府中市では1歳の誕生日に子ども商品券10,000円分が用意されていますが、アンケート兼申請書を返送しなければ1円も受け取れません。
府中市の子育て支援とは、現金や商品券の給付を妊娠期から1歳まで節目ごとに置きつつ、家事支援や一時保育を「安い自己負担で長く使える」形に寄せた組み立てです。収録している府中市の13制度から、金額と条件を整理します。
1歳の誕生日に子ども商品券10,000円、返送しないと消える
ファーストバースデーサポート事業は、令和2年4月1日以降に生まれ1歳の誕生日を迎える市民の子どもが対象で、子ども商品券10,000円分が支給されます。誕生月に送られてくるアンケート兼申請書に回答して返送することが条件で、放置すると受け取れません。対象は令和2年4月1日以降生まれに限られます。
妊娠中の面談を受けて9,500円分、届出だけでは対象外
とうきょうママパパ応援事業の育児パッケージは、妊婦1人につき出産準備に使える9,500円分のオンラインギフトです。注意点は条件で、妊娠届を出しただけでは対象にならず、妊娠中に看護職との面談を受けることが必要です。転入者は前住地での面談状況が確認されます。
産前産後の家事・育児支援は1時間300円、単胎児で最大96時間
ふちゅうママパパ応援隊は、利用者負担が1時間300円です。単胎児は妊娠中から1歳の前日まで96時間、1歳から2歳の前日まで48時間、多胎児は120時間・90時間・60時間の枠があります。生活保護世帯と市民税非課税世帯は負担額が助成されます。落とし穴は利用条件で、支援は府中市内に限られ、両親ともに在宅勤務中の時間帯は使えません。派遣期間は単胎児が2歳、多胎児が3歳の誕生日前日までです。
給食費は0円、ただし令和4年9月分までの未納は残る
市立小中学校の給食費は令和4年10月1日から全額公費負担で、保護者負担は0円です。アレルギー対応食も対象に含まれます。一方で、負担が生じないのは同日以降の給食費で、令和4年9月分までの未納分は引き続き保護者負担です。教職員分も対象外です。
子ども医療費は18歳年度末まで、所得制限なし
保険診療の自己負担分を助成する制度で、0歳から18歳到達年度末までが対象、所得制限はありません。ただし高額療養費に該当する部分と入院時食事療養標準負担額は助成対象外で、保険適用外の費用も対象になりません。
リフレッシュ保育は1時間800円、定員8人の予約勝負
子ども家庭支援センターたっちで行うリフレッシュ保育は、1歳から就学前が対象で、市民は1時間あたり1人目800円、2人目400円、3人目以降200円です。1日4時間まで、月8日まで使えます。定員は1時間あたり8人と限られ、予約状況や当日の子どもの健康状態によっては利用できません。予約開始は市民が利用月の2か月前、市外の方は1か月前です。
病児・病後児保育は1回2,500円、施設ごとに年齢と受診要件が違う
利用料は1回2,500円で、市民税非課税世帯と生活保護受給世帯は減免されます。対象年齢は施設によって異なり、日野クリニック病児保育室は生後5か月から小学3年生、府中愛児園病児・病後児保育室は1歳から就学前です。日野クリニックは事前に同クリニックでの受診が必要、府中愛児園は医療機関の受診が必要で、どちらも医療機関を通らずには使えません。
ショートステイは1日1,800円、食事代300円は減免されない
保護者の出産や入院、宿泊を伴う出張などで一時的に養育が困難になった家庭の2歳から17歳までが対象で、利用料は1人1日1,800円、食事代は1食300円です。利用は7日以内(年末年始を除く)。市民税非課税世帯と生活保護受給世帯は利用料が減免されますが、食事代は減免の対象外です。事前の利用登録が必須で、必要が生じてからでは間に合いません。
多胎児移動支援は出生時期で24,000円と10,000円に分かれる
多胎児を養育する家庭に年1回支給されるオンラインギフトで、令和7年4月1日以降に生まれた家庭は24,000円分、令和7年3月31日までに生まれた家庭は10,000円分と、出生時期で倍以上の差がつきます。タクシー券や家事・育児支援サービスへの充当が想定されています。
先進医療の不妊治療は1回上限50,000円、都の承認が前提
特定不妊治療(先進医療)助成は、東京都の助成額を差し引いた額のうち1回につき上限50,000円です。都の助成承認決定を受けていることが前提で、都への申請日から引き続き府中市内に住所があることが必要です。他の区市町村から同様の助成を受けている場合は対象外です。
ひとり親向けは所得制限の線引きが細かい
児童育成手当は児童1人につき月額13,500円(年額162,000円)ですが、所得制限があり、扶養親族0人で3,758,000円から、4人以上で5,278,000円以上が目安です。ひとり親家庭等医療費助成は住民税非課税世帯が0割、課税世帯が1割負担で、こちらは扶養親族0人の場合に本人192万円未満、配偶者・扶養義務者236万円未満という別の線が引かれています。どちらも父母の離婚・死亡・遺棄などの要件に該当する必要があります。生活保護受給世帯等の入院助産は、出産前の申請と事前相談が必要です。
府中市をどう見るか
弱いのは、給付の多くが申請や面談とセットになっていることです。1歳の商品券も育児パッケージも、手続きを一つ飛ばすと受け取れません。多胎児移動支援のように、生まれた時期で金額が倍以上変わる制度もあります。効くのは、給食費0円と所得制限なしの医療費助成という誰にでも効く2本と、1時間300円で最大96時間という家事・育児支援の厚さです。使う側が動けば取り分は大きい、動かないと取りこぼす自治体だと言えます。