中学校に入学するだけで10万円が出る区があります。所得制限のある就学援助ではなく、全員が対象の祝金です。
新宿区の支援制度とは、東京23区共通の制度(子ども医療費無料)に、区独自の上乗せを重ねたものです。新宿区の特徴は、0〜2歳の金券配布がない代わりに、入学時の祝金と家賃助成にまとまった金額を置いている点にあります。収録している新宿区の10制度から、金額と条件を整理します。
入学祝金=小1で5万円、中1で10万円
新小学1年生1人につき50,000円、新中学1年生1人につき100,000円。
対象は入学する年の1月1日時点で新宿区に住民登録がある新小学1年生・新中学1年生、または同年1月2日から4月30日までに新宿区へ転入した新1年生です。
転入枠が4月30日まで認められている点が重要です。1月1日に区民でなくても、4月30日までに転入すれば対象になります。
23区の入学時の支援は、所得基準のある就学援助(新入学学用品費)が中心です。所得を問わない祝金として現金を出しているのは珍しく、小1と中1を合わせると1人15万円になります。
民間賃貸住宅家賃助成=月30,000円を最長5年
1世帯につき月額30,000円(年額360,000円)を最長5年間。家賃が助成額を下回る場合は実際の家賃額が上限です。5年フルで受けると1,800,000円になります。
対象は区内の民間賃貸住宅に居住し、基準日時点で義務教育修了前の子どもを養育している世帯。
目黒区のファミリー世帯家賃助成が月20,000円・最長3年(合計72万円)なので、新宿区のほうが月額も期間も上です。千代田区の月88,000円には及びませんが、対象が「義務教育修了前の子どもを養育している世帯」と広く取られています。
なお募集は年1回のみで、応募が定員を超えると公開抽選になります(令和7年度は50世帯の募集に111世帯が応募、倍率2.2倍)。家賃は月22万円以下、世帯の合計年間所得520万円以下という条件もあります。
次世代育成転居助成=家賃差額を月35,000円
1世帯につき家賃差額を月額最高35,000円(年額最高420,000円)、最長2年間。ほかに引越し費用を実費で最大100,000円(業者に依頼した場合のみ、一括支給)。
対象は義務教育修了前の児童を扶養して同居する世帯です(予定登録時に胎児の場合も対象となり得る)。
「家賃差額」を助成する仕組みなので、子どもの成長で手狭になり、より広い部屋へ住み替える場面を想定した設計です。募集は随時ですが15世帯の定員に達すると終了します。
多世代近居同居助成=最大20万円
引越し代・不動産登記費用・礼金・権利金・仲介手数料の合計額を、複数世帯は最大200,000円、単身世帯は最大100,000円まで助成。
対象は、いずれかの世帯に60歳以上(うち1人が65歳以上)の高齢者、障害者、または小学生以下の子どもがいて、近居・同居のため転居する世帯です。募集は9世帯で、定員に達すると終了します。
私立に通っても給食費相当が出る
学校給食費等助成(私立学校就学者等支援給付金)は、小学生が1回23,000円・年間69,000円、中学生が1回29,000円・年間87,000円(年3回に分けて支給)。
対象は新宿区の学齢簿に登録がある小学校1年生から中学校3年生までのうち、私立学校等に就学している児童・生徒です。区立学校に通う場合は給食費が全額無償のため対象外になります。
中学生の年87,000円は、杉並区の82,500円を上回り、当サイト収録分では23区最高です。中学受験をする世帯が多い地域ほど効く制度で、中学3年間だけで261,000円になります。
就学援助の新入学学用品費は91,600円
対象児童・生徒1人につき新入学学用品費91,600円のほか、学用品費・クラブ活動費・校外教授費・修学旅行費・卒業アルバム費・医療費・通学費(特別支援学級のみ)を援助します。入学前支給です。
中央区の中学校113,000円に次ぐ水準です。所得基準(2人世帯で約297万円、4人世帯で約441万円が目安)があるので、全世帯が対象ではありません。前述の入学祝金(所得を問わない)とは別制度なので、該当する世帯は両方を確認してください。
産前産後支援は産後ドゥーラ1時間1,500円
利用料は1時間あたり産後ドゥーラ1,500円、ヘルパー1,000円。第1子のみの家庭は産前から1歳未満まで合計40時間、多胎児家庭は75時間が上限です。
対象は住民登録がある妊婦、1歳未満の子どもの養育者、3歳未満と4歳未満の兄姉がいる多子家庭、3歳未満の双子以上の養育者。
利用時間の40時間は23区の中では短めです(台東区288時間、港区304時間、豊島区70時間)。多胎児家庭の75時間も、文京区240時間・杉並区240時間と比べると差があります。
ひとり親家庭家事援助者雇用費助成
1世帯につき月48時間まで(1日2時間以上8時間以内、1時間単位)、自己負担は所得に応じて1時間0円〜1,290円。対象は区内に住むひとり親家庭で、義務教育修了前の子どもを養育している方です。
月48時間という枠は大きく、しかも義務教育修了前まで使えます。豊島区のひとり親家庭ホームヘルプ(年70時間)と比べると、月単位で使える分だけ総量が多くなります。
産後ケア事業
訪問型(アウトリーチ)は1回1,000円、宿泊型(ショートステイ)・日帰り型(デイ)の負担額は実施施設ごとに異なります。対象は母子ともに住民登録があり、産後ケアが必要と認められる産婦とその子どもです。
新宿区をどう見るか
新宿区には出産祝金・バースデーサポート・子育て応援券といった0〜2歳向けの金券がありません。0〜2歳だけを切り取ると、受取額は23区で最も少ない部類になります。産前産後の支援時間も40時間と短めです。
効いてくるのは、小学校・中学校に上がってからです。入学祝金が小1で5万円・中1で10万円、私立に通えば給食費相当が中学生で年87,000円、そして義務教育修了前の子どもがいる限り家賃助成が月30,000円(最長5年で180万円)。
0〜2歳の金額表で比べると評価を見誤る区です。就学後まで含めて計算してください。