は1回の出産につき最大5日間までで、分割利用も可能。住民税非課税世帯・生活保護世帯は自己負担が全額免除されます。**事前に承認番号の交付を受けないと利用できません。**
多胎児家庭は3年で72,000円分
0歳・1歳・2歳の各年齢につき1回、タクシーにも使えるこども商品券24,000円分。
**保健師による訪問または面接を受けることが交付の条件**で、次の誕生日を迎える前までに面接・訪問を完了しないと、その年齢分は対象外になります。年齢ごとに締切があると考えてください。
私立幼稚園の入園料は10万円
入園料は年度内1回限り上限100,000円。保育料は従来制度園・幼稚園類似施設で月額33,000円まで無償化(年額最大396,000円)、新制度園は特定負担額のうち月額7,300円までです。
従来制度園で月額33,000円を超える保育料は自己負担になります。
給食費は無償
区立小・中学校の給食費は全額無償です。私立学校や区外の学校に通う場合はこの制度の対象外ですが、私立学校等就学者向けには別途給食費補助の制度があります。
江戸川区をどう見るか
江戸川区は、0〜1歳で受け取れる金額が23区最大の区です。乳児養育手当156,000円とバースデーサポート6〜8万円分で216,000円分。しかも乳児養育手当に所得制限はありません。
さらに特徴的なのが、国の制度の切れ目を区が埋める設計です。育休給付が終わったあとの長期育休支援、上限のないベビーシッター最初の50時間、0歳児の14時間無料。いずれも「制度が切れた瞬間に家計が苦しくなる」場面を狙って置かれています。
一方で、受け取りには手続きの期限が細かく設定されています。乳児養育手当は1歳の誕生日前日まで、多胎児応援券は各誕生日まで、産後ケアは事前の承認番号、おむつ定期便は見守り訪問。案内が届いたらその場で処理する習慣が、この区では金額に直結します。