家事・育児ヘルパーが1時間300円、しかも3歳になるまで合計288時間使える区があります。
台東区の子育て支援とは、東京23区共通の制度(子ども医療費無料、ベビーシッター年144時間助成)に、区独自の上乗せを重ねたものです。台東区の特徴は、ヘルパーの単価が23区最安水準でありながら利用時間の総枠が大きい点と、産後ケアを「区の負担額」で明示している点にあります。収録している台東区の12制度から、金額と条件を整理します。
産前産後支援ヘルパー「あったかハンド」=1時間300円
利用料は1人1時間あたり300円。利用上限は母子健康手帳取得時〜1歳未満で96時間、1〜2歳未満で96時間、2〜3歳未満で96時間(1日最大4時間)。3年で合計288時間です。
23区の家事・育児支援ヘルパーは1時間800円〜1,000円が相場で、総枠も30〜80時間という区が多いのが実情です。台東区の「300円×288時間」は、単価と時間の両方で突出しています。
仮に288時間すべて使った場合の自己負担は86,400円。相場の1時間1,000円で同じ時間を使うと288,000円なので、20万円分の差になります。
対象は区内在住で、妊婦または生後3年未満の乳幼児がいて、介助者がいないため育児・家事が困難な方です。
出産費用助成は5万円、1年要件なし
出産1件につき50,000円。対象は出産日時点で区に住民登録がある出産した方で、妊娠12週以降の流産・死産も含まれます。
千代田区・港区(上限31万円)や足立区(上限10万円)は1年以上の居住が条件ですが、台東区の5万円に居住年数の要件はありません。出産を機に転入してきた世帯でも、出産日に区民であれば対象です。金額は小さくても、確実に受け取れる設計です。
産後ケアは「区の負担額」が明示されている
宿泊型は区の負担額が1日あたり27,000円、日帰り型が1日あたり17,000円。自己負担は施設の利用料からこの額を差し引いた額になります。全種類合計で1回の出産につき7日までです。
外来型・訪問型の乳房ケアは、区の負担額が外来型で初回4,400円・2回目以降3,300円、訪問型で初回5,300円・2回目以降4,200円。外来型と訪問型の合計で1回の出産につき6回までです。
多くの区は「自己負担いくら」と書きますが、台東区は「区がいくら出すか」を示しています。施設の料金によって自己負担が変わる仕組みなので、利用前に施設の価格を確認しておくと計算できます。
対象は住民登録があり、申請から利用終了まで区内に居住している産後1年未満の母子です。
不妊治療の先進医療助成
1回の治療につき、先進医療の自己負担額から東京都助成額150,000円を差し引いた額の7割、または50,000円のいずれか低い額。
対象は法律婚または事実婚関係にあり、治療開始時に妻が43歳未満で、夫婦いずれかが区に住民登録のある方です。都の助成を先に受ける前提の設計なので、都の申請を忘れると区の助成も計算できません。
認証保育所の助成には「月120時間以上」の条件
0〜2歳児(課税世帯)は月額上限80,000円(年額960,000円)、3〜5歳児は施設等利用給付37,000円+区助成40,000円で月額77,000円(年額924,000円)。
注意すべきは対象条件です。「認証保育所等と月120時間以上の契約をして利用している世帯」とあり、短時間契約だと対象外になります。週3日・1日5時間のような使い方だと月60時間程度なので届きません。契約時間を先に確認してください。
病児・病後児保育は年4万円
居宅訪問型病児・病後児保育利用料助成は、児童1人につき対象保育利用料の2分の1を助成、年間上限40,000円。対象は生後6か月から小学校6年生までの児童を養育している保護者です。
小学6年生まで対象という点は、未就学児までとする区が多い中では広い設計です。
私立幼稚園の補助は控えめ
区の保護者補助金は月額1,200円〜9,900円(年額14,400円〜118,800円)。ほかに東京都の保育料軽減補助が月額1,800円〜6,200円、預かり保育補助が1日450円・月額上限16,300円です。
品川区(月額上限40,000円)や文京区(月額35,000〜39,400円)と比べると、台東区の私立幼稚園補助は小さめです。私立幼稚園に入れる前提なら、この差は年30万円以上になります。
給食費は無償、高校進学時に最大8万円
区立小中学校の給食費は保護者負担0円です。
高等学校等進学者への入学費用助成は、生徒1人につき、保護者全員が住民税非課税の場合80,000円、児童扶養手当受給者で保護者に課税者がいる場合40,000円(いずれも1回限り)。対象は令和7年度に中学校を卒業し令和8年度に高等学校等へ進学する生徒で、生徒と保護者がともに区内に居住している世帯です。
台東区をどう見るか
台東区の区独自の現金給付は、出産費用助成の5万円です。江戸川区や葛飾区のような金券の積み上げはありません。
効いてくるのは「あったかハンド」です。1時間300円で288時間という条件は、23区の中でも荒川区のツインズサポート(多胎児向け1時間300円)と並ぶ最安水準で、しかも台東区は単胎世帯でも使えます。人手が足りない時期を安く乗り切りたい世帯には、金券の多い区より実質的な価値が大きくなります。
逆に、私立幼稚園に入れる予定や、認証保育所を短時間契約で使う予定がある場合は、条件を先に確認しておいてください。