第1子から、0〜2歳の保育料が無料になる区があります。第2子以降ではありません。第1子からです。
練馬区の子育て支援とは、東京23区共通の制度(子ども医療費無料、ベビーシッター年144時間助成)に、区独自の上乗せを重ねたものです。練馬区の特徴は、保育料の無償化を第1子まで広げている点と、ひとり親世帯への児童育成手当を持っている点にあります。収録している練馬区の14制度から、金額と条件を整理します。
第1子の保育料無償化=令和7年9月開始
認可保育所等の保育料が無料。認証保育所は児童1人につき月額上限80,000円(年額換算960,000円)、練馬こどもカフェ等の乳児一時預かりは月額上限42,000円です。
国の幼児教育・保育無償化は3〜5歳児が対象で、0〜2歳児は非課税世帯に限られます。多くの区はここに第2子以降の軽減を上乗せする形を取っています。千代田区は第2子以降が無料、大田区は第2子が40%・第3子以降が無料です。
練馬区は**第1子から**無料にしました。0〜2歳で1人目を認可に預ける世帯にとっては、23区でも群を抜いて負担が軽くなります。
認証保育所の月額上限も40,000円から80,000円に引き上げられています。
注意点は範囲です。無償化の対象は保育料で、延長保育料は引き続き自己負担、給食費も原則として対象外です。多くのサービスは新たな手続き不要ですが、練馬こどもカフェ等は別途確認してください。
児童育成手当は月13,500円
児童1人につき、育成手当が月額13,500円(年額換算162,000円)、障害手当が月額15,500円(年額換算186,000円)。
受給者の所得が扶養人数に応じた限度額を超える場合は支給されません(扶養0人の場合の目安は所得3,838,000円)。事実上の婚姻関係にある場合や、児童が国内に住所を有しない場合も対象外です。毎年6月に現況確認の手続きがあります。
月13,500円を18歳まで受け取り続けると、総額は300万円近くになります。ひとり親世帯にとっては、区内で最も大きい制度です。
第3子誕生祝金は10万円、ただし1年要件
第3子以降の児童1人につき1回10万円。
条件が厳しく、**出生日の1年以上前から区内に住民登録がある**ことが必要です。転入直後の出産は対象外で、転入の場合は転入日から1年経過後に申請できます。受給後も1年以上区内に居住する意思があることも要件です。
23区の第3子祝金は、練馬区のほかに江戸川区などがあります。金額は10万円と同水準ですが、居住年数の条件は区ごとに違うので確認が要ります。
子育てスタート応援券は8枚
子ども1人につき応援券8枚を交付。有効期限は子どもが2歳になる月の末日までです。
使えるのは家事育児ヘルパー、助産師によるケア(授乳・沐浴指導)、産科施設のサービス、育児支援教室(ヨガ・スイミング等)など。杉並区の子育て応援券(0〜2歳で最大7万円分)のように金額で表示される方式ではなく、枚数で渡されます。
期限を過ぎた券は使えません。紛失時の再交付は1回限りです。2歳の誕生月末日が締切なので、逆算して使い切ってください。
育児支援ヘルパーは多胎児なら1時間300円
利用料は1時間1,000円。ただし低出生体重児・若年出産・切迫流早産などに該当する場合は1時間500円、多胎児は1時間300円になります。非課税世帯と生活保護世帯は無料です。
利用時間の上限は96時間(低出生体重児・多胎児など該当する場合は104〜120時間)。
多胎児の1時間300円は荒川区・台東区と並ぶ最安水準ですが、時間の上限が120時間までなので、荒川区の540時間や杉並区の540時間と比べると総量では届きません。
利用できるのは月〜土曜の午前9時〜午後6時で、事業者によって午後5時までや土曜の対応可否が異なります。
産後ケアは1回500〜1,500円
利用者負担は1回あたり500円〜1,500円(利用形態により異なる)。
利用回数の上限は、宿泊型が生後4か月未満で7日まで、日帰り型が1歳未満で12日まで(多胎児は18日)、訪問型が6回まで(多胎児は10回)です。非課税世帯・生活保護世帯は別途承認を受けたうえで無料になります。
日帰り型12日・多胎児18日という上限は23区でも多い部類で、単価も安く設定されています。産後ケアを多く使う前提なら有利な区です。
給食費は無償
区立小中学校の給食費は全額無償で、保護者からの徴収はありません。対象は練馬区立の小中学校に限られます。
無償になるのは給食費のみで、教材費などは従来どおり引き落とされます。中野区のように教材費・修学旅行費まで補助する制度はありません。
幼稚園の預かり保育は月15,000円
園児1人につき月額上限15,000円(区独自の上乗せ分を含む、年額換算180,000円)、非課税世帯の満3歳児は月額上限16,300円。
国の基準は月額11,300円なので、練馬区は区独自に3,700円上乗せしています。保育の必要性の認定が必須で、就労の場合は月12日以上かつ1日4時間以上の勤務が要件です。
平日の預かりが8時間未満、または年間の開所日数が200日未満の園に通う場合は、認可外保育施設の利用として扱われます。
出産費用の助成(入院助産)
自己負担額は所得区分に応じて定額0円〜9,000円と、出産育児一時金の10〜25%の組み合わせ。
対象は、生活保護または中国残留邦人等支援を受けている、当年度の住民税が非課税、区市町村民税の所得割額が19,000円以下で出産育児一時金が488,000円未満、のいずれかに該当する世帯です。利用できるのは指定施設のみになります。
練馬区をどう見るか
練馬区には出産祝金やバースデーサポートのような、全世帯向けのまとまった現金給付がありません。第3子誕生祝金の10万円も、1年以上の居住と第3子以降という二重の条件が付きます。
効いてくるのは保育料です。第1子から0〜2歳の認可保育料が無料というのは23区で最も踏み込んだ設計で、認可に入れる前提なら3年間で数十万円から百万円単位の差になります。認証保育所も月8万円まで見てくれます。
ひとり親世帯には児童育成手当の月13,500円が加わります。
0歳から預けて働く世帯と、ひとり親世帯。この2つに当てはまるなら、練馬区は23区でも上位です。逆に在宅で育てる世帯には、応援券8枚と育児支援ヘルパー96時間が中心になります。