三つ子を産むと、出産費用の助成が合計81万円になる区があります。ただし1年以上住んでいないと1円も出ません。
港区の子育て支援とは、東京23区共通の制度(子ども医療費無料、ベビーシッター年144時間助成)に、区独自の上乗せを重ねたものです。港区の特徴は、出産費用の助成額が23区最高水準である一方、その制度に厳しい居住要件が付いている点にあります。収録している港区の11制度から、金額と条件を整理します。
出産費用の助成=出産児1人につき上限31万円
出産児1人につき上限31万円(助成金算出上限額81万円)。双子は1人あたり29万円(算出上限129万円)、三つ子は1人あたり27万円(算出上限177万円)です。
つまり双子なら29万円×2で58万円、三つ子なら27万円×3で81万円。23区でこの水準を出しているのは港区と千代田区(1度の出産につき最大31万円)だけです。
ただし対象は「出産日以前から港区に継続して1年以上居住している出産した子どもの父または母」。出産を機に転入してきた世帯は対象外になります。
もう1点、これは「出産費用の助成」なので、実際にかかった費用が助成の前提になります。出産育児一時金を上回る自己負担分が対象なので、31万円を満額受け取るには、それだけの費用が発生している必要があります。定額で配る台東区・世田谷区・葛飾区の5万円とは性質が違います。
バースデーサポートは2歳の誕生日
2歳の誕生日を迎える子ども1人につき、第1子6万円相当・第2子7万円相当・第3子以降8万円相当の電子クーポン。対象は令和8年4月1日以降に2歳の誕生日を迎える港区在住の子どもとその保護者です。
23区のバースデーサポートは、目黒区が1歳の誕生日、江戸川区が1歳の誕生月1日、荒川区が1歳6か月児健診の受診。港区だけが2歳です。
つまり2歳の誕生日より前に港区を出ると受け取れません。逆に、1歳で他区のサポートを受けてから港区に転入し、2歳の誕生日を港区で迎えれば両方受け取れる可能性があります。転居の時期を数か月ずらすだけで6万円以上変わる部分です。
訪問型病児・病後児保育は年10万円
対象経費の50%・年間上限10万円。生活保護世帯・住民税非課税世帯は100%・年間上限10万円、その他世帯は50%・年間上限5万円です。
対象は生後57日目から小学校6年生までの児童の保護者。目黒区(年4万円)や台東区(年4万円)と比べると上限が高く、対象年齢も小学6年生までと広く取られています。
一時保育・一時預かりが年144時間無償
一時保育事業・一時預かり事業の保育料と利用料が、未就学児1人あたり年間144時間まで無償になります(令和8年度は9月開始のため84時間)。対象は港区在住の未就学児とその保護者です。
23区の一時保育は1時間500〜650円が相場なので、144時間を時給600円換算すると86,400円相当。理由を問わず使える一時保育が無償というのは、大田区の「おててひろば」と並ぶ強い制度です。
産前産後家事・育児支援サービス
単胎家庭の家事支援は利用者負担が2時間1,500円・3時間2,250円・4時間3,000円(1時間あたり750円の計算)。利用可能時間は妊娠中〜1歳の前日まで128時間、1〜2歳128時間、2〜3歳48時間です。合計304時間。
対象は区内在住で妊娠中または出産後の方がいる家庭で、母子健康手帳交付後に流産・死産された方も利用できます。
利用時間の合計304時間は、台東区の288時間を上回り当サイト収録分では23区最長クラスです。単価も1時間750円相当と安い部類に入ります。
産後母子ケア宿泊型ショートステイ
利用者負担は課税世帯で1泊2日あたり1,000円〜10,000円(施設により異なる)。1泊2日から6泊7日まで利用でき、分割利用も可能です。
施設によって負担額の幅が大きいので、予約の前に施設ごとの料金を確認してください。
ベビーシッターは12歳まで
ベビーシッター利用支援(一時預かり利用支援)事業は、児童1人につき1時間あたり上限2,500円(22時〜翌7時は3,500円)、マッチング型は1時間あたり1,000円(夜間1,500円)。年間144時間まで(障害児・多胎児・ひとり親家庭の児童は288時間まで)です。
対象が「満12歳になる年度の末日までの児童の保護者」と、23区の中でも広く取られています。多くの区は未就学児か小学校低学年までです。
住宅取得に10万円
子育て世帯等住宅取得支援事業補助金は、1世帯につき一律10万円。対象は高校生年代以下の子どもがいる子育て世帯、または夫婦のいずれかが40歳未満の若年夫婦世帯です。
世田谷区の定住応援事業(最大70万円相当)と比べると小さい額ですが、住宅価格の水準を考えると象徴的な位置づけの制度です。
私立幼稚園と給食費
私立幼稚園(私学助成園)に通う園児の保護者への補助金は、入園年度に1回限り、入園料補助として園児1人につき上限40,000円を上乗せ。ほかに預かり保育料補助金と給食費副食費補助金があります。
区立小・中学校の給食費は全額無償(不徴収)です。
港区をどう見るか
港区は金額が大きい区です。出産費用の助成が最大31万円(三つ子なら81万円)、2歳のバースデーサポートが6〜8万円分、一時保育が年144時間無償、家事育児支援が合計304時間。
ただし最大の制度である出産費用の助成には「1年以上の継続居住」という条件があり、しかも実費に応じた助成です。転入と同時に出産する予定なら、この31万円は計算に入れないでください。その場合、確実に受け取れるのは2歳のバースデーサポートと各種サービスになります。