中古住宅の断熱をやり直すだけで、子育て世代には最大150万円が出ます。
横浜市の子育て支援とは、医療費と給食費という毎月出ていくお金を上限なしで消す一方、預かりや産後ケアには回数・時間の上限をきっちり設ける、めりはりの強い設計です。しかも事前面談や事前登録なしには使えない制度が並びます。収録している横浜市の15制度から、金額と条件を整理します。
断熱改修は子育て世代150万円、着工後の申請は無効
令和8年度の既存住宅断熱改修補助は、子育て世代の住替えが1件あたり上限150万円、長期居住型が上限120万円です。子育て世代枠は平成20年4月2日以降生まれの子がいる世帯、または令和8年4月1日時点で夫婦ともに49歳以下の世帯が対象。落とし穴は、予算の範囲内の先着受付で期間内でも終了すること、工事着手前の申請が必須で着工後は認められないこと、長期居住型は住宅の持分を世帯で50%以上所有していることの三つ。買取再販型は令和9年2月28日までに転居と所有権移転登記が要ります。
医療費は18歳まで自己負担ゼロ、拡大は令和8年6月から
小児医療費助成は0歳から18歳到達後最初の3月31日まで、保険診療の自己負担分を上限なしで全額助成します。ただし18歳までへの拡大は令和8年6月診療分から。健診・予防接種・入院時の食事療養費は対象外です。ひとり親家庭等医療費助成も全額助成ですが、所得制限があり、扶養親族0人の親・養育者は年間所得208万円が上限(扶養親族1人につき38万円加算)です。
小学校給食費は令和8年4月提供分から無償、3月分は有料
市立小学校・義務教育学校前期課程・特別支援学校小学部の給食費が年間0円になります。対象は令和8年4月1日以降に提供される給食で、3月31日以前の分は従来どおり有料、未納分の納付は必要です。中学校は含まれていません。就学援助世帯は援助費目から給食費が外れます。就学援助の所得限度額は世帯人数で異なり、控除があるため公表額を超えていても認定される場合があります。
妊婦健診は上限5万円、産後の申請は受け付けない
妊婦健康診査費用助成金は1妊娠につき上限5万円、受診回数の制限はありません。注意点は申請時期で、妊娠中に限られ、出産後は申請できません。対象は令和6年4月1日以降の受診分、生活保護受給者は対象外です。産婦健康診査は産後2週間・1か月頃の各1回、1回上限5,000円の計2回まで。市の契約医療機関で受診券を提示した場合のみ適用され、償還払いがないため契約外だと全額自己負担になります。
産後母子ケアは全種類あわせて3回まで
負担は訪問型1回(90分)1,500円、母子デイケア1日(8時間・昼食付)2,400円、母子ショートステイ2日1泊6,000円(延長1日3,000円)。回数は種類ごとではなく、産後の期間を通じて全種類あわせて3回までです。月齢上限も異なり、訪問型は産後1年以内、デイケアは6か月以内、ショートステイは4か月以内。ショートステイは区のこども家庭支援課への事前相談が必要。令和8年10月1日から予約が専用オンラインシステムに変わり、以前の利用者も再登録が要ります。
産前産後ヘルパーは1回1,500円、手伝える人がいると対象外
負担は1回(2時間まで)1,500円。住民税非課税・生活保護世帯は無料、市民税所得割額が一定額以下(世帯年収360万円未満相当)の世帯は1回500円です。回数は1妊娠・産後につき20回、多胎は40回で、令和8年4月1日から第1子の妊娠期も対象に加わりました。日中に家事育児を手伝える人が家庭内にいると確認されると対象外です。育児支援は保護者が在宅している場合に限られ、子どもだけを預かることはできません。
一時保育は0〜2歳児1時間300円、全施設合計で月120時間
0〜2歳児は1時間300円(1日上限2,400円)、3歳以上児は1時間160円(1日上限1,300円)、給食費は別途1日500円。上限は施設ごとではなく全施設合計で月120時間です。利用前に施設での対面オリエンテーションが必要で、生活保護・住民税非課税・ひとり親・多胎児世帯の減免は、利用前に証明書類を出さないと適用されません。別枠の「はじめてのおあずかり券」は0歳から2歳の子ども1人につき24時間分が無料で、30分単位で使え、きょうだいも有効期間内なら利用できます。受け取りにはWEB予約システムへの登録と施設での事前面談が必要で、期限は対象児が2歳になる月の末日までです。
病児保育は1日2,000円、医師連絡票の作成費は自腹
生後6か月から小学6年生まで1日2,000円。生活保護・住民税非課税・福祉医療証をもつひとり親世帯は無料ですが、食事代・日用品代は別途です。医師連絡票等の提出が必要で、その作成費用は自己負担になる場合があります。開所は月〜金曜8時30分〜18時、土日祝・年末年始は使えません。横浜子育てサポートシステムは1時間あたり平日7時〜19時が500円、土日祝・時間外が600円ですが、病気の子どもは預かりません。会員登録と提供会員とのマッチングが前提で、希望どおり預けられるとは限りません。
幼児教育類似施設は月2万円、無償化との併用は不可
市が確認した多様な集団活動事業を利用する満3歳から就学前の子どもに、月額上限2万円(年額最大24万円)。実際の利用料と補助上限額の低い方が支給され、国の施設等利用給付との併用はできません。高校生向けの給付型奨学金は年額6万円を卒業まで返還不要ですが、学業成績5段階3.50以上という条件と選考があり、新規採用は約920人で、令和8年度の募集は終了しています。
横浜市をどう見るか
効くのは定常費の圧縮です。医療費は18歳まで上限なし、小学校給食費は年間0円。断熱改修の150万円も条件が合えば最大級の額です。
弱いのはスポット支援の薄さと手続きの重さです。産後母子ケアは全種類あわせて3回、一時保育は全施設合計で月120時間と、頼れる総量は多くありません。一時保育もおあずかり券も子育てサポートシステムも病児保育も、事前面談か事前登録なしには当日使えません。妊婦健診5万円は産後申請不可、産婦健診は契約外だと全額自己負担、断熱改修は着工後申請不可と、順序を外すと権利が消えます。生まれる前に登録を済ませることが、この市では最も効率のよい準備です。