育児ヘルパーを70時間、双子以上なら160時間まで頼める区があります。しかも妊娠中から使えます。
豊島区の子育て支援とは、東京23区共通の制度(子ども医療費無料、ベビーシッター年144時間助成)に、区独自の上乗せを重ねたものです。豊島区の特徴は、現金給付ではなく「人の手を長時間、安く使える」方向に振っている点にあります。収録している豊島区の14制度から、金額と条件を整理します。
育児支援ヘルパー事業「としまいっしょに子育て」
妊娠1回につき最大70時間まで、双子以上の場合は160時間まで。利用料は1時間900円(多胎児は1人あたり1,350円)で、1回2〜4時間・1日最大4時間です。対象は区内在住で2歳未満の子どもがいる家庭で、出産前からも利用できます。
23区の家事・育児支援ヘルパーは「合計30〜60時間」という区が多く、70時間という総枠は多い部類です。双子以上の160時間は、文京区(240時間)や杉並区(240時間)には及びませんが、単価900円と組み合わせると実質的な負担は軽くなります。
産後ドゥーラは1時間900円
産後ドゥーラ利用助成事業は、対象者1人につき最大12時間(多胎児は1人あたり12時間)まで、利用料1時間900円(多胎児は1人あたり1,350円)。対象は区内在住で、妊娠中から産後6か月まで(生後7か月に達する日の前日まで)の方です。
板橋区の産後ドゥーラは1時間1,300円なので、豊島区のほうが単価は安く設定されています。ただし時間の上限は12時間と短めです。
ひとり親家庭は1時間0円から
ひとり親家庭ホームヘルプサービスは、1世帯につき年間70時間まで(1日2〜4時間)。利用料はひとり親になって1年以内が1時間あたり0〜500円、2年目以降は0〜900円です(子どもが複数の場合は1.5倍)。
ひとり親になった直後の1年間は単価が下がる設計になっていて、収入によっては0円で使えます。対象は小学校修了までの子どもを養育している世帯で、妊娠中の方も申し込めます。
産後ケアの自己負担が安い
宿泊型は通算6泊7日まで1日2,500円、通所型は3回まで1回1,500円(多胎児は5回)、訪問型は2回まで1回1,000円(多胎児は3回)。対象は住民登録があり、生後4か月未満の赤ちゃんとその母親(訪問型は生後1歳未満)です。
23区の産後ケア宿泊型は1泊7,000円〜9,000円という区もあるので、1日2,500円は安い部類に入ります。
見守り訪問で3,000円分のクーポン
子育て世帯見守り訪問事業「子育てエール」は、対象世帯1回につき、訪問完了後に育児関連商品と交換できる電子クーポン3,000円相当を配付します。対象は令和5年3月1日以降に生まれた生後4〜11か月の乳幼児を養育する世帯です。
多胎児家庭は3年で72,000円分
多胎児家庭移動経費補助事業(ツインスマイル面接)は、1世帯につき1回24,000円分のこども商品券。0歳児・1歳児・2歳児で各1回、計3回まで申請できるので3年で72,000円分になります。対象は3歳未満のふたご・みつご等を育てている保護者です。
多胎妊婦健康診査費用の助成もあり、15〜19回目の妊婦健診(最大5回分)を対象に、令和8年4月1日以降の受診で1回につき上限5,460円。通常の14回分の受診票では足りない追加健診をカバーします。
子どもショートステイ
児童1人につき1回6泊まで、4月からの1年間で12泊まで。利用料は乳児院が初日2日間5,000円(以降1日2,500円)、その他施設・協力家庭が初日2日間6,000円(以降1日3,000円)です。対象は生後43日から18歳到達後最初の3月31日までの児童。
私立幼稚園と給食費
新制度未移行の私立幼稚園に通う園児の保護者には、入園時補助金が上限50,000円(1回)、保育料等の負担軽減補助が月額33,500〜37,900円(年額換算402,000〜454,800円)、預かり保育料補助が1日450円程度、給食費補助が月額上限8,100円。
区立小・中学校の給食費(食材費)は全額無償です。
外国人学校に通う場合の補助
外国人学校児童・生徒保護者負担軽減補助金は、児童・生徒1人につき月額6,000円(年額換算72,000円)。ただし保護者が実際に納入した額が限度です。対象は区の住民基本台帳に登録された外国人の保護者で、外国人学校に通う義務教育相当年齢の児童・生徒を養育している方。
外国人学校は義務教育の就学援助の対象外になりがちですが、豊島区はここに補助を置いています。23区でも珍しい制度です。
豊島区をどう見るか
豊島区には出産祝金やバースデーサポートのような、まとまった現金・金券の給付がありません。区独自の金券は、見守り訪問の3,000円分と多胎児家庭の24,000円分×3回です。
効いてくるのは「人の手」の部分です。育児ヘルパー70時間(双子以上160時間)、ひとり親家庭ホームヘルプ年70時間、産後ケアの安さ。現金を受け取りたい世帯より、手が足りない世帯に効く設計です。