私立や国立の中学に通っていても、区が給食費相当を年間7万円近く出してくれる区があります。
文京区の支援制度とは、東京23区共通の制度(子ども医療費無料、ベビーシッター年144時間助成)に、区独自の上乗せを重ねたものです。文京区の特徴は、多胎児世帯への支援時間が23区最長である点と、給食費無償化を区立以外の学校にも広げている点にあります。収録している文京区の12制度から、金額と条件を整理します。
区立以外に通っても給食費が出る
多くの区の給食費無償化は「区立の小・中学校に在籍する児童・生徒」が対象です。私立や国立に通う子どもは対象外になります。
文京区には学校給食費支援給付金があり、区立以外の小学校・中学校・義務教育学校等に在籍する児童・生徒の保護者にも給付されます。月額単価は令和7年度で小学校低学年4,600円・中学年4,900円・高学年5,500円・中学校5,800円。年2回・各最大6か月分が支給され、中学生なら年額最大69,600円です。
もちろん区立小・中学校の給食費は無償で、保護者負担は0円です。文京区は中学受験率の高い地域なので、この設計は実態に合っています。
多胎児世帯の支援時間が23区最長
ふたごちゃん・みつごちゃん家事・育児サポート利用料助成制度は、1世帯につき1時間あたり上限2,700円を助成。利用可能時間は妊娠期〜1歳未満240時間、1歳〜2歳未満180時間、2歳〜3歳未満120時間です。
0歳のうちだけで240時間×2,700円=最大648,000円相当。3年分を合計すると540時間になります。対象は区内在住で3歳未満の多胎児を養育している世帯、または多胎児を妊娠中の方。
23区の多胎児支援は、荒川区がヘルパー1時間300円、杉並区が1時間500円で0歳240時間、豊島区が1時間900円で160時間。単価と時間を掛け合わせると、文京区・杉並区・荒川区の3区が実質的な支援額で抜けています。
単胎世帯は「おうち家事・育児サポート」
妊婦・0歳児用/1歳児用/2歳児用の各区分につき、1時間分の電子クーポンが96枚。自己負担は1時間あたり1,000円で、各区分2時間分は無料です。対象は区内に住所がある妊婦または満3歳未満の乳幼児がいる世帯で、多胎児を妊娠中・養育中の世帯は除きます(そちらは前述の多胎児向け制度が使えます)。
3区分で合計288時間分のクーポンが出る計算になるので、総枠としてはかなり大きい制度です。
非課税世帯は病児保育と一時保育が全額無料
子育て支援事業利用料等助成制度では、病児・病後児保育と一時保育・キッズルームの利用料が全額(上限なし)助成されます。ファミリー・サポート・センターとおうち家事・育児サポートは利用料の半額、ベビーシッター利用料は児童1人につき年度4万円までです。
対象は住民税非課税世帯または生活保護受給世帯(一時保育事業のみ、区市町村民税所得割額の合算が77,101円未満=年収約360万円未満の世帯も対象)。
病児保育を「上限なしで全額」としている区は23区でも珍しく、品川区(1日2,000円)や中野区(課税世帯1日2,000円)と比べても踏み込んでいます。
不妊治療は先進医療5万円・自由診療10万円
1回の治療につき、先進医療は上限50,000円(東京都の助成額を差し引いた額)、自由診療は上限100,000円。
対象は治療開始から申請時まで法律婚または事実婚関係にあり、治療開始時に妻が43歳未満で、申請時に夫婦いずれかが区に住民登録のある方です。品川区の一般不妊治療助成が「妻40〜43歳」に絞っているのに対し、文京区は43歳未満と広く取っています。
産後ケアは2本立て
助産師出張相談(訪問型産後ケア事業)は1人につき最大3回、1回あたり3,000円(負担軽減適用時は1回2,500円軽減され自己負担が下がる)。対象は産後1年未満の方のうち、育児や産後の体調に不安がある方、家族等から支援を受けられない方です。
産後ケア事業(宿泊型ショートステイ・デイサービス型サロン)の自己負担は施設により1日あたりおおむね3,000円〜7,000円。宿泊型は1〜7泊、デイサービス型サロン(個別)は3日までです。
認証保育所は月8万円
東京都認証保育所の保育料助成は、児童1人につき0〜2歳児が月額上限80,000円(年額960,000円)、3〜5歳児が月額上限77,000円(施設等利用給付37,000円+負担軽減40,000円、年額924,000円)。23区の標準水準です。
私立幼稚園の保育料補助が23区最大級
新制度移行園を除く私立幼稚園の保護者補助金は、入園料補助が園児1人につき1回限り上限70,000円、保育料補助が月額35,000円〜39,400円(年額420,000円〜472,800円)。預かり保育は保育の必要性の認定を受けた場合、令和8年10月からは月額12,300円〜17,700円です。
年額47万円台の保育料補助は、品川区(年480,000円)や荒川区(年456,800円)と並ぶ高水準です。
文京区をどう見るか
文京区には出産祝金・バースデーサポート・乳児手当といった区独自の現金給付がありません。区独自の金券もなく、0〜2歳で現金として受け取れる額で比べると23区の下位です。
効いてくるのは3か所です。多胎児世帯の240時間(0歳だけで最大64万円相当)、非課税世帯の病児保育・一時保育の全額助成、そして私立・国立に通っても出る給食費支援。いずれも「その立場に当てはまる人には非常に大きい」タイプの制度です。
自分がどれかに当てはまるかどうかで、文京区の評価は大きく変わります。