保育園に通っていない子どもを、月160時間まで預けて月3,500円という区があります。
大田区の子育て支援とは、東京23区共通の制度(子ども医療費無料、ベビーシッター年144時間助成)に、区独自の上乗せを重ねたものです。大田区の特徴は、こども誰でも通園制度を国の基準から大幅に拡張している点にあります。収録している大田区の13制度から、金額と条件を整理します。
こども誰でも通園制度「おててひろば」
国の制度では、保育所等に通っていない0〜2歳児を月10時間まで預けられます。大田区はここを拡張していて、同一施設で継続利用する場合は月150時間まで追加でき、合計で月160時間まで利用できます。
料金は、国制度分の月10時間までが無料。追加分は月額3,500円の定額です。つまり月160時間フルに使っても、自己負担は月3,500円で済みます。
対象は区内在住で、保育所・認定こども園などに在籍していない生後6か月から3歳未満のこども。
認可保育所に入れなかった、あるいは短時間だけ預けたいという世帯にとっては、実質的に保育所の代替になる水準です。時間単価に直すと1時間あたり約22円になります。
産前産後の家事・育児援助は2本立て
にこにこサポート(産前産後家事・育児援助事業)は、対象期間を通じて30時間まで(1回2時間以上)、自己負担1時間1,000円。対象は母子健康手帳の交付を受けた妊娠中の方から産後1年未満の方です。
ぴよぴよサポート(産後家事・育児援助事業)は、こども1人につき年間30時間まで(1回2時間以上)、自己負担1時間500円。対象は2歳(3歳の誕生日前日)までのこどもを養育している世帯です。
産後1年までは1時間1,000円のにこにこサポート、2歳までは1時間500円のぴよぴよサポートと、時期で使い分ける設計になっています。ぴよぴよサポートは毎年30時間が使えるので、0歳・1歳・2歳で合計90時間になります。
多子世帯・ひとり親世帯の保育料軽減
認可保育園等では、第2子は保育料の40%に軽減、第3子以降は無料。ひとり親世帯等で市区町村民税所得割額77,101円未満の場合は、第1子が40%・第2子以降が無料になります。
練馬区のように第1子から無料にしている区もありますが、大田区は多子世帯とひとり親世帯に絞って軽減しています。
認可外・認証の補助は23区標準
認証・認可外保育施設は0〜2歳児クラスで月額80,000円(年額960,000円)、3〜5歳児クラスで月額77,000円が上限。特定子ども・子育て支援施設(一時預かり・病児保育等)は0〜2歳児が月額42,000円、3〜5歳児が月額37,000円です。
産後ケアは型ごとに回数が違う
訪問型・外来型は産後1年未満で3回まで、日帰り型は1回、宿泊型は計6日間、グループケア型は3回まで。自己負担額は型ごとに設定されているので、利用前に区へ確認してください。対象は利用日現在、区に住民登録している産後の母子です。
私立幼稚園の入園料補助が23区最大
幼児教育無償化に伴う大田区保護者補助金は、入園料補助が児童1人1回につき上限130,000円。保育料補助は私学助成園で月額上限40,000円(年額480,000円)、新制度移行園で月額上限14,300円です。
入園料補助の13万円は、世田谷区の12万円、品川区・足立区・葛飾区の10万円を上回り、当サイト収録分では23区最大です。
預かり保育料の補助は利用日数×450円(実際の支払額がこれより少ない場合は支払額まで)。対象は子育てのための施設等利用給付認定(第2号または第3号)を受けた園児の保護者です。
給食費は無償、物価高騰分も上乗せ
区立小中学校の給食費は、令和8年4月分から令和9年3月分まで全額無償。物価高騰支援分として小学校1食76円・中学校1食97円が含まれています。
就学援助の金額が明示されている
新入学学用品費は小学1年生57,060円・中学1年生63,000円(各1回)、学用品費は小学生月1,080〜1,430円・中学生月1,900〜2,610円、中学校の修学旅行費は上限68,000円、卒業アルバム代は上限9,500円。対象は生活保護受給世帯(要保護)および所得基準を満たす世帯(準要保護)です。
費目ごとの金額をここまで公開している区は多くないので、該当しそうな世帯は基準額を確認しておく価値があります。
大学の奨学金は無利子貸付
大田区奨学金貸付制度は、国公立が月額35,000円(年額420,000円)、私立が月額44,000円(年額528,000円)を上限に無利子で貸付。給付ではなく貸付である点に注意してください。
北区(5年で最大100万円給付)や足立区(最長10年で最大100万円給付)とは性質が違います。
大田区をどう見るか
大田区には出産祝金・バースデーサポート・乳児手当といった区独自の現金給付がありません。0〜2歳で現金として受け取れる額で比べると23区の下位です。
効いてくるのは「おててひろば」です。保育所に入らない前提で月160時間を月3,500円で預けられるのは、23区でも例がありません。認可に落ちた場合の受け皿としても、そもそも認可に申し込まない働き方をしている世帯にとっても、選択肢が1つ増えます。
私立幼稚園に入れる予定があるなら、入園料補助13万円も効きます。